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入居者が部屋で自然死した場合は事故物件として心理的瑕疵があると言えますか?

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不動産取引において、事故物件(心理的瑕疵がある)として物件の売主又は賃貸人が告知する義務を負うかについては非常に悩ましい問題の一つです。裁判例においては、物理的欠陥のみならず、嫌悪すべき歴史的背景等に起因する心理的欠陥も告知すべき重要事項に含まれると考えられておりますので、物件内で死亡事故等があった場合には、一定の場合には心理的瑕疵があるものとして事故物件に該当することとなります。そして、裁判例においては、心理的瑕疵に該当するかの基準として、「通常一般人において当該事由があれば住み心地の良さを欠くと感ずることに合理性があると判断される程度に至ったものであることが必要である」とされておりますので、心理的瑕疵に該当するか否かは事情に応じてこの基準に該当するか否かを個別具体的に判断していく必要があります。

一般的に、自殺や他殺については心理的瑕疵に該当するとされる場合が多いですが、自然死や病死等の事件性がないものについては原則として心理的瑕疵に該当しないものとして告知義務を否定する傾向にあります。但し、発見が遅れ死体が腐乱していた場合、異臭や悪臭を伴っていた場合、ニュースにより大々的に取り上げられた場合等の例外的な場合には、心理的瑕疵に該当する可能性がありますので注意が必要です。

自殺により建物の資産価値を下げることになった場合の損害賠償は自殺した相続人に請求することは可能ですか?

借主が自殺した場合において建物の価値を減少させた場合には、借主は損害賠償の責任を負うことになります。そして、かかる責任(損害賠償支払債務)も相続の対象となります。
したがって、相続人が相続放棄をした場合を除き、相続人に対しても請求することが可能となります。

自然死の場合に借主が損害賠償を負う場合はどんなケースがありますか?

自然死の場合に借主が損害賠償責任を負うかについては、東京地裁平成19年3月9日判決が参考になるものと思います。この事案は、借主が心筋梗塞により死亡した事案ですが、裁判所は、「突然に心筋梗塞が発症して死亡したり、あるいは、自宅療養中に死に至ることなどは、そこが借家であるとしても、人間の生活の本拠である以上、そのような死が発生しうることは、当然に予想されるところである。したがって、老衰や病気等による借家での自然死について、当然に借家人に債務不履行責任や不法行為責任を問うことはできないというべきである」と述べております。
したがって、自然死の場合において借主が損害賠償の責任を負うことは原則としてないものと考えらえます。

入居者以外の人がマンションの屋上から飛び降り自殺した場合は入居者全員に対して家賃の値下げなどの対応をする必要がありますか?

具体的な事情にもよりますが、屋上等の共用部分で自殺が発生した場合においては、家賃の値下げなどの対応は必要ないものと考えられます。賃料減額請求の事案とは異なりますが、他の部屋で自殺があった場合における告知義務の要否が争われた事案において、自殺があった部屋と他の部屋とでは、常識的に考えて感じる嫌悪感の程度にかなりの違いがあることは明らかであるとして告知義務を否定した裁判例(東京地裁平成19年8月10日)が参考になると思われます。
この考え方を参考にすれば、屋上等の貸室以外で自殺があったからといって、直ちに建物の価値が減少したとは考えられないので、賃料の値下げなどの対応は必要ないものと考えられます。

大塚・川﨑法律事務所
大塚 一暁 弁護士
東京都渋谷区渋谷1-12-2 クロスオフィス渋谷
TEL 03-5467-7044/FAX 03-5467-8044
HP :http://www.shibuya-legal.com/
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