マンションの空き部屋の場合,発生が考えられるリスク|片島 由賀

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空き家放置によるトラブルとリスク② 空き家の倒壊や火災による所有者の責任~特定空き家について

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弁護士 片島 由賀

これまで,当事務所では,不動産の境界問題,隣地トラブル,敷金・原状回復,賃料未払いへの対応,明渡し請求等の各種トラブル対応,離婚や相続に関連する処理などの各種業務に携わってきました。 賃貸経営もいつも順風とは限らず逆風があるかもしれませんし,逆風は避けたいところです。トラブルへの対処は想像以上の精神的・身体的なご負担になることがあります。そういった逆風を順風に代える・逆風を防ぐために,法的なサポートを迅速かつ粘り強くさせて頂いています。

マンションの空き部屋の場合,発生が考えられるリスク

 これに対して,マンションの場合には上記とやや異なる問題が生じてきます。マンションの空き室については,国土交通省の「マンション総合調査結果」を見ると分かります。これによると,平成25年度の調査では,空き部屋(3カ月以上)の戸数割合は全体の2.4%とそれほど問題がなさそうに思えます。しかし,マンションについては完成がいつかによって空き家率が異なり,昭和45年から49年に建てられたマンションの空き部屋率が平均5%くらいであるのに対して,昭和44年以前のマンションでは,空き部屋率が平均8%を超えているとの結果が出ています。今後マンションの老朽化が進むに従い,空き部屋率も上昇してくると考えられますから,今後戸建て空き家のようにマンションの空き部屋も問題になってくる可能性が高いです(なお,平成30年度マンション総合調査も終わっていますが,まだ詳細は公開されていません)。

 マンションの場合,区分所有法の適用を受けており,住む人が占有している部分(「専有部分」といいます)以外の建物の共用部分(廊下や階段など)は基本的に区分所有者全員が共有することになります。この共有部分の維持管理費は,管理規約などの内容によってきますが,区分所有者が共同で負担するのが一般的です。

 マンションの空き部屋が目立ってくるということになると,こういった維持管理費用・あるいは修繕に必要な積立費用が入って来なくなる可能性が出て来るので,将来維持管理に支障が出て来かねないといえます。また,今後さらに老朽化が進むと大規模修繕や建替えをしなければならなくなってきますが,そういった修繕等に必要な資金が十分に積み立てされていないことも多いです。住民の高齢化で空き部屋が増えて来ると,区分所有者の合意が難しく建て替えすらできないことも考えられます。

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公開日:2019年3月25日

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