無償で土地や建物を貸し出す際に注意すべきポイントとは?~使用貸借の注意点|櫻田 真也

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無償で土地や建物を貸し出す際に注意すべきポイントとは?~使用貸借の注意点

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弁護士 櫻田 真也

私は、常々、弁護士という職責を自覚し、誇りと自信を持ちながら、依頼者の皆様にとって最善の方策を実践できるよう、自らの体を張って日々奮闘し、社会に貢献できる弁護士になりたいと考えています。 皆様の中には、もしかしたら、弁護士に対して「敷居が高い」「相談しにくい」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも、私が代表を務める弁護士法人さくらさく法律事務所では、どのようなご相談に対しても、誠心誠意かつ親身な対応をさせていただいております。

こんにちは,弁護士の櫻田です。
土地や建物のオーナーにおいては,事情により,その土地や建物を無償で貸し出す(これを「使用貸借」といいます)こともあるかもしれません。今回は,この使用貸借の際に注意すべきポイントについて説明します。

使用貸借とは?

まず,所有している土地や建物を無償で貸し出すことを「使用貸借」といいます。
通常は,資産である土地や建物を金銭等の対価を伴わずに貸すことは考えにくいです。

ですので,使用貸借がなされるのは,親族間でのことが圧倒的に多いです。例えば,親子間で,親が所有している土地の上に,子が自分の建物を建てるというケースが想定されます。

なお,土地や建物を,賃料を得て貸し出すことは「賃貸借」といいます。このように,貸し出す際に金銭等の対価を得るかどうかが,使用貸借と賃貸借を区別する事情となります。
 

事前に契約書を作成しましょう!

では,土地や建物を使用貸借する際に,どのような点に注意をしたらいいのでしょうか?
まずは言うまでもなく,実際に貸し出す前に,使用貸借に関するルールを定めた契約書を作成することが挙げられます。

そもそも,使用貸借は,契約書作成は成立の必須要件ではなく,口頭の約束だけで成立します。
実際,特に親族間で使用貸借される場合には,親から子へ「この土地が空いているから家を建ててもいい」などというように,ただの口約束で,土地の使用が開始されることも多いでしょう。

しかし,ルールが定められていない口約束だけでは,次のような不都合が生じる場合があります。


1 土地・建物の返還
所有者としては,貸し出した後に,翻って,売却したい,賃貸したい,自ら利用したいなどといった事情が発生するかもしれません。しかし,契約書で明確な返還時期(契約の終了時期)が定められていない場合には,借主から拒絶されてしまうかもしれません。
この点,法律上は,返還の時期などを定めなかった場合には,貸主はいつでも返還を請求できることになっています(民法597条)。

しかし,例えば,土地を使用貸借して,その土地上に建物が建築されたような場合には,容易にその建物を収去して土地の返還を求めることはできなくなってしまいます。


2 土地・建物の使用方法
口約束だけで明確な使用目的が定められていない場合,貸主としては駐車場の使用目的で土地を貸し出したにもかかわらず,借主が勝手に建物を建築してしまったようなことが起こり得るかもしれません。


3 土地・建物の原状回復
使用貸借の期間が終了して,土地や建物を返還する場合,法律上は,借主はその土地や建物を原状に回復した上で返還する必要があります(民法599条)。

しかし,契約書に原状回復の規定がなく,事前に何の口約束もされていない場合には,この原状回復について曖昧にされてしまい,結果として,貸主が原状回復の負担を負わざるを得ないことも考えられます。

以上のように,現実に土地や建物を使用貸借する前に,少なくとも,契約の終了時期(返還時期),使用目的(目的外の使用禁止),原状回復義務については明記をした契約書を作成しておくべきです。
 

公開日:2021年5月17日

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