旅する食器棚  住宅産業から住居産業へ ⑤|株式会社FGH 執行役員 中村彰男

×
←賃貸経営博士
賃貸経営博士コラム空室対策のコラム > 旅する食器棚  住宅産業から住居産業へ ⑤

旅する食器棚  住宅産業から住居産業へ ⑤

株式会社FGH 執行役員 中村彰男

やや偏屈なところも、つむじの曲がったところもありますが、情報量に関してはそこそこの自負がございますので、私のコラムからは、不動産投資について、何らかのヒントを拾っていただけるのではないかと思っております。

私は、勤務先の会社で開催している、収益不動産運用に関するセミナーの講師も受け持っていますが、主たるテーマを、人口減少期における不動産投資はいかにあるべきか、に置いています。

前回のシリーズでは、近現代における東京の発展段階を、さまざまな角度から検証することによって、賃料の下落しにくいエリアを想定しようと試みました。

今回のシリーズは、大幅に趣向を変えて、住宅を供給する側ではなく、居住する立場から、どのような住宅が快適な住居なのかを考えてみようと思います。

より快適な住宅が、市場優位性を持ちうるからです。

食器棚の夜明け

現代の日本においては、独身世帯ならいざ知らず、いわゆる食器棚というものを持たないご家庭には、まずお目にかかれないだろうと思います。
 

ところが、大正年間の設計図面を見ると、住宅の広さによほどの余裕がない限り、台所まわりに食器棚に類する家具を置くスペースなど設けられていないのが一般だったりするのですね。
 
一方、かなりな割合で、台所の内部に戸棚が造りつけられていたのは、ちょっとした発見でした。
 
さては、全半壊家屋が20万戸を超えた濃尾地震から間もない時期のことゆえ、大地震への対策なのかしらん、とも考えたのですが、私の生家もたしか戸棚は造りつけだったよなぁ、と思い出すうちに、はたと気がついたのであります。
 
そういえば、箱膳てものがあったじゃないか。
 
今や知る人も稀になった箱膳ですが、お椀・お皿・湯飲み・箸など、一人前セットの食器を格納することができ、食事のときは蓋を裏返してお膳がわりに用い、食事がすむと、めいめいの箱に自分の食器を戻し、蓋をしてしまっておく道具でした。
 
箱の型はみな同じですから、戸棚に積み重ねて収納しておけばそれでよかったわけで、よく考えれば、食器棚の出番なぞありはしないのです。
 
にも拘らず、今ではあらゆる家庭に根を下ろしているのはなぜかといえば、食生活が大きく変わったからですね。
 
食生活の洋風化(というか簡便化)を揶揄的に表現した「オカアサンヤスメハハキトク」のどれひとつとして、箱膳上のお皿に収まるものではありません。
 
オカアサンヤスメハハキトクが盛り付け映えするお皿をとにもかくにも買い込み、買い足し、カトラリィも増えたところで、さて、置き場をどうしよう、という泥縄的な地点から、近現代の食器棚の歴史が始まったのは否めないと思うのです。
 

更新日:2017年1月25日 (公開日:2017年6月27日)

株式会社FGH 執行役員 中村彰男の記事

空室対策の記事

すべての記事

こんな記事も読まれています

こんな記事も読まれています

新着!大家さんのお悩み相談

こんな記事も読まれています

こんな記事も読まれています

新着!大家さんのつぶやき

新着!大家さんのお悩み相談

あなたにおすすめの収益物件

大家さん・投資家さんのためのセミナー・勉強会・相談会

お名前*
メール*
住所*
※お試し無料購読は1年に1冊の配送となります。
(何月号が届くかは指定できません)

PAGE TOP