ゴミ屋敷の隣室の入居者の引っ越し費用は大家負担!?-賃貸経営博士-

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弁護士&保険会社に聞いてみた!
賃貸経営事件簿!

ある日突然!隣人に迷惑をかける入居者が…。
ゴミ屋敷編

木造アパート(1Kタイプ)を所有しています。 先日、入居者(A氏)から「隣室から悪臭がする」という連絡があり、早速隣室の入居者(B氏)の部屋を訪問すると、床上約1mの高さまでゴミが散乱している状態を確認しました。
その場で、ゴミを撤去する約束をしましたが、1週間経っても状況は変わらず玄関前の共用廊下にはゴキブリの死骸が数匹いました。
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弁護士に聞いてみた

このような状況で賃貸借契約を解除することは可能ですか?

まず、賃貸借契約において借主は、本来の用途に従い使用する義務(善良なる管理者としての注意義務=善管注意義務)を負います( 民法616条、同594条1項)。
本件でのB氏のゴミを溜め込むという行為は、建物の本来の用途に従った行為とは言いがたく、B氏は債務不履行の責任を負い、相談者は解除することができるように思えます。

しかし、不動産の賃貸借において、「債務不履行があればすぐに出て行け」となってしまうと、借主は即座に住居を失うことになり、それではあまりにも借主にとって酷な結果となる危険性があります。

そこで、判例・実務は「貸主と借主の信頼関係が破壊された時に限って、貸主からの解除を認める」としています。本件では、相談者がB氏とゴミを撤去する約束をしてから、まだ一週間しか経過していません。今までゴミの撤去について特に何も言ってこなかったことから考えても、1週間が経過したことのみをもって、相談者とB氏の信頼関係が破壊されたというのは難しいでしょう。

ただ、この状況が長く続いたり、改善を幾度となく申し入れたりしても環境が変わらないようでしたら、信頼関係が破壊されたとして、解除が認められる可能性は高くなるでしょう。

A氏の主張

自分の入居は2ヶ月前であり、B氏の部屋の状態はそれ以前からであると考えられ、隣室がゴミ屋敷と知っていたら当然入居しなかった。

A氏の要望

別のアパートへの引っ越し
→アパートを管理する側の善管注意義務が著しく欠落しているので、引越しにかかる費用は全て大家さんに負担して欲しい。

A氏の要望(上記)に応じなければならないのでしょうか?

この場合、A氏は引っ越しにかかった費用を相談者に対して、債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができると思われます( 民法415条)。貸主である相談者が借主であるA氏に対して債務を負っており、それを履行しなかったといえることが必要となります。
ここで、賃貸借において貸主が負う債務とは、賃貸借の目的物を通常使用できる状態において使用・収益させる義務です。本件では、A氏の居室は隣室からの悪臭がし、ゴキブリが発生する状況となっており、通常使用できる状態とは言いがたいでしょう。

そして、相談者が今までB氏について特段の措置を講じていなかったことが、A氏の居室の悪臭、ゴキブリの発生につながり、そのためA氏は引っ越すことになったのです。
債務不履行の際に認められる損害賠償の範囲は、「通常生ずべき損害」とされますが(民法第416条)、貸主の債務不履行があり、借主が住めなくなった場合には引 越しをしなければならないというのは通常生ずべき損害と考えられます。

そのため、相談者の債務不履行がA氏の引越し費用を発生させたと言えるので、相談者はA氏の費用を賠償しなければならない可能性が高いものと考えます。
また、B氏がゴミを溜め込んだことによってA氏が引っ越す、又は居室を移動し、そのコストを貸主が負担する、というのは通常予想すべき事態であることから、相談者はこれらの費用をB氏に対して請求することができる可能性が高いと考えます。

弁護士 大達 一賢
エジソン法律事務所
東京都千代田区神田多町2-2-22 千代田ビル4階
TEL:03-5298-6327
FAX:03-5298-6328
HP :http://edisonlaw.jp/
保険会社に聞いてみた

入居者の過失で火災が発生した場合に、大家さんの火災保険は適用されるの?

入居者に過失があるような場合であっても、大家さん自らが火災保険に加入していれば、出火した部屋、隣部屋とも建物の損害を補償することができます。一般的に借主は失火等で賃借建物を破損させた場合、「賃貸借契約終了時に賃貸建物を原状に復したうえで返還しなければならない」債務(返還義務)が不履行となり、大家さんに対し「債務不履行責任」を負います。

また、借主が失火に著しく注意を欠いた(重過失)と判断されると、他戸室や隣家に対し不法行為責任が生じ、損害賠償責任を負うことにもなります。 借主は、このような不測の事態に備えるため、大家さんへの損害賠償を補償する借家賠償や、他戸室や隣家への損害賠償を補償する個人賠償などに加入することをおすすめします。

三井住友海上火災保険株式会社
火災新種保険部 家計火災保険チーム 宍戸幸哉
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