更新料と消費者契約法についての判例 大達弁護士が颯爽と登場!|エジソン法律事務所 大達 一賢

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更新料をめぐるトラブル!入居者が更新料を払わない?~ピリッと辛い更新料|はじめての賃貸経営【第9回】

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弁護士 エジソン法律事務所 大達 一賢

相続や不動産案件、離婚、交通事故等個人の方から企業法務も含め、幅広い案件を専門家としての知識と経験を生かして取り扱っています。依頼者目線で正当かつ最大限の利益を実現すべく、慎重かつ柔軟に考え、日々業務に取り組んでいます。

更新料と消費者契約法についての判例 大達弁護士が颯爽と登場!

 消費者契約法10条は、「民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」と規定しています。

 これは、①事業者と消費者との間の契約において、契約の内容が消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重するものであり、②信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものである場合には、その契約条項自体が無効となるというものです。

 今回の事案では、①XさんとOさんが締結した賃貸借契約のうち、更新料を定める条項が、任意規定の適用の場合と比べてOさんの権利を制限し、又は義務を加重するものであるのか、②この契約が、信義則に反してOさんの利益を一方的に害するものであるのか、の2点が問題になりそうです。

 この点に関して、最高裁の平成23年7月15日判決によると、「更新料条項は、一般的には賃貸借契約の要素を構成しない債務を特約により賃借人に負わせるという意味において、任意規定の適用による場合に比し、消費者である賃借人の義務を加重するものに当たる」とし、①の要件に該当すると判断しています。

 今回のXさんの事案においても、XさんとOさんの契約条項は、Oさんの義務を加重するものであるとして、①要件は充足しそうです。

 しかし、一方でこの判例は、「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう『民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの』には当たらない」として、「契約期間は1年、更新料は賃料2ヶ月分」とした契約条項は②要件を充足せず、契約は有効であると判断しました。

 今回のXさんの事案では、賃貸借契約書にしっかりと「契約期間は1年、更新料は1.5ヶ月分」と記載されており、Oさんの利益を一方的に害するものではないといえるため、②要件を充足せず、XさんとOさんの契約における更新料条項は有効であるといえるでしょう。

 ただし、更新料が賃料の補充や前払いという性質を有すると判断されていることを踏まえると、賃料があくまで物件使用の対価であることや、民法614条が賃料後払いの原則を定めていることなどを考えると、たとえば契約当初に更新料をあらかじめ請求して支払わせ、それを更新しないときに事情問わず返還しないとする条項の有効性は疑問となると言えるかもしれません。
 

公開日:2017年3月8日

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