思うところ16.「睨む」 ~上司・先輩でも間違った行いをすることがあります。その時、あなたならどうしますか?~|オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

×
←不動産賃貸経営博士
>
>
>
思うところ16.「睨む」 ~上司・先輩でも間違った行いをすることがあります。その時、あなたならどうしますか?~

思うところ16.「睨む」 ~上司・先輩でも間違った行いをすることがあります。その時、あなたならどうしますか?~

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

不動産会社 オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

スタッフが 30 分以内に急行できるエリアを重視する地域密着型の不動産会社代表。営業エ リアの絞り込みは、良質なサービスを提供する為の「選択と集中」であり、建築業界で言う ところの「多能工」を自負する。

バブルが崩壊し始めた平成の初め頃、当事者を除いて誰もいない事務所で「それ」について部下Aが上司Bを睨み、上司B(以下「B」敬称略)は縮こまって部下のように睨まれていた。そう、その非常識で気の強い部下Aというのは会社員として駆け出しの頃の私である。

思うところ16.「睨む」

バブルが崩壊し始めた平成の初め頃、当事者を除いて誰もいない事務所で「それ」について部下Aが上司Bを睨み、上司B(以下「B」敬称略)は縮こまって部下のように睨まれていた。そう、その非常識で気の強い部下Aというのは会社員として駆け出しの頃の私である。

その頃、私はBの50億円を超える大型案件をサポートしていた。相模川に近接するその広大な研究施設は、ある大手企業が物流センター用地として購入することになっていた。売買対象は「工場財団目録」だから、通常の不動産取引と少々異なり会社売買に近い。(「国土法」の届出義務にも抵触しなかったと記憶している。)
駆け出しの若造にその様な大型案件を手伝わせてくれるだけでも嬉しかった。

決済日直前、Bから「引渡日が近いから現地を確認して来てくれ」との指示があった。きっとBは「それ」が気になっていたのだろう。建物内に入ると元研究施設だけあって薬品の匂いが鼻を突く。試験管等の実験器具が転がって放置されたままだったが、取引の規模からすると目くじらを立てる程の事ではない。建物はどのみち取り壊されることから、屋外の視察を重視することにした。屋外には、巨大貯水槽(ダイビングの練習用プールみたいなもの、水深は5m以上と推定)が幾つかあって水槽内には正体不明かつ大量のヘドロが貯蔵されていた。
そういえば、契約条項には「現況空家渡し」の主旨は明記されていたが、この大量の「ヘドロ」の処理について取り決めは無かったことを思い出した。(当時の私に契約条項の不備を指摘するほどの権限も経験も無かった。)
貯水槽に近づくと異臭は想定内だが、何らかの機械音がする。通電もされてないのに、だ。

その巨大貯水槽から伸びる極太のホースを500m程辿ってその口から相模川に放流(バキューム方法の詳細は記憶にない。)されるヘドロを見て私は全てを理解した。「それ」は産業廃棄物の悪質な「不法投棄」だ。周辺には、民家も無いから一晩掛けてヘドロを相模川に放流するつもりだ。きっと近くに産廃業者が待機していたことだろう。私は直ぐにBに状況報告して「とにかくヘドロ放流を中止させて欲しい。大変なことになります。」電話口の反応に私は「それ」がBの指示であることを確信した。まさか駆け出しの若造が噛みついてくるとは思わなかったことだろう。

そして冒頭のシーンとなる。一部推測も交えて真相はこうだ。建物の引渡日が近くなって「ヘドロ」処理に対する売主・買主の認識の違いが露呈する。売主は「現状のまま」売り渡したと思っている。買主は、「ヘドロ」まで買ったつもりはない。(契約条項が曖昧であるとこの様なことが時々起こる。)自分の不手際を隠したいBは仲介会社がその廃棄を負担することを提案した。手数料の大きさを考えれば小さな負担である。だが、自分の会社には報告できない。そこで仲介に5社も入っていることを利用してブローカー達(コラム3「あんこ」参照)に費用負担を押し付けた。だが、費用負担を押し付けられたブローカー達は、自分達の手取りを少しでも減らしたくない。そこで売主も買主も知らないところで「不法投棄」が画策されることになったのだ。
「今ここで、私の目の前で作業を中止させて下さい。そうでなければ、本件を○○部長(統括責任者)に報告します。」長い睨み合いの末、根負けしたBは渋々ブローカー達の元締めに電話を掛けた。「うちの若いのがうるさくってね。あれ(不法投棄)、やめよう。」

翌日、翌々日、私は新聞を隅々まで読んで胸をなでおろした。なぜなら最悪の事態としては「相模川で魚が原因不明の大量死!」の大見出しを想像していたからだ。

その後のBとの人間関係は心配ご無用、「誠」は通じるものだ。私のことはいつも会議で褒めていてくれていたらしい。歳が20以上離れてはいたが、仕事を離れると麻雀仲間でもあった。今はもう亡き人である。

更新日:2018年11月12日 (公開日:2018年4月3日)

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

こんな記事も読まれています

こんな記事も読まれています

オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕の記事

購入の記事

すべての記事

新着!大家さんのお悩み相談

あなたにおすすめの収益物件

大家さん・投資家さんのためのセミナー・勉強会・相談会

特集一覧

[特集]
不動産賃貸経営体験談を大家さんに語ってもらいました
ハワイでセミリタイア 別荘を手に入れる方法
経営者・成功者が語る ~経営者取材対談~

コラム特集

   [PR] ベテラン大家が選ぶ、賃貸管理会社とは?

×

PAGE TOP