建物売買契約の締結から引き渡しまでのトラブル|伊澤 大輔

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建物売買契約の締結から引き渡しまでのトラブル

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

建物の売買契約を締結した後、建物の引き渡しまでには様々なトラブルが生じる場合があります。今回は、2020年4月1日から施行される改正民法を踏まえ、想定されるトラブルを類型ごとに解説させていただきます。

なお、売買契約交渉を継続しており、締結されるものと信じて費用をかけたにも関わらず、契約締結に至らなかった場合(契約締結上の過失)や、建物の瑕疵については、今回対象外とさせていただきます。

手付解除に応じてもらえない場合


不動産の売買契約では、契約締結と同時に手付金が支払われることが多くありますが、この場合、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を買主に支払うことにより、一方的に契約を解除することができます(民法第557条1項)。

 
しかし、手付解除が認められるのは、「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」です。そこで、買主が手付解除を主張しても、売主から、既に履行に着手しているから、解除に応じられないとして、残代金や違約金の支払を請求される場合があります。

 
「履行の着手」とは、「客観的に外部から認識できるような形で、契約の履行行為の一部をなしたこと、または、履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をしたこと」と解釈されています(最高裁昭和40年11月24日判決)。

 
具体的には、売主が所有権移転登記手続きの準備を完了し、司法書士事務所での移転登記手続きをする旨の通知をしたり、買主が売買代金をすぐに支払えるように準備して、売主に履行を催促したりすることが、「履行の着手」に当たるとされています。また、買主の要望によるオプション工事があり、個性のある工事施工が進んでいる場合(他の顧客への売却が難しい状態となっている場合)にも履行の着手があるとされています。

 
他方、建物の建築工事自体は引き渡しのための準備行為ですらなく「履行の着手」には当たらないとされています。また、買主が建物の購入資金の融資を受けたという段階では「履行の着手」には当たらないとされています。
 

公開日:2020年2月11日

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