茶の間の復権|株式会社FGH 執行役員 中村彰男

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茶の間の復権  住宅産業から住居産業へ ②

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その他識者 株式会社FGH 執行役員 中村彰男

やや偏屈なところも、つむじの曲がったところもありますが、情報量に関してはそこそこの自負がございますので、私のコラムからは、不動産投資について、何らかのヒントを拾っていただけるのではないかと思っております。

茶の間の復権

個人的には、このまま洋風化まっしぐらに突き進んでいくとは思っていません。
 
今から10年ちょっと前の話ですが、以前勤めていたマンションディベロッパーで、土間とか坪庭とか路地とかの和風テイストをふんだんに取り入れたマンションを世に問うてみたことがあります。
 
集合住宅設計の全体的な潮流から考えれば、大冒険の部類じゃないでしょうか。
 
これが、大方の予想を覆して大好評だったんですね。
 
お客様の食いつき度合いが、明らかに普通の物件とは違うのが分かって、民族の血は争えないものなのね、と素朴に感心したのを憶えています。
 
たしか、このマンションのパンフレットでは、いわゆるリビングルームを居間と表記していたように記憶します。
 

リビングと居間、似ているようでいて、この両者のニュアンスが明らかに異なっていることは、多少なりとも住宅というものに興味のある方にとっては、実感としてお分かりいただけるでしょう。
 
両者の相違について説明できる業界人も、これまた少ないと思いますが、生活思想は明らかに違います。
 
現在作られているリビングルームの設計思想は、アメリカン・ウェイ・オブ・ライフの単なる直訳(猿真似ともいう)にすぎません。
 
しからば、本家の生活思想は何かといえば、連中はピルグリム・ファーザーズの子孫でありますからして、根底に社会契約論が根付いているわけで、家族会議の場として、リビングルームが機能していたのです。
 
そりゃ、家父長制の名残り多き日本じゃ板につかないわけだ。
 
翻って、わが国における居間とは、状況に応じてリビングにもなり、ダイニングにもなり、ベッドルームにもなりうる茶の間がその原型になっていますね。
 
日本の生活思想を、日本の住宅設計思想に反映させようとするなら、オールマイティスペースである茶の間の機能をいかに料理するかがカギになりそうな気がします。
 
だからといって、畳の出番があるかどうかは保証の限りではありませんけど。
 

公開日:2016年12月27日

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