不動産鑑定士が見る!2017年新築分譲マンション市場の予測|不動産鑑定士 難波 里美

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不動産鑑定士が見る!2017年新築分譲マンション市場の予測

不動産鑑定士 難波 里美

当社は長期的ビジョンに立ち、不動産の価格形成の最適化に寄与すべく日夜研鑽を積んでおります。 一例として当社は住宅賃料については、85年から定点観測を行っており賃料の動向と需要、動向に ついて常に新しい情報提供している他、分譲マンション、分譲住宅(定期借地権を含む)の市場調査、 異業種と協業して不動産の市場評価等の新規分野にとり組んでおります。

2017年新築分譲マンション市場はどう動くか、2016年の実態を見ながら考察していきたいと思います。

2017年新築分譲マンション市場の予測

今、昭和51年(1976年)の平均単価210,000円/㎡をベースとし、マンション取得能力に関連性の高い可処分所得の伸び率で理論単価を算出し、実際のマンション単価と比較してみました。
下図(<図1>参照)に表示の如く、昭和51年~昭和62年(1976年~1987年)まで、マンション平均単価の推移と理論単価はほぼ均衡しています。

ところが昭和62年以降、バブル期に入って急速に平均単価は上昇し、理論単価と大きく乖離しました。

地価のピークは平成2年(1990年)で、その後急落していますが、マンション価格は土地の仕込みからマンションの販売まで期間を要するため、ピークアウトは平成3年になっています。
その後、地価、建築費の下落に伴いマンション平均価格は急落し、平成13年(2001年)で開差率が縮小し、平成17年までほぼ均衡していましたが、平成18年以降は地価と建築費の上昇により販売価格が上昇しています。

ところが、勤労者可処分所得の伸び率は、逆に減少したことにより理論価格とマンション価格は乖離し始めました。その後も建築費の高騰により、マンション価格は上昇するのですが、可処分所得伸び率は減少しているため、理論値との乖離は拡大傾向にあります。

平成28年(2016年)(1~10月)の新規供給戸数は14,726戸で、年換算すると約17,670戸となり、平成27年(2015年)の新規供給の18,930戸を下回ることが予測されます。
但し、契約率は平成27年(2015年)の70.8%に対し、71.8%と若干上回っています。

建築費、用地費の上昇により平均単価は+5.6%も上昇しており、総額を抑えるため専有面積は縮小傾向にあり、過去最低の63㎡台となっています。

それでも総額は平成27年の3,788万円から平成28年は3,881万円に上昇しているのです。
専有面積の小振化は、都心で投資向け分譲1ルームマンションの供給が増加していることも一因でありますが、ファミリー向けでも占有面積の小振化が進行しています。

<図1>

 ではエンドユ-ザ-はこうした市場の動向についていってるのでしょうか?特に都心部の地価上昇、建築費の上昇により、マンション販売価格は高騰していますが、一般エンドユーザーは高騰する新築分譲マンションの価格についてゆけず、中古マンション市場に流れています。

下図2は首都圏と近畿圏の新築分譲マンションの価格と契約率を平成22年から平成28年(1~9月)間をグラフ化したものですが、これを見ると、首都圏も近畿圏も平成25年以降、新築分譲マンションの価格が地価・建築費の上昇に伴い高騰していくのに反比例して契約率は低下しています。近畿圏は首都圏程、契約率は低下していませんが、平成25年の契約率79.6%をピークに平成27年、平成28年は契約率71%前後に下落しています。

国税庁調べ「平成27年度 民間給与実態調査結果」の東京国税局内納税者の平均給与約532万円に対し、平成27年の新築マンションの価格は年収の10.4倍、大阪国税局内納税者の平均給与約466万円に対し、平成27年の新築マンションの価格は年収の8.1倍で、もはや実需の手の届かない価格となっています。

加えて富裕層や投資家に人気のあるタワ—マンションですが、タワーマンションの固定資産税を高層階ほど税負担を高く、低層階では低くする税改正を平成30年度から新たに課税されることとなるマンションから適用していく方針です。以上の要因を総合すると、今年の新築分譲マンション市場の契約率は価格が下がらない限り、更に低下していくことが予想されます。


また団塊ジュニア世代の持家取得需要がほぼ一巡し、次世代の持家取得予備群の人口ボリュ-ムは一気に減少すること、高齢者の単身世帯、並びに晩婚化、非婚化で若年層も単身世帯が増加していること等の現状をみると、従来のステレオタイプのマンション供給ではなく、コレクティブハウス等、新しいマンションの供給のあり方を検討すべき時期にきているものと思われます。
 
                                        以上 
 



 

更新日:2017年1月6日 (公開日:2017年6月29日)

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