思うところ76.「止水」 ~管理組合を「国」に喩えるならば、理事会は、「内閣府」、管理組合員は「国民(主権者)」といったところでしょうか。~|オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

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思うところ76.「止水」 ~管理組合を「国」に喩えるならば、理事会は、「内閣府」、管理組合員は「国民(主権者)」といったところでしょうか。~

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不動産会社 オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

スタッフが 30 分以内に急行できるエリアを重視する地域密着型の不動産会社代表。営業エ リアの絞り込みは、良質なサービスを提供する為の「選択と集中」であり、建築業界で言う ところの「多能工」を自負する。

この度の「コロナ禍」に思う。もし、かの国に然るべき立場の先見の明ある傑人がいて、新型ウイルス発生の初期段階において、その政治生命を賭してまで世界へのウイルス拡散を未然に防いでくれていたとしたら、果たして我々は、その功績を正しく評価できただろうか。残念だが、その英雄に感謝するどころか、景気後退を招く「愚か者」として非難の的にしたのではないかと思う。

思うところ76.「止水」

この度の「コロナ禍」に思う。もし、かの国に然るべき立場の先見の明ある傑人がいて、新型ウイルス発生の初期段階において、その政治生命を賭してまで世界へのウイルス拡散を未然に防いでくれていたとしたら、果たして我々は、その功績を正しく評価できただろうか。残念だが、その英雄に感謝するどころか、景気後退を招く「愚か者」として非難の的にしたのではないかと思う。本コラムを書き始めた頃に述べた通り、真の「ファインプレー(本コラム№2)」は見えない(気付かれない)のである。とかく減税や助成金といった判り易い景気対策の「スタンドプレー」ばかりが拍手喝采で喜ばれる傾向にあり、これだけ事態が深刻になってから初めて為政者の無作為を皆で糾弾している訳である。一方、責められる側の為政者も、その責任回避に膨大なエネルギーを費やして醜態を晒している。

私は、とあるマンションで理事長を務めている。駅前の目抜き通りに面する得難い好立地ながら、等価交換事業による小規模分譲の区分マンション(以下「ハイツN」)であり、小規模であるが故に定期清掃の実施も儘ならぬ程に管理組合の財務状況が良くない。痛みを伴う財務改善に挑むことなく一度たりとも共益費を改定(値上げ)しなかったことの裏返しでもある。当社が地権者(元地主)の所有する区画(店舗部分)を譲り受けるにあたり、誰も成り手がない理事長職まで継承せざるを得ない不動産取引であった。私は、理事長に着任早々、エレベーター(以下「EV」)の更新工事を目的とした期間(3年)限定の「特別修繕積立金制度」を創設(総会審議可決)した。交換部品(特に「基板」)の供給が停止された年代物のEVが、財源を確保しないまま故障したら復旧困難となることが明白だからである。(期間限定としたのは、少しでも管理組合員の賛同を得易くする為の苦肉の策)

そして今、本年度予算で地下室入口の雨水浸入防止工事(止水プレートの設置)を急いでいる。昨年(令和元年)の台風19号の水害に関するTV報道を目の当たりにして危機感を持ったのがきっかけとなった。最新鋭の設備を誇るタワーマンションでありながら、機能的心臓部とも言うべき地下室(機械室他)に雨水が浸入するや、あっけなくEVも給水機能も長期間停止したのだ。老朽化したハイツNが同様の事態に陥ったら致命的な被害になる。EVと給水ポンプを復旧させるだけの財源が無い。おそらく人命に関わることだからマンション総合保険が適用されるものと信ずるが、平時ならいざ知らず、激甚災害時の混乱期においては、復旧までに耐え難い時間を要することだろう。

「中央区洪水ハザードマップ」をご確認頂くと判るが、平成12年9月の東海豪雨(総雨量589mm、時間最大雨量114mm)と同等の雨量がハイツN周辺を直撃したならば、同エリアは、床下浸水(約50cm)が予想される。また、200年に一度の大雨で荒川の堤防が決壊した場合、破堤から約12時間で1階の軒下(約2m)まで浸水する可能性があるという。そこまでの改良工事は実現不可能だが、50cmの浸水に耐え得る改修を施したいと考えている。地下室入口は道路面から約27cmの高さがあるので、23cmの止水プレートを設置すれば良いのである。実のところ、浸水対策に併せて最近頻発する地下室へのゴミ投込(不法投棄)対策の侵入防止柵の設置工事も兼ねている。自主管理(管理員が不在)の弱点を少しでも補いたい。

私の発案は「老婆心」に過ぎないのだろうか・・・。誰もが修繕積立金の追加徴収を喜ぶはずもなく、時として「無駄使い」と批判されるのもやむを得ない。実際に災いが起きるまで理解されることもない。いや、災いを回避して被害が発生しないとしたら、将来的にも理解されることは無いだろう。だが、評価されることなど目的ではない。目的は、共有資産を守るために「災いを未然に防ぐこと」である。災いが起きなければ尚更良いことなのだ。幸いにも理事会の面々は私の良き理解者である。残念ながら、他の管理組合員(殆どが遠隔地に住まう投資家)は反対こそしないが、無関心であるように感じる。

かつての政権は、ポピュリズム(大衆迎合主義)に走るあまり、無責任にも「スーパー堤防(決壊による壊滅的な被害から街を守ることができる高規格堤防)はいらない。」と言い切った。本当にそうなのだろうか。天災地変は、「神のみぞ知る」ことである。その「巧言令色」、いつの日か「歴史」に裁かれることになるだろう。

紙面の都合とは言え、「コロナ禍」に心晴れず、「ボヤキ節」のまま締め括ることをどうかお許し願いたい。

公開日:2020年6月1日

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