思うところ61.「仲人(なこうど)」 ~不動産仲介業における日本国と米国の考え方の違いについて少し考えてみました。~|オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

×
←不動産賃貸経営博士
>
>
>
思うところ61.「仲人(なこうど)」 ~不動産仲介業における日本国と米国の考え方の違いについて少し考えてみました。~

思うところ61.「仲人(なこうど)」 ~不動産仲介業における日本国と米国の考え方の違いについて少し考えてみました。~

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

不動産会社 オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕

スタッフが 30 分以内に急行できるエリアを重視する地域密着型の不動産会社代表。営業エ リアの絞り込みは、良質なサービスを提供する為の「選択と集中」であり、建築業界で言う ところの「多能工」を自負する。

今でこそ自由恋愛が当然の時代になったが、日本人が考える「結婚」とは、「家」と「家」の結びつきであるとの考え方が古くから根付いていた。両家の間を取り持つのが「仲人(なこうど)」である。江戸時代がその習わしの成熟期であったように思うが、かつての「仲人」は、相手探し・見合いの段取り・結婚までを世話する重要な役割を担っていた。我々の仲介業務をその「仲人」に喩えることにご賛同頂けるのならば、気恥ずかしくも嬉しい。

思うところ61.「仲人(なこうど)」

今でこそ自由恋愛が当然の時代になったが、日本人が考える「結婚」とは、「家」と「家」の結びつきであるとの考え方が古くから根付いていた。両家の間を取り持つのが「仲人(なこうど)」である。江戸時代がその習わしの成熟期であったように思うが、かつての「仲人」は、相手探し・見合いの段取り・結婚までを世話する重要な役割を担っていた。我々の仲介業務をその「仲人」に喩えることにご賛同頂けるのならば、気恥ずかしくも嬉しい。相手探し(買主・売主、貸主・借主のマッチング)から、結納(購入申込・入居申込)を経て円満の内に結婚(売買契約・賃貸借契約)に導くことができるのなら、仲人(仲介)冥利に尽きる。

さて、日本国の商慣習と対照的とも言われる米国の不動産仲介業務についても少し解説しておきたい。学ぶべき点も多々あるものと思う。

米国の不動産仲介業は、とても合理的に分業化されている。まず、日本の宅地建物取引業者に該当するのが「ブローカー」である。売主のエージェントが「Seller’s Agent」、買主のエージェントが「Buyer’s Agent」と呼ばれ、ブローカーと成功報酬型の雇用契約を締結する。エージェントは、日本流に言うと「完全歩合制契約社員」である。ブローカーの業績は、その「個」の力に左右される傾向にある。

日本の流通機構「REINS(レインズ)」に近いのが、全米リアルター協会(National Association of Realtors=NAR)が管理するMLS(Multiple Listing Service)であり、想像以上に情報公開が徹底(所謂「未公開物件」は許されない。)されている。しかも、1990年代から急速にIT化が進んだMLSの物件情報のデータベースの質・量は、日本の「REINS」とは、比較にならない程に充実していると聞く。

不動産の売却を決意した売主は、セラーズエージェントを選任してMLSに物件登録を指示し、宣伝広告の企画・制作やオープンハウス等の販売活動及び買主側との交渉等を委託する。一方、買主からバイヤーズエージェントに求められるのは、物件情報の提供よりも、購入への的確なアドバイスと売主側に対する交渉である。(各エージェントは、利益相反関係にあると考えるから、日本の「両手仲介」はあり得ない。)

買主は仲介手数料を支払う必要が無い。売主は、概ね売買価格の6%程度の仲介手数料をブローカーに支払う。仲介手数料は、ブローカーと各エージェントの力関係や貢献度によって配分される。売主側の負担額が大き過ぎるように思われがちだが、裏返せば、住替え先の仲介手数料は不要と考えて良いのだから、住替えをトータルで考えれば、日本の手数料相場と同程度である。買主は、仲介手数料の負担が無いことによって、Appraiser(不動産鑑定士)に不動産鑑定書の作成を依頼したり、Home Inspector(住宅診断士)に躯体・設備の細部に至るまで修繕の必要性などを調査依頼する為の資金的な余裕ができる。

驚くことに、その物件状況の調査(デューデリジェンス)は、売買契約《後》の一定期間とされる。(日本では、売買契約《前》に仲介会社が調査して行う「重要事項説明」の責任が重い。)売主から情報公開(ディスクロージャー)された内容が、買主側の調査の結果と大きく異なる場合、買主は契約を取り消すことができる。売主側の説明義務よりも買主側の独自調査に重きを置いているように思う。

紙面の都合により簡略化した説明となってしまったが、私が知るところの「米国流」は以上の通りである。徹底的に役割と責任が明確に細分化されているのが、何とも「訴訟大国アメリカ」らしい。米国流に寄せつつあるグローバル化の流れを止められるものではないが、「浮利を追わず」「三方良し」を旨とする「仲人」が「和を以って貴しと為す」ならば、日本国流を全否定する必要も無かろうに。

公開日:2019年10月29日

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

こんな記事も読まれています

こんな記事も読まれています

オフィスランディック株式会社 代表取締役 齋藤裕の記事

購入の記事

すべての記事

新着!大家さんのお悩み相談

あなたにおすすめの収益物件

大家さん・投資家さんのためのセミナー・勉強会・相談会

特集一覧

[特集]
不動産賃貸経営体験談を大家さんに語ってもらいました
ハワイでセミリタイア 別荘を手に入れる方法
経営者・成功者が語る ~経営者取材対談~
大家さんが注意すべき設備故障の対処法について設備メーカーが解説!

認知症対策として注目されている『家族信託』の仕組みとは?

エアコンの水漏れは故障?水漏れを防ぐための大家さんができる事前対策について!-ダイキン工業株式会社-

コラム特集

   [PR] ベテラン大家が選ぶ、賃貸管理会社とは?

PAGE TOP