『需要と供給のミスマッチ』入居者である東京の人口は増えているのに、東京23区であっても空室率が増加している理由|株式会社ハウステーション 専務取締役 野田康治

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『需要と供給のミスマッチ』入居者である東京の人口は増えているのに、東京23区であっても空室率が増加している理由

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不動産管理 株式会社ハウステーション 専務取締役 野田康治

株式会社ハウステーション 専務取締役 不動産仲介店営業推進企画室室長・株式会社HSグローバル代表取締役、不動産賃貸経営のスペシャリストとして「賃貸経営マネジメント」「立退き・家賃滞納など不動産経営に関する法務的 マネジメント」などのアドバイザーとしても活躍

私事ですが、人生初のモルジブに行って参りました。
仲間と船のクルーと10日間ずっと船の上で寝泊り、生活をするちょっとした海賊気分を味わえる貴重な旅でした。

さて、2010年頃から『少子高齢化が進む』というのは誰もが知る事実でした。それでも「全国的に見て減少しても東京だけは人が集まるドーナツ減少で減らない」と言われながらも、そこから現在2017年になって7年が経過しました。
東京都においても空室率が3割を超えて空室率は増加傾向に。

今回は、様々な視点からその理由と、今後の展望についてふれてみたいと思います。

東京においても空室率が3割になった理由


ちなみに先にお伝えしますが当社の管理物件の稼働率は常に95%以上を維持しており空室率は5%未満で推移しています。建物丸ごと管理会社を変更頂くケースが多いのですが、ランニングコストを見直して、空室ロスが少ないということ(ゼロではありません)で、一年間の収支は断然改善され、安定した賃貸経営を継続しやすくなります。

そんな中で、一般市場においては不動産調査会社タスの調査によれば昨年の東京23区の空室率が34%とのことです数字の上だけで言えば3、戸に1戸は空室があるということになります。

そこで気になって調べてみたところ、平成28年度の23区への転入者は転出者を差し引いても5万人以上で、余談ですが男女の割合としては女性の転入の方が多くなっています。
最近の傾向として、女性向けの賃貸住宅の企画やテレビCMが多いのもそのせいです。

つまり、依然として東京23区の人口はまだまだ増加しており、元々は世帯人口(人口密度は高い)が少なかった中央区や千代田区などの都心のオフィス街に住む人も現在のところは増え続けています。

では、人は増えているのに、それでいて空室が増える理由とは?

『需要と供給のミスマッチ』この一言に尽きます。

そもそも賃貸物件の供給過多というのは、これまでに15年近く言い続けており、その競争の激化が家賃の下落に拍車をかけている訳ですが、特に利回りを重視したシングル物件が多過ぎです。かれこれ20年前から私が賃貸物件のプランニングについて相談される際には、駅前などの好立地『以外』には、1LDK(およそ35㎡)~2LDK(およそ50㎡)を提案してきました。(立地が良いのであればシングル物件も利回りで観ていい場合が多いので)
いくら利回りを重視しても、それは100%の満室稼動によるシュミレーションですので、空室ロスが生じてしまうと断然利回りは下がります。

ワンルーム物件の供給過多による競争率の激化はリスであり、この先にも核家族化が進むことや額面通りに少子高齢化を見越せば、そういった間取り(1LDK~2LDK)には将来的にも需要がありますし、何よりあまり建築されていない分、他との差別化が計りやすいことが理由でした。
今後ますます既婚率の低下が予想され、年齢的にその面でも高収入の単身者や、自宅を購入しない人は増えると思われます。

私がお取引するオーナー様が多い練馬区においては、新婚やファミリーから人気が高くその需要が多いエリアなのです。にもかかわらず、建築されるのはシングル物件が多く、中々そういった物件は建築されませんでした。建築段階にそういった提案できた賃貸物件は現在もほとんどが満室稼動しています。

近年はファンド系の投資マンション、銀行や税理士とタッグを組んだハウスメーカーなどが
利回りを重視した(その後の客付けは不動産会社任せ)シングル物件ばかりをオーナーに勧めて建築を受注してきたことで、この現状に陥っている訳ですが、尚も新築といえばシングル物件があとを絶たず、競争力が高く埋まりやすい新築でありながら、完成から半年経っても満室にならない状態が続いています。

新築でも埋まらない部屋が、数年後、築年数が経過して劣化するというのに、どうやって埋めるつもりなのでしょう?

『新築でも埋まらない』では、その家賃の設定をしたのは誰でしょう?
銀行やメーカーに相場よりも高く嘘の家賃設定(建築の受注が目当てで)のプランニングを元に建築された場合には、賃貸経営そのものが危険な状態にある場合がありますので、維持管理費やランニングコストの見直しのご検討ください。

そして空室期間のロスを減らす(収益を増やす)ことも必要です。

お金の借入れ、建築、アパート経営とその管理をすべて、大手だから安心などと丸投げにしないで必ず一つ一つ比較検討するようにしましょう。
もはや、『大手だから安心ではなく、大手だから危ない』と考えてください。

ゴルフなどで遠出をすると、地方の駅から遠い畑の真ん中に建つ、真新しいのにほとんど空室のアパート、マンション(新築当初は保証とはいえ)をよく目にします。
『誰とく・・・?』 まさに誰が何のためにこんな計画を立てたのか・・・?
この後の物件とオーナーの悲しい末路を考えると不憫でなりません。

23区内の僻地(バス便で行くエリア)でも同様に、「え?なんでそんな所にアパート作るの・・・?」「え?こんなに駅から離れてるのにシングル物件?」なんていう物件もザラにあります。

残念ですが、こういった物件は今後の競争率を考えると、これからは相当の苦戦を覚悟しなければならないでしょう。保証賃料の見直しごとに大幅な減額請求を求められ、それを断れば契約解除(転貸借借契約の解除)されます。

過去の経験ですが、某ハウスメーカーのごり押し営業に押し切られて、一括借上げによりアパート建築の契約を交わしてしまい、そこからひっくり返した事例がこの数年で3~4件あります。

駅から遠い立地に60戸くらいの木造ワンルームを建築するというプランには、さすがにあきれ果てました・・・。
そこから別の建築会社で戸建て賃貸を30棟に変更したり、他にも中途半端な1DK8戸のプランを2LDK6戸に変えていずれも、築5年を経過しますが現在も常に満室稼働中です。

その土地でのボリューム(戸数)や立地に合ったニーズを考えない『需要と供給のミスマッチ』をこれからも声高に訴えていきたいと思います。

 

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更新日:2017年9月23日 (公開日:2017年7月17日)

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