家の中にある聖域  住宅産業から住居産業へ ④|株式会社FGH 執行役員 中村彰男

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家の中にある聖域  住宅産業から住居産業へ ④

株式会社FGH 執行役員 中村彰男

やや偏屈なところも、つむじの曲がったところもありますが、情報量に関してはそこそこの自負がございますので、私のコラムからは、不動産投資について、何らかのヒントを拾っていただけるのではないかと思っております。

私は、勤務先の会社で開催している、収益不動産運用に関するセミナーの講師も受け持っていますが、主たるテーマを、人口減少期における不動産投資はいかにあるべきか、に置いています。

前回のシリーズでは、近現代における東京の発展段階を、さまざまな角度から検証することによって、賃料の下落しにくいエリアを想定しようと試みました。

今回のシリーズは、大幅に趣向を変えて、住宅を供給する側ではなく、居住する立場から、どのような住宅が快適な住居なのかを考えてみようと思います。

より快適な住宅が、市場優位性を持ちうるからです。

我が家の虎は泣いている

江戸時代中期に、西洋画の技法を大胆に取り入れた、秋田蘭画という和洋折衷の絵画様式があったことは、あまり知られていないと思います。
 
そんなマイナーなジャンルの企画展がなんと16年ぶりに催され、次回はいつ観られるか分かったものではないので、強引に半日のお休みをいただいて、足が棒になるまでどっぷりと鑑賞してきたのですが、いや、もう、素晴らしいのなんの。
 
と、別に絵画論を展開する気はさらさらないのでありまして、面白かったのは、描画技法はまんま洋風なのにもかかわらず、展示されていた作品の95%が軸装画だったことです。
 
軸物は、いうまでもなく床の間に掛けて鑑賞するものであり、その床の間はどこにあったかといえば、一般には、現在の住宅では絶滅の危機に瀕している座敷だったわけですね。
 
角館のあの武家屋敷にあるお座敷で、お侍さん同士が、洋風画の掛け軸を眺めながら絵画の技術を論じている姿なんて、想像するだけで微笑ましいじゃありませんか。
 
以前お話ししたとおり、私の生家は純和風住宅でしたから、表座敷、奥座敷とご丁寧に二つも座敷があったものですが、今でも感心するのは、いずれの間も、台所からは完全に分断されるような設計になっていたことです。
 
台所を仕切るための引き戸の効果とも相俟って、魚を焼く煙がどれだけ立ち昇ろうと、蒸し器からどれだけ水蒸気が放出されようと、座敷にまではまず及ばないので、床の間飾りが傷む気づかいはありません。
 
大真面目に私が居室と台所の分離を主張する一因は、こんなところにもあります。
 
火力を使った調理をすれば、目には見えなくても、油分や水分の微細な粒子が空中に飛散するものです。
 
今の私のDK仕様の部屋では、精密機械のPCにしたところで、時折うっすらと脂汗をかいたりしているので、はるかに繊細な絹本画なぞ、とうてい飾っておける環境ではありません。
 
親が高齢になり、軸物を掛け替える手間を惜しむようになったのを幸い、何幅ずつか借り出しては、たまに眺めていますが、わりかしお気に入りの竹虎図にしても、年に何度もお目見えするわけではないので、出番の少ない虎君には申し訳なく思っているのです。
 

更新日:2017年1月17日 (公開日:2017年6月28日)

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