不動産経営の体幹トレーニング(大家さんの心・技・体) 第3回 サブリース契約の闇|株式会社ハウステーション 専務取締役 野田康治

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不動産経営の体幹トレーニング(大家さんの心・技・体) 第3回 サブリース契約の闇

株式会社ハウステーション 専務取締役 野田康治

株式会社ハウステーション 専務取締役 不動産仲介店営業推進企画室室長・株式会社HSグローバル代表取締役、不動産賃貸経営のスペシャリストとして「賃貸経営マネジメント」「立退き・家賃滞納など不動産経営に関する法務的 マネジメント」などのアドバイザーとしても活躍

ハウスメーカーや建築会社がこれまで謳い文句としてきた「安心の〇〇年家賃保証!」「〇〇年一括借り上げ」初めて土地にアパートやマンションを建築して賃貸経営を始める大家さんにとって「そんな魅力的な投資はない!」と思わず飛びついてしまう商法ですが、これまで闇に包まれてきたその実態がここへきて、ようやく明るみに!
かれこれ10年以上に渡り、その警笛を鳴らし続けた筆者が、その実態を解説します。

サブリース契約の「〇〇年保証は」初めから無いも同然

サブリース契約、一括借り上げ契約、〇〇年家賃保証など、メーカー各社によってさまざまな言い回しがありますが、法的な契約でいえば建物の賃貸借(転貸借)契約にあたります。
これがすべてのカラクリを意味するのですが、一棟丸ごととか、大手だから安心というオブラートに包まれていますが、要するに入居者と取り交わす普通の賃貸借契約と何ら変わりはないということで、家主からの解約は容易にできなくても、入居者(サブリース会社)からは、いつでも解約が可能ということ。(借地借家法の弱者保護の観点からも守られてしまう)

一般の賃貸借契約ではどうか? 

更新時などに入居者側からの申し入れ 

家賃を下げて欲しいと賃料の減額請求 ⇒ 家主側は下げたくはない ⇒ 入居者側は「経済的な事情の変化でその家賃では払えない」旨を家主に伝える ⇒ その金額を払えないならば解約するしかない。 ⇒ 通常の(違約の無い)解約 

これとまったく同じことが今、地方を中心に全国各地のサブリース物件で増加していて、大手メーカーを相手取り集団訴訟などにも発展しています。
 

いずれの道も苦渋の選択「大幅な減額か?」OR「解約か?」

駅から遠いなど「使い道の無さそうな土地が狙われやすい」
よくある話では、銀行や農協などの金融機関の紹介から始まるケース。
ハウスメーカーは『建築が欲しい』、そこに『ローン契約が欲しい』銀行マン、『顧問契約が欲しい』税理士がタッグを組んで登場します。
「使い道の無さそうな土地にどれだけお金を生み出す価値があるか?」「建築しなければどれだけ相続税で損をするか?」それを3者の立場で囲みこんでいくのです。

相互にウインウイン(家主は一人負け)の利益を得られる関係を持つスぺシャリストが組んで相続税対策などにかこつけた専門的な話をもちかけ、地主さんとしてはすっかり信用させられてしまうケースが大半です。

ハウスメーカーは建築で大半の利益を得た後、満室経営が可能なうち(築10年ほど)は何事もないかのように運用していきます。(空室リスクの少ない間にしっかりと利益を得ます)

サブリース契約でも(保証料として家賃の10%)十分な利益を得ながら(他人のふんどしで運用しながら)空室が出始めてその物件の経営状況が悪化すれば(しなければ継続して利益を得る)減額請求をし合いを見て解約してもらう。

つまり、そもそもサブリース契約後の『解約』が最高のシナリオなのです


さらに入居者の入れ替えの際の現状回復の修繕費用や、防水や塗装などの大掛かりなメンテナンス費用も建築を請け負ったメーカーを使わなければならないと、サブリース契約の条文にもしっかりと盛り込まれています。

一見、サブリースという空室のリスクを負っているかのように見せかけて、メーカー側はノーリスクの状態(いつでも減額、解約が可能)で建築で儲けて保証契約で儲けてリフォーム工事で儲けるという仕組みになっており、最もリスクを負わされたうえに打ち出の小槌にされるのが家主さんという仕組みです。

そして万が一、サブリース契約の解約によってローン返済が滞る場合はどうか?
当然、銀行としては初めから土地と建物を担保にしてますので、そこで「とりっぱぐれ」は生じません。銀行の営業マンはは同じくノーリスクであり、融資の審査も通りやすいサブリースを勧め、うまくいかなければ(いけば)金利と土地建物を手に入れることができるのです。

いかがでしょうか?
いよいよ国土交通省が『賃貸住宅管理業者登録制度』に登録する業者に対しては、借り上げ契約の際に家賃の減額説明を義務化しました。

これまで、いかに「大手だから」「保証だから」大丈夫!という錯覚のもと、サブリース契約が行われてきたことか。

最後にお伝えしたいのは『サブリース契約』がダメなのではありません。

私自身、10年以上前から地主さん方々に警笛を鳴らしているのですが、もとからお付き合いのあった大家さんからは信用いただいて、建築プランの変更やサブリース契約を阻止することができ、沢山の感謝のお言葉をいただきました。

また、建築当初に渡した資料や手紙をもって、「言ってた通りだった!」と、再び会いに来てくれて、サブリース契約を解約し当社管理に変更して頂いたこともありました。
残念ながらご理解をいただけなかったハウスメーカーのサブリース契約をされた地主さんたちが、大幅な減額請求によって窮地に立たされていないことを願っております。

賃料収入は築年数に応じて必ず目減りするということ、そのこと(減額率)を計算したうえでも維持できる事業計画を立てましょう
そして、満室を維持できる業者の募集力が一番に必要であり、信頼できる不動産業者など「賃貸経営」を力を合わせて行うパートナー選びがとても重要であると思います。





 

更新日:2016年9月19日 (公開日:2017年6月28日)

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