初めて所得納税-源泉所得税と不動産賃貸経営で必要な、毎日の生活に必要な「事業的意味合い」を持つ重要性-~結果としての節税あれこれ~|Hisashi

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初めて所得納税-源泉所得税と不動産賃貸経営で必要な、毎日の生活に必要な「事業的意味合い」を持つ重要性-~結果としての節税あれこれ~

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大家 Hisashi

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。

 筆者は51歳で早期退職して自営になりましたが、嘱託員の期間もあって(つまり勤め人の端くれ)、その間の源泉所得税を如何に取り返すか、というのが毎年の確定申告に当たっての重要目標でした。
 既に10年足らず前に嘱託員も終えていますので、現在の収入・所得に源泉所得税は引っかからず、この1・2年で受給の始まった年金に僅かな課税が生じているくらいです。
 結果、半官(公務員という意味でなく、勤め人・宮仕えという意味での「官」)半民(独立自営個人事業主)になって以後、十数年間所得税を払ったことはありませんでした。が、今回(2021)初めて所得納税が発生しました。

<46>感慨深い自営後初の所得納税

 世の独立起業論などでは、「自営分が現職勤め人分と同じくらいになったら」とか、「自営分で年収1000万が見えてきたら」とか言われますが、筆者の場合は早期退職の時点で家賃収入およそ900万円ほど。でも借入も結構抱えていたので、退職金を繰上返済に廻して何とか先が見えるかな、程度の見通しでした。
 勤務先の嘱託員制度を利用しましたが、現職時代の 1/ 4程に目減りした給与収入から引かれる源泉税を取り戻すべく、あれこれ経費のことや税金のことを「お勉強」して今日に至ります。

 振り返って考えれば、
・本屋でちょっと目を惹くものがあると、あるいは
・気の利いたデジモノ(デジタルグッズ)があると、
「どんな経費に該当するか」考え、月々の電話代(準固定費)がどのくらい経費になるか思いを巡らせ、
・人とお茶や会食をすれば、
「交際費に該当するか」の判断に迷い、という具合。
 お蔭で、開業届を出して以降、十年以上所得税は発生せずに済んでいたのですが、昨年(2020)は新型コロナ・ウィルス禍に伴う自粛生活も手伝ってか、例年にも増して倹約が進み(結果論ですが)、僅かばかりの所得納税が発生しました。
 その額、約2万円。筆者にとっては、自営後自分で納める初めての所得税になるわけで、何とも感慨深いものがあります。
 「手元に儲けが残りました。慎んで納税させて戴きます。」
という感じですかね。(笑)

 今の心境を率直に言うなら、
 「サラリーマンが引かれている源泉税というのは、結構過酷だな。」
というひと言です。
 筆者の友人に、公務員で定年を迎え、その後再任用で勤務を続け、間もなく65歳を迎えようかという男性がいますが、給与収入から真っ先に問答無用で33%くらいが容赦なく引かれる、と聞きました。国民負担率は令和2年度44.6%という報道もありましたが、友人も今では職域年金を受給する身で、筆者共々お互いに程なく始まる「65歳になったからこそ受けられる行政サービス」なども検討すれば、「お得感、被搾取感」もこれまでと違った見え方がするのかもしれません。

 改めて述べるまでもありませんが、源泉所得税制度は、徴税側にとって極めて都合の良い、取りっぱぐれのないシステムです。
 税率や社会保険負担料を勝手に(「勝手に」というのはちょっと語弊があるかも知れませんが)設定し、昭和20年代にシャウプ勧告が出されたにも関わらず、申告などさせずに先取りで国側が税をかっさらっていく。
 「勤め人の皆さん、所得に係る納税(徴税)は事務方が代行してあげるから、税引き後の「おこぼれ」でマイホームを建てるなり、教育費に廻すなり、好きに使ってね。」
ってなもんです。
  
 筆者はこれまでのこのコラムで、物件を増やすことや年間家賃収入がどれくらい多いかなどを追い求めることはしませんでした。
 身の丈に応じた生活ができれば御の字ですし、利回りやCF(キャッシュ・フロー)も血眼になるようなものでもない、と思っています。
 毎日の生活にも事欠く、というような困窮でなければ良しとする、と言えば達観の姿に無理矢理自分を納得させているような感じもしますが、実際贅沢は上を見ればキリがありませんし、還暦を過ぎればお金より健康、といった価値観も生じます。

 因みに、筆者の今回(2021. 3)の確定申告から要点のみ抜き出してみましょうか(個人事業分、金額は丸めています)。

<一般自営分>
 (収入)
・880,000 (主として2019年に始まった太陽光発電の売電収入)

 (経費)
・1,306,000

 (所得)
・▲424,000

  赤字ですが、不動産所得の方が黒字なのでトータルでは青色控除を引
くことが出来ます。

<不動産事業分>
 (収入)
・4,870,000

 (経費)
・3,060,000

 (所得)
・1,264,000 (4,870,000 - 3,060,000 - 青色控除 550,000)

<雑収入(公的年金)>
 (収入)
・1,320,000

 (所得)
・710,000

  これら<一般、不動産、年金>の3つを「申告署B」に載せると、

<所得>
・1,550,000 (1,264,000 - 424,000 + 710,000)

 この 1,550,000 から社会保険料控除、小規模共済掛金控除、生命保険料控除、基礎控除(今回から 480,000)を引くと、課税所得は60万円足らずとなり、税率は5%。復興特別所得税を加味しても3万円程ですが、年金支給の段階で源泉税が既に8千円程度引かれていますから、差引筆者が改めて納める所得税は上述の通り、

> その額、約2万円。

となったわけです。

 あれこれ遣り繰りして 20,000 円の納税支出に辿り着くのと、

> 給与収入から真っ先に問答無用で33%くらいが容赦なく引かれる

のでは、随分心持ちが違うというものです。上述の友人に言わせれば、給料表の14万円が、手取り9万円台半ばだそうです(確かに67~68%となり、容赦なく33%程度が引かれています)。
 筆者の場合は、1年間積み重ねた収支から導き出した所得税2万円ですが、友人の場合は毎月問答無用で33%がさっ引かれる。もちろん、社会保険料なども含まれていますが、筆者のように住民税が確定した後に国保が算定され、納得の上で払うのとは随分気持ちが違う気がします。

 貯金の王道として天引き貯金が推奨されますが、1年とか数年とかの我慢の後に実る原資と、遠く60歳・65歳になってからありつくことのできる年金原資とでは、モチベーションの在り方としてはどうなのか?  と思わずにはいられません。
 同じ我慢を強いられるにしても、自分の管理下でコントロール可能、必要によって使途を変えたりもできる貯蓄と、「老後生活費」限定で貯まる年金原資では、現実問題として受け取る感覚が違うだろう、という話です。

 おそらく不動産賃貸経営が公的年金を補う「自分年金」と位置付けられるのは、

・涸れることのない川から引かれた水(公的年金)
・あちこちの湧き水を確保していざという時使う水(家賃収入)

とでもいった位置づけでしょうか。私たちは、その両方を備えて、やっと安心な老後を生きていけるのかもしれません。恐らく、公的年金だけで心配なく老後を過ごせるのは、今や絶滅危惧種並みの希少価値になりつつある「団塊世代を生きた昭和の企業戦士たち」くらいのもの。

 年功序列型右肩上がり賃金体系が崩れている現在、これからの毎日の生活に必要なのは「事業的意味合い」を持つことです。
 例えば筆者は、2019年から売上を計上するようになった太陽光発電収入に伴う発電設備(機械装置)の減価償却費に随分助けられました。売電収入そのものはそれ程儲かる結果にはなっていませんが、
  「お、減価償却費が計上できるんだったわい。」
といった役には立ってくれています。
 1000万円のワンルームマンションもRCで47年だと1年辺りに計上できる減価償却費は大した額になりませんが、同じ1000万円でも太陽光発電設備なら50~60万円(法定償却期間17年)を経費にすることができます。
 と言うより、そもそもサラリーマン生活にドップリ浸かっているだけでは、減価償却費を使いこなすことなどできません。

 別に、何か種銭を新たに用意して株を始めようというのではありません。
 日常生活を見回し、事業にならないかな?  と考えるだけです。副業禁止規定のクリアなども必要になりますが、事業であれば、経費が使えますし、節税の工夫が生かされます。納税まで含めた帳尻合わせは、
・小規模企業共済掛金の額をちょっと動かす(増減)か、
・事業主借勘定と事業主貸勘定をどうバランスさせるか、
・地代家賃を年額で払って経費化してしまおうか、
とか、いろいろ工夫の余地があり、融通が利きます。空室が生じたりしても、そうした「修正」が自分で施せるのは、自営ならではの「やり甲斐」です。

 今回は、時節柄個人事業の側面に触れましたが、これに法人運営の側面を加味すると、さらに工夫の余地が広がります。さすがに税務は顧問税理士さんにも関わって頂き、当然「支払報酬料」などの経費も掛かってきますが、第<43>回(2020.11. 4)で触れたような「工夫」も生きてくるわけで、あれこれ考えるのは楽しいものです。

 なお、上述した筆者の不動産収入 4.780.000 円は、これまでこのコラムで触れてきた日本のサラリ-マンの平均年収 400万円とさして違いません。
 年齢的に年金が加わるかどうかは別にして、「年収4~500万円」というのは、ひとつの目安にはなるのかも知れません。
 せっかく「倹約が進」んだ昨(2020)年でしたから、それを「新しい生活様式」に取り込み、今年以降をウォッチしていこうと考えています。

公開日:2021年3月22日

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