隣人の迷惑行為に対する貸主の対応責任とは?|大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース②|伊澤 大輔

×
←不動産賃貸経営博士
>
>
>
隣人の迷惑行為に対する貸主の対応責任とは?|大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース②

隣人の迷惑行為に対する貸主の対応責任とは?|大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース②

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

賃貸物件に、迷惑行為をする入居者がいる場合、悪いのは、もちろんその入居者ですが、大家さんが適切な対応をとらないでいると、他の入居者に対し損害賠償義務を負うことがあります。

大家さんには、賃貸借契約上、他の入居者に対して平穏な居住環境を提供するという貸主としての責務があるからです。

今回は、裁判例を通じて、迷惑行為をする入居者がいる場合、大家さんがどのような対応をとるべきかについてご説明させていただきます。

損害賠償を認めた裁判例

大阪地裁平成元年4月13日判決(以下、「大阪地裁判決」といいます。)は、迷惑行為をする入居者がいる場合に、他の入居者に対する賃貸人の損害賠償義務を認めています。
 
大阪地裁判決の事案の概要は次の通りです。
 
Xは、Y市営の集合賃貸住宅に入居しましたが、その直後から、階上に居住するAにより暴行脅迫などさまざまな生活妨害を受けました。すなわち、Aは、音に対して異常なほど過敏であり、Xら近隣の居住者の通常の生活から発生する各種の音に対して異常な反応を示し、「音がうるさい。」と怒鳴り込み、立腹の余りその仕返しと称して自分の居室において日常的に故意に騒音を発生させ、時には暴行脅迫におよびました。
 
Xは、Y市の管理課に実情を訴え、善処を求めました。Y市職員は、Aの説得を試みましたが、Aが応じないので、Y市としては義務を尽くしたとして、それ以上の対策を講じませんでした。
 

損害賠償義務および損害額

大阪地裁判決は、賃貸人であるY市は、Aの妨害行為により賃貸借の目的物が円満な使用収益のできる状態にないままに引き渡されたことが債務不履行にあたるのみならず、賃借人Xから生活妨害の実情を訴えられ、善処を求められたにもかかわらず、妨害者Aに対して説得したにとどまり、賃貸借を解除し、明渡を求めることをしなかったときには、賃借人Xに対する債務不履行にあたると判示しています。
 
また、損害額として、Xの支払った家賃の一部(Aが逮捕され、服役していたため不在であった期間については、家賃額の約3割、その他の期間については、家賃額の約9割を損害としている)及び入居期間約3年3ヶ月の慰謝料(精神的損害)として80万円を認容しました。
 

更新日:2018年7月21日 (公開日:2018年4月17日)

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

こんな記事も読まれています

こんな記事も読まれています

伊澤 大輔の記事

賃貸管理の記事

すべての記事

新着!大家さんのお悩み相談

あなたにおすすめの収益物件

大家さん・投資家さんのためのセミナー・勉強会・相談会

特集一覧

[特集]
ハワイでセミリタイア 別荘を手に入れる方法
起業から30年…成功者が語る『成功の秘訣』

コラム特集

   [PR] ベテラン大家が選ぶ、賃貸管理会社とは?

PAGE TOP