節税対策の「生前贈与は得?」 相続のまことしやかなウソの話!⑤|不動産コンサルタント 松葉 民樹

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節税対策の「生前贈与は得?」 相続のまことしやかなウソの話!⑤

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その他識者 不動産コンサルタント 松葉 民樹

間違った知識や様々な法改正や税制改正、新設制度など、地主さんや賃貸不動産オーナーさん、不動産投資家さんにコンサルティングしてまいりました。私のコラムと同様、皆様の少しでもお役に立てれば幸いです。

よく相続税の節税対策だとして、子や孫に土地や現金などを「生前贈与」される方がいらっしゃっいますが、果たして本当に得なのでしょうか?
相続時精算課税贈与は読んで字の如くで、相続時に精算課税されるのだから「得」は無いことは自明でしょうが、毎年110万円の基礎控除がある歴年課税贈与は得なのでしょうか?

生前贈与は得というウソ!

そもそも、相続税法という法律は存在しますが、贈与税法という法律は存在しません。
相続税逃れを補完する意味で相続税法の中で贈与税を規定しています。
相続税逃れを補完するためですから、相続税の方が贈与税より安くなっているのは当たり前なことです。

例えば‥評価額で3000万円の資産(土地・現金)を子が相続した場合、単純に
3000万円✖️15%−50万円=400万円ですが
3000万円の資産を贈与した時の贈与税は
(3000万円−110万円)✖️45%−265万円=1035.5万円です。

相続税は累進税率なので、他に資産がたくさんあれば最高税率は55%(一人の相続分が6億円超)なので単純にはならないのですが、累進税率は一人の相続分で3億円超が45%(控除額2700万円)ですから税率だけ見れば同じです。

また、相続税も贈与税も最高税率は現在55%と同じですが、
相続税は6億円超(控除額7200万円)に対し、贈与税は4500万円超(控除額640万円)で最高税率適用なのです。

次に、 相続財産を生前に少しでも子や孫に渡して減らしたいと、土地の持分を毎年、子や孫に基礎控除の110万円前後贈与している方もいらっしゃいます。気持ちは分かりますが、相続税という税金を減らした分、余計に不動産取得税や登録免許税という税金を負担していることを知らないのでしょうか?

不動産取得税とは、土地や家屋を購入したり、家屋を建築するなどして不動産を取得したときに、登記の有無にかかわらず課税される税金ですが、相続により取得した場合には課税されません。

ところが贈与で取得した場合は、売買や交換、建築で取得した場合と同様に
取得した不動産の価格(課税標準額)✖️税率(土地:3/100、家屋住宅:3/100、家屋非住宅:4/100)
かかります。

また、登記免許税とは登記の名義書き換え料のようなものなのですが、これも
相続で取得した場合は、不動産価格✖️4/1000なのですが
贈与や売買、交換の場合は、不動産価格✖️20/1000と相続と比較して5倍かかるのです。

現金を贈与しても不動産取得税や登録免許税はかかりません。よって、どうしても相続財産を減らしたいという方は、納税資金の前渡しとして現金を贈与する方がまだマシです。
これから土地区画整理が行われるとか新道ができてロードサイドになり、今後土地の価格や評価が跳ね上がるのが確実という事情がある場合を除いては、土地を生前贈与するというのはそれほど得とは思えません。

また現金を贈与する場合、毎年同じ日に同じ金額を贈与すれば、定期贈与とみなされないかという心配をされますが、毎年きちんと「贈与契約書」を作成しておけばその心配はありません。もともと贈与は契約行為(民法上)ですから贈与者のあげましょうと受贈者のもらいましょうの意思の合致がなければ成立しないのですから‥

ですから、受贈者が知らないのに贈与者が勝手に預金通帳を作って振込んでいた現金は贈与ではなく、名義借り預金=預金隠しとみなされ脱税行為、重加算税の対象になりますから気をつけて下さい。




 

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更新日:2017年8月17日 (公開日:2017年2月22日)

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