商売(事業)における一部繰上返済は、「返済額軽減型」が基本?兼業大家の考え方~結果としての節税あれこれ~|Hisashi

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商売(事業)における一部繰上返済は、「返済額軽減型」が基本?兼業大家の考え方~結果としての節税あれこれ~

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大家 Hisashi

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。

 2月から大きな出費が続いていて、毎日金銭出納ソフトと睨めっこをしています。例えば、3月分の前家賃は02/28までに入金されればいいのですが、「いつも早めに入れてくれるから」と期待し、02/27に瞬間的な資金不足転落見込み(普通預金)が、予想通り02/23に振り込まれたので無事引落し完了、事なき(定期預金解約せず)で済んだ、なんて「綱渡り」を、10年振りくらいに経験しています。(笑)

<18> 経験的区分ワンルーム運営覚書(2)

 冒頭にお報せです。
 電子マネー nanaco にチャージできて、しかもポイントが貯まるクレカの内、最後に残っていた高還元のリクルートカードが、ついに月額の制限を設けることになりました。
 03/16にリクルートカードからメールが届きました。
 第<06>回記事に追記しましたのでご覧下さい。

  ============================

(以下、承前)

 前回分の筆者なりのセオリーである、

1.物件毎に年間20万円残す。(複数の場合は平均で可。)
2.借入の元利比率を2:1に整える。

は、ともすると両方同時に達成しなければならない、とお読みになった方がいるのでは?  と思い至り、補足をします。

 結論から言うと、1.を優先すれば、2.のローン返済額に占める元利比率は後からの調整事項、とお考え下さい。
 キャッシュフロー(CF)が改善すれば、その自己資金を次の物件購入に回すか、一部繰上返済に回すかの選択肢が生まれます。

 中身の元利比率がどうあろうが、毎月の返済額は○万円。毎月○万円の余裕CF(1万にも満たない場合もあるかも知れませんが)。
 というような場合、取り敢えず安全性を確保するために、手元に残るCFが年間20万円を見込めるように調整(一部繰上返済)します。当然、タイプとしては「返済額軽減型」を選びます。
 ぶっちゃけ、CFが確保されていれば、返済金元利比率は2:1でなくとも構わないのです。

 ここで強調しておきますが、商売(事業)における一部繰上返済は、「返済額軽減型」が基本です。世の中には、住宅ローンの一部繰上返済方法として返済期間短縮型もあることが解説され、借金を嫌う日本人の性向なのか、「定年前に住宅ローンを完済すること」とか、「50歳になる前に住宅ローン完済! やったあ!」といった話題が溢れています。
 それゆえ、サラリーマン大家がローン利用の賃貸経営をする場合、あるいは専業として賃貸業に転身を図ったりしても、一部繰上返済に期間短縮型を選びがちです。

 しかし、事業として考えるなら、迷いなく返済額軽減型とご理解下さい。返済期間は短くなりませんし、トータルの利息も多くなるかも知れませんが、その差は大したものではありません。
 それより何より、軽減された返済額により生まれた余裕資金は、何ら苦労することなく次の繰上返済(あるいは新たな物件投資)に回すことができるわけですから、多少の金融機関の手数料など、チンケな額に振り回されないようにしたいものです。ここでも、第<14>回、第<16>回に続き、「くどい!」と言われることを承知で繰り返しておきます。

> 自営業は、手元資金の確保に十分な執着を持つべきです。

 サラリーマン大家で雇用先の庇護を受けられ、そこに胡座をかくこと無く「商売人の目線」(第<15>回参照)を持てば、最強の投資家の誕生となります。

 筆者は、年齢と共に増大する職場の柵みが厭で早期退職を選びましたが、読者の皆さんでまだサラリーマンの方は、ご自身の社会的・人的属性の有利不利を自覚されて今後に臨まれることを祈念いたします。

 なお、ここで述べたのは一部繰上返済についてであって、他の金融機関への借り換えだとか、一括返済の利用法などについては話題の対象としていません。
 相続が発生したので、手元資金で投資物件の残債を返済してしまい、担保の外れた家作を売却すれば納税資金が捻出できる、なんて事情もあるかも知れませんが、そうした個別の案件は税理士さんへご相談下さい、ということになります。(ついでに触れると、この場合、売却益が出ていると、譲渡税と相続税のダブルパンチになりますから要注意です。
 → 第<10>回でちょっと触れましたが、額によっては消費税まで関係します。)

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 さて、補足と言いながら長くなってしまいましたが、筆者が現役をリタイアした段階を振り返ってみます。

<嘱託員・個人事業兼業時代>

 現職時代、筆者の年収は税込で890万円ほどでした。ボーナスも含めて月額に均すと75万円弱。第<11>回で「年収感覚」について述べましたが、賞与という収入のない現在の自営の身になって振り返ると、「随分と高給取りだったんだなあ」と思います。
 嘱託員の年収は税込で200万円足らず。税金と社会保険料を引かれて手取りは月13万円程度に激減、もちろんボーナスは無しです。

 その頃所有していた区分ワンルームは9戸。家賃収入がトータルでは700万ほどありましたから、嘱託員の収入と合わせてちょうど退職時の本業年収と同じくらい。ただ、ローンもそれなりに抱えていましたから、そんなに余裕のある生活ではありませんでした。

 退職金は、借入返済と新たな物件購入に半々で使いました。その後、現職時代に実需で購入したマンションを、8年ほどの賃貸を経て売却。リーマン・ショックの前に売り抜けたのでラッキーだったのですが、その売却代金も額の大きな借入の返済に充当。追加物件取得は、手間はかかっても後の切り盛りがしやすいよう、ローン利用は共担を避けて購入。
 「さあこれで後は余裕のある遣り繰りになるかな?」と、ある時点で年金受給開始までの中期的な数年間を試算して見ると、置かれた情況は安泰とは言えない見込みで愕然としました。
 その時、嘱託員は2年目を迎えていましたが、残り3年で完全に野に下っても職域年金受給までまだ6年。
 青ざめて必死に勉強したのが、実はこの嘱託員時代です。

 第<00>回に、

> 独立するには心許ない懐具合で、一応兼業が認められる嘱託員に留ま

ったと書きましたが、もしこの段階で嘱託員勤務先に家賃収入が700万もあると知られたなら、1年ごとの更新が容赦なく切られていたかも知れません。

 また、2008年前半までは、月家賃が8万円とかの部屋もそこそこ客付けができていたのですが、リーマンショック後は明らかに「決まりやすい相場」が下がり、現在(2018)は東京23区でも6万円~7万円台半ばくらいまででないと決まりにくいのではないか、との感触を得ています。

 細かい解説は長くなるので省きますが、

・借り換えに際しての金融機関の姿勢
・担保力、担保余力とは
・物件の利回りとは
・そもそも融資とは
・金利のこと
・レバレッジとは
・投資効率や安全性とは
・一部繰上返済の使い勝手
・経費計上はどこまで認められるか
・決算書の作成
・税額計算

など、手当たり次第に勉強をしました。時には建材の説明とか建築工法の勉強会などにも足を運びましたが、そのことが、現在筆者自身が住んでいる住宅の建て替えにも役立ちました。

 そうした学びの過程で、「一番負担になるのが実は税金」だという結論に辿り着きます。具体的な数字には触れませんが、「必死」の努力にも関わらず、いとも簡単に、しかも容赦なく取られるのが税金です。
 例えば前回触れた筆者の早期退職時年収(約890万円)で数えると、所得税、住民税、厚生年金、健康保険、介護保険を合わせて190万円余りが差し引かれています。(いずれも2006年当時。その後社会保険料はさらに上昇しています。)
 それだったら、その190万をローンの返済に置き換え、税金や社会保険料を切り詰めた方が実利があるのではないか。

 冒頭の「補足」が長かったので、具体的な数字を掲げての説明は省きますが(それだけで1・2回分書けるでしょう)、筆者なりの2つのセオリーを目指しつつも、兼業で認められる「自営」の部分の経費計上をどう按分させるか、といった「調整」を施していったのが、この時期です。
 持ち出しに転落はしませんでしたが、

・現業890万+家賃収入700万=1590万

・家賃収入700万+嘱託員200万=900万 (+退職金をどう使うか)

という現実は、当然抱えているローンをなるべく減らす方針になります。
 また、筆者の場合、上述の

> 実需で購入したマンションを、8年ほどの賃貸を経て売却。

という機会が訪れたことは、今考えれば幸運とも言えるエポックでしたが、売却資金で完済しきれない債務超過状態ではなかったことも大きなポイントです。(細かい解説は省きます。)

 結果、ワンルーム物件毎に年間20万円残せたかというと、この嘱託員時代は、あまり成果はついてきませんでした。が、個人消費か事業経費か、公共料金などの按分、第<15>回でも触れた交通費の扱いを始めとする項目の洗い出しなど、仔細に吟味・検討をしたことが、後々法人設立の際の経理開始に役立ちました。

 早期退職した2007年頃は、まだ副業・複業についての緩和もなく、年金の受給資格が在職10年という改正にも至っていませんでした。筆者自身も、兼業はOKとは言え、さすがに法人設立までは踏み込んではいませんでしたから、家賃収入に対する経費積み上げにもかなりこじつけが必要になってきており、完全に野に下ったらどうしようか、と考えを巡らすようになりました。

 そして、嘱託員の年限5年が終わるのと同時に、当時住んでいた築60年にも届こうかという家の建て替えと同時に法人設立。
 2足わらじの経営が始まったわけです。(この項続く)

更新日:2018年9月13日 (公開日:2018年3月29日)

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