物件や給排水設備の老朽化が原因の水漏れで生じた損害への対応はどう考えるとよい?|片島 由賀

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物件や給排水設備の老朽化が原因の水漏れで生じた損害への対応はどう考えるとよい?

物件や給排水設備の老朽化が原因の水漏れで生じた損害への対応はどう考えるとよい?

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弁護士 片島 由賀

これまで,当事務所では,不動産の境界問題,隣地トラブル,敷金・原状回復,賃料未払いへの対応,明渡し請求等の各種トラブル対応,離婚や相続に関連する処理などの各種業務に携わってきました。 賃貸経営もいつも順風とは限らず逆風があるかもしれませんし,逆風は避けたいところです。トラブルへの対処は想像以上の精神的・身体的なご負担になることがあります。そういった逆風を順風に代える・逆風を防ぐために,法的なサポートを迅速かつ粘り強くさせて頂いています。

前回はアパートなど賃貸物件で修理が必要な場合の修理義務は、基本的に大家側が負うこと、借主にも契約で定めた適切な使い方をする義務があるので、借主が責任を負うこともあることなどをお話ししました。
 今回はこういった水漏れで損害が発生した場合,損害額をどのように考えていくか・損害額の負担をどう考えるかについてみていきます。

ケース1の場合(給排水設備の老朽化が主原因の漏水)

ケース1 給排水設備の老朽化で階上の部屋の天井から漏水発生。階下の住民の大事にしていたブランド物バックや洋服が水びたしになった、パソコンが壊れたとして使えなくなった分の賠償や慰謝料を求めてきています。

 漏水の原因がまず問題になってきますが、特に建築から相当期間が経過しているアパートやビルなどでは建物や給排水設備が相当老朽化をしていることもありえます。こうした場合には,老朽化した設備も漏水の原因となりうることもありえます。

ケース1の場合、漏水によってダメになってしまったものがあれば、オーナーの方が修繕を十分に行っていなかったことが原因であると考えられます。

 裁判所は、一般的には物について生じた損害については、被害にあったものと同じような物を購入するのに必要な費用の賠償で足りるとしています。

 そのため、新品の物を購入するのにかかった費用の賠償や、被害にあったものの時価を超える賠償になると、実害を超えた賠償を認めることになるため、否定されることになります。

 そうなると、このケースの場合は、ブランド物のバックや洋服、パソコンの時価を基準に金額を考えていくことになります。実際には特に洋服などは時価の評価が難しいため、同じ物を購入したとき、年数に応じた減額がいくらになりそうかというところから見ていくことが一般的でしょう。

 ブランド物のバックの場合には、特殊なブランドで1点物であったとしても、オーナーは階下の住民がそういったバックを持っていることを認識できたといえないことが普通でしょう。ですから、場合によっては一般的なバックの価格を基準に、購入してどのくらいの年数の物かも踏まえて賠償すべき額を考えていくことになると思います。

 なお、階下の住民がこのブランドバックに思い入れがあったとして慰謝料を求めてきたとしても、特別にそのバックの価値が高い、強い愛着を持っていることについて法的な保護に値するといえるような特殊な事情(そのブランドバックを階下の住民自身がプロとして作成していたなど)がない限り、裁判になっても認められることが難しいでしょう。

公開日:2019年5月15日

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