「事業的規模」を達成していなくても、「一般事業」で結果的に「営業等」と「不動産」を合わせて青色控除が差し引ける~結果としての節税あれこれ~|Hisashi

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「事業的規模」を達成していなくても、「一般事業」で結果的に「営業等」と「不動産」を合わせて青色控除が差し引ける~結果としての節税あれこれ~

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大家 Hisashi

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。

 筆者は10年前に早期退職の道を選びました。ゆえに今回の記事を書けるのですが、けっして読者の皆さんに積極的なお勧めをしようとは思いません。長い年月をかけて培った「手に職」をリセットするのは不安ですし、実際10年経った今もあの早期退職を決めた際の不安を凌ぐ心の揺れはないような気がします。年金+小遣い程度(ワンルーム2・3戸規模)でも十分人生は楽しめると思います。本コラムはあくまで「参考」としてお読み下さい。

<04>駆け出し個人事業主

 最初(第00回)でおことわりすべきでしたが、この節税コラムは、基本的に単独個人投資家を想定して書いています。
 前回(第03回)、

> サラリーマン大家は年収家賃500万を目指し、無借金ならリタイヤしても個人事業主控除の
> 範囲に収まり……、

ということを書きましたが、これが結婚でもしていれば(どちらかが専業主婦 or 主夫)、

 「家人を社長にプライベート・カンパニーを設立し、賃貸収入は法人に入るように設計し、その役員報酬を得る形にして……」

なんてワザも使えます。また、専業主婦やお子さんが居れば、扶養控除などが加わりますから、考え方が根本から変わります。

 が、取り敢えず本コラムでは、単独個人投資家という前提で話を進めます。

 さて、前回記事の最後に、

> 336万から、セミナー参加費、研究図書費、携帯電話代、会計ソフト代、などなどを差し引
> いて290万まで所得を落とす

と書きましたが、実は、この規模でサラリーマンを辞めて個人事業主になればそんな所得圧縮は不要です。
 青色事業者で65万円の控除が認められるので、

 336万 - 65万 = 271万

の所得になり、何もせずとも個人事業主控除内に収まってしまうのです。
 もちろん、複式簿記を付けなきゃいけないとかの要件はあるのですが、以前は記帳義務なしだった白色(ただし控除額は10万円)も今は300万程度の年収で記帳義務が発生していますから、大きな違いはなく、

 「簿記はいっときのお勉強、それも今どきはパソコン任せ」

と考えましょう。しかも、不動産賃貸経営は、売り掛け・買い掛け・手形決済などが殆ど無く、大概の収支取引は振込ですから、現金勘定すら稀です。実際、筆者が気をつけるのは、

・損害(地震)保険の先払い(長期前払金、5年に分けて経費化)
・期を跨ぐ場合の預り家賃(前受金)
・司法書士の支払報酬から差し引かれる源泉税(預り金)

くらいのものです。

 さて、よく「事業的規模」ということが言われますが、前回目指した7部屋所有は、5棟10室を充たしていませんから、不動産賃貸業では事業化を達成していません。
 でも、サラリーマンを辞めて独立した段階で、

・「所得/営業等」

の対象となる「一般事業」が始動します。
 このコラムの第01回に載せた、筆者の確定申告コンパクト版ですが、その一般事業の収入は129,600 円です。これは、クライアントからHP作成のための依頼を受けて(月額10,800円)、実際にはレンタル・サーバー代などに消えているのですが、内容的には明らかに不動産経営ではないので「一般事業収支」に入れているわけです。
 ところが、サラリーマン時代との最大の違いは、

・経費計上のマイナスが認められる

点です。コピー機のリース料やら、上記HP作成に掛かる打合せ費用、会議費、接待交際費、交通費、通信費など、税理士に問合せながら、可能なものは経費化して、不動産の方のプラスと相殺していきます。5棟10室を達成していなくても、結果的に「営業等」と「不動産」を合わせて黒字65万が残っていれば、青色控除が差し引けます。減価償却費と同じで、実際にお金は出て行かないのに、経費化できるわけです。
 別にそのことを目的にしているわけではありませんが、筆者の事業規模(物件数、賃料収入)では、そうした部分での遣り繰りをしないと最終黒字が覚束ないため、なかなかに苦労しているわけです。

 そうして、基礎控除、社会保険料控除、青色特別控除、生命保険控除、小規模共済掛金控除なども視野に入れ、

・最終2月の確定申告で所得税ゼロ
・でもそれは控除の結果であり、12月末時点の事業収支は黒字

を実現します。
 小規模共済は、青色控除と違い、簿外に資金を貯め、節税アイテムとして使えるツールです。確定申告書の同じ欄に記入する、最近仲間入りした(2017から公務員や専業主婦も加入可)「確定拠出年金」も同様の働きをします。なお、両者とも確定申告段階で登場(機能)するもので、事業費用として経費化はできません。実際には営業収入や賃貸収入から回したとしても「事業主貸」となります。
 黒字である限り、毎年借入の返済が進めは、それに連動して資産は増えているわけですから、手頃な次の物件が出ても、採算が取れれば融資を引っ張れる可能性は維持できます。

 サラリーマン時代の、給与収入から容赦なく引かれる所得税ではなく、あれこれ経費計上を遣り繰りし、申告段階で赤字を回避する。苦労っちゃあ苦労なのですが、見方を変えれば、これが個人事業主の「旨味」ということになるのでしょうか。
 実際の印象としては、

・勤務先に所得税を先取りされないから、同じ額程度のローンを抱える分には、日頃の「遣り繰り感」も同程度

という感覚です。
 もちろん、元利均等返済だと、後になるに従い経費にできる利息分が減少するので、収入は変わらないのに課税所得は増えていく、という苦しさはあるのですが、節税策を自分でコントロールできるという点が有利といえば有利、でも苦労の割に大した額でもない、とも言えます。
 第00回の「最初にしっかり頭に入れておくべき」数字を思い出して頂きたいのですが、瑣末な節税などに腐心するより、50万円という単位で手元資金が増えてくれる方が、時間や気苦労まで併せて考えれば有利とも言えるのです。(つまり、もっと収益を上げろ、ということですね。)

 なお、今回のタイトル「駆け出し個人事業主」ですが、サラリーマン大家を継続し、本業で800万とかの年収をキープしながらの不動産賃貸経営、という立場では書いていませんのでご注意を。
 超過累進税率が導入されている所得税では、高い税率の所得部分から節税対策を施すのが原則です。冒頭でも触れましたが、今回述べたような、あるいは第01回でお見せしたような確定申告コンパクト版は、現在の筆者のように、源泉税を取られるような給与収入・雑収入が殆ど無く、不動産賃貸経営規模もさほど大きくない専業大家的なポジションを前提としていることを、頭のどこかに置いてお読み頂きたいと存じます。

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更新日:2017年9月22日 (公開日:2017年8月21日)

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