損害賠償を否定した裁判例|伊澤 大輔

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隣人の迷惑行為に対する貸主の対応責任とは?|大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース②

隣人の迷惑行為に対する貸主の対応責任とは?|大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース②

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

損害賠償を否定した裁判例

これに対し、東京地裁平成24年3月26日判決(以下、「東京地裁判決」といいます。)は、迷惑行為をする入居者がいる場合に、他の入居者に対する賃貸人の損害賠償義務を否定しています。
 
東京地裁判決の事案の概要は次の通りです。
 
甲1は、娘の甲2が大学に入学したことから、その通学に便利なマンションの一室を乙から賃借したところ、その翌日、隣室にBが父親と共に引っ越してきました。
 
Bは、夜中に突然ベランダで大声を出し、様子を見に出た甲2に対して「殺すぞ。」、「こっちを見るな。」などと怒鳴りつけ、それ以降、Bは昼夜を問わず、呼び鈴を鳴らしたり、玄関の鍵をガチャガチャといじったり、壁を蹴ったり、大きな足音を立てたり、大音量で音楽を掛けたり、大声で意味不明の歌を歌ったり、叫んだ入り、奇声を発したりする行為を繰り返しました。
 

損害賠償義務を否定した理由

東京地裁判決は、乙が甲らからの苦情の申し入れに対して事実関係の調査をしなかったということはできないし、乙は、甲2が貸室を退去する直前の時期まで、Bの迷惑行為が受忍限度を超えるものであることを認識しておらず、受忍限度を超える迷惑行為の存在を立証しうる証拠も何ら獲得していなかったというべきであり、そうすると、乙がB及びその父に対して賃貸借契約の解除を視野に入れて退去を要請することなく、口頭による注意を繰り返すに止まったことが被告の賃貸人としての義務違反、あるいは、不法行為を構成する注意義務違反であったということはできないとして、賃貸人である被告の損害賠償義務を否定しました。
 

公開日:2018年4月17日

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