思うところ74.「理事長」 ~貴方は、ごく稀に出現する「モンスター理事長」に遭遇したことがありますか?~|オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

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思うところ74.「理事長」 ~貴方は、ごく稀に出現する「モンスター理事長」に遭遇したことがありますか?~

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不動産会社 オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

スタッフが 30 分以内に急行できるエリアを重視する地域密着型の不動産会社代表。営業エ リアの絞り込みは、良質なサービスを提供する為の「選択と集中」であり、建築業界で言う ところの「多能工」を自負する。

当社の基本方針として、再生再販を目的として取得した区分所有物件(棚卸資産)については、管理組合総会における賛否僅差の議案につき、「理事長(=議長)」に一任して極力物申さないことにしていることをコラム№46「宅配BOX」で述べた。

思うところ74.「理事長」

当社の基本方針として、再生再販を目的として取得した区分所有物件(棚卸資産)については、管理組合総会における賛否僅差の議案につき、「理事長(=議長)」に一任して極力物申さないことにしていることをコラム№46「宅配BOX」で述べた。併せて、短期所有が前提の当社が、「自宅として住まう方々」や「非居住者であっても長期保有する方々」と同等に意見するのは、「自重すべきこと」との理由も付してある。裏返せば、信ずるに値しない「理事長」が運営する管理組合であるならば、仕入れを躊躇せざるを得ない。どんなに良い商品に仕上げたとしても、「管理運営」に問題があれば、胸を張って再販することができなくなってしまうからである。そこで、読者にとって「他山の石」にでもなればと思いつき、暴走してしまった「理事長」の実例(昔話)を僅かながら列挙しておく。

<管理員に賞与?修繕積立金分配??>
地方・海外在住の投資家の所有比率が高い都心マンションの管理組合で「理事長」職を定年後の「生き甲斐」としていた人物のことである。管理運営に熱心なのはとても良いことなのだが、裁判も辞さない「権力闘争好き」でもあったらしい。管理組合総会の出席者は、ごく少数の「理事長派」のみ。しかも、「議長(=理事長)一任」の委任状を8割超集めるから、「理事長」の思惑通りに何でも可決する。また、管理組合費を使って、管理員に「賞与(理事長賞)」を支給して手懐けようと試みたり、将来に備えるべき修繕積立金を組合員に分配(返金)する大盤振る舞いを演じてみたり等、その場凌ぎの人気取りに余念が無い人だったという。対立する1階店舗の所有者が余程気に入らなかったのだろうか・・・。なんと、当該区画の管理規約上の用途を「店舗不可(用途:倉庫)」に変更してしまった。対抗馬となる新理事長の候補者なく専横を極めるものの、もっともらしい総会議事録を作成するから「暴挙」に気付く管理組合員は少なかった。

<悪貨は、良貨を駆逐する。(グレシャムの法則)>
その「理事長」は、管理員室に連結する集会室に毎朝決まった時刻に「出勤」し、茶飲み友達が夕方まで頻繁に出入りする。前任の管理員がノイローゼになって退職したらしいとの噂にも信憑性があった。ある日、管理員室前で「理事長」に呼び止められたA君の話。理事長:「あんた誰?」A君:「不動産会社のAです。XXX号室の入居者募集活動をしています。」理事長:「あっ、そ。入居者は昼間寝ているような人は駄目だからね。それとタバコを吸う人もNG、引越しは平日限定ね。必ず『私(理事長)』が立ち会いますからね。」A君:「お言葉ですが、昼間就寝する人が居住してはいけないとする管理規約はありません。また、部屋内の喫煙の是非は貸主が判断すべきことです。どうしても平日に休みを取得できない人も沢山いますから、(引越可能日を)もう少し柔軟にお考え頂けませんか?」理事長(正論に動揺):「ちょっと、あんた、このマンションで私にそんなこと言った人いないよ。」A君(涼しい顔で):「それは、『言わなかった』のではありません。『言えなかった』のだと思います。」理事長の顔が怒りに歪んで紅潮していた。君臨したがる「理事長」の言動に辟易した常識人が、一人、また一人と静かに転居していった過去をA君は知っていたのである。

<修繕積立金横領総額1億円也!>
そのマンションは、大規模分譲にも拘わらず、かつて「自主管理」であった。大規模なればこそ、潤沢に管理組合にお金が溜まる。お金に心を奪われてしまったのだろう。誰もが管理運営に無関心だったことが災いし、自主管理時代の使途不明金が1億円近くに達してしまった。理事長補佐に要した「人件費」として自社の事務員に給料を、「会議室使用料」と称して理事長が保有する住戸に高額設定の賃料を、長年に渡り管理組合費から支出していた。まさに「我田引水」とはこのことである。その他にも、理事長が懇意にする証券マンに独断で管理組合費の資産運用を任せ、多額の損失を発生させた事実もある。新理事長が建物管理会社に管理業務を委託したのを機に悪事が発覚し、不当利得返還請求の訴訟が提起された。立証困難を極める長期戦の末、被告の高齢・支払能力を考慮して裁判所の和解案を受け入れ決着。横領総額約50%の回収に成功した新理事長(原告)の「真の功績」を知る組合員が一握りであるのが残念でならない。

以上、悪い話ばかりで申し訳ない。しかしながら、過度な心配はご無用。「モンスター理事長」の出現は稀なことである。しかも、「理事長」は「終身の地位」でもなければ、「世襲制」でもない。グレシャムの法則に物申す。きっと、悪貨は、良貨に駆逐される。

公開日:2020年5月1日

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