賃貸の敷金は全額返金しなければならばい?~土地活用のまことしやかなウソの話!⑥~|不動産コンサルタント 松葉 民樹

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賃貸の敷金は全額返金しなければならばい?~土地活用のまことしやかなウソの話!⑥~

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その他識者 不動産コンサルタント 松葉 民樹

間違った知識や様々な法改正や税制改正、新設制度など、地主さんや賃貸不動産オーナーさん、不動産投資家さんにコンサルティングしてまいりました。私のコラムと同様、皆様の少しでもお役に立てれば幸いです。

最近、巷で不動産賃貸管理会社から「大家さんは入居者から預かった敷金を全額返金しなければならなくなったんです。そういう法律になったのです。」などとウソを吹聴する輩が増えてきています。
そして、TVのワイドショーや情報番組で素人コメンテーターやキャスターがまことしやかに話したりするもので、賃貸入居者が間違って敷金返金を要求してトラブルや大家さんが泣き寝入りするケースが増えてきています。
果たして「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」と「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例」(俗にいう東京ルール)とはどういうものなのでしょうか?

賃貸貸室の敷金は全額返金しなければならないというウソ!

   そもそも、このガイドラインが平成10年3月に当時の建設省住宅局より発行されたかというと、当時バブル期に当たり前となっていた退去時の清算時、契約書に謳ってある入居者の原状回復義務で、敷金が返ってくるどころか原状回復費用が足らず、追加請求を莫大に受けるというクレームが国民消費者センターや都道府県の住宅局に入り、行政も重い腰を上げたという経緯です。

   「ガイドライン」とは法律ではなく、日本語に訳すと「指導要綱」です。
   本文にも【⭐️本ガイドラインの位置づけ】として
   「民間賃貸住宅の賃貸借契約については、契約自由の原則により、民法、借地借家法等の法令の強行法規に抵触しない限り有効であって、その内容について行政が規制することは適当ではない。」

   「したがって、本ガイドラインについては、賃貸住宅標準契約書(平成5年1月29日住宅宅地審議会答申)と同様、その使用を強制するものではなく、原状回復の内容、方法等については、最終的には契約内容、物件の使用の状況等によって、個別に判断、決定されるべきものであると考えられる。」【原文のまま記載】と書いてあります。

   要約すれば、自由主義国家なのだから現法に違反しない限り、『契約自由の原則』がありますよ。その内容を行政が規制することは社会主義・共産主義国家になってしまうので出来ませんよ。最終的には個別に契約書の内容と使用状況で判断されることですよ。ということなのです。

   当たり前ちゃあ当たり前の話です。
   では、何故トラブルが絶えないのでしょうか?

   原因は『契約書』の不備にあります。これはあらゆる契約書についても言える事なのですが、鎖国していた島国と260年間続いた幕藩体制で培わられた「むら社会体質」です。むら社会では皆知り合いですから、「言わずもがな」とか「阿吽の呼吸」とかいちいち細かい事は言わなくても、最終的には村のオサや親族のオサが取りまとめてくれてきた慣習の名残りです。

   米国では、部屋を一室借りるのに、数ページにわたる条文第100数条の取り決めをさせられます。オールカマーで世界中から移民を受け入れるということは、世界中の慣習の違う人や法律の違う人たちと契約する訳ですから当然です。

   それと、賃貸オーナー(大家さん)のほとんどが自分の「マイ契約書」を持ってないということです。ほとんどの大家さんは賃貸仲介業者が持参する賃貸借契約書を利用しています。賃貸仲介業者さんは賃貸人(入居者)の代理人です。

通常は入居者から仲介手数料というフィーをいただきます。(昨今は広告宣伝費という宅地建物業法違反スレスレのフィーを大家さんからも取りますが‥)賃貸仲介業者さんが持参してくる契約書はクライアントである入居者に有利になる契約書が一般的です。

よって入居者が退去する際、必ず、敷金は返せ、原状回復は大家さん負担ですとなってしまっているのです。

   「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例」(俗にいう東京ルール)は平成16年3月に制定され、同年10月1日から施行されました。これは東京都条例ですから法律です。

これは、契約書に不備な退去時の復旧に関する考え方を、宅地建物取引業者に対し、重要事項とは別に、借主に対して書面で説明することを義務付けた法律です。大家さんには法律の当事者としてはまったく関係がありません。

   原状回復より依然に、まず、民法第400条では、他人のものを借りている場合、借主は、契約してから契約終了時に物件を貸主に明け渡すまでの間は、相当の注意を払って物件を使用、管理しなければならないという意味のことが規定されており、これを「善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)」といいます。よって、故意・過失を問わず、汚損、破損したものは善管注意義務違反によって損害賠償になります。

   経年劣化については何も契約書に謳ってなければ大家さんの負担ですが、特約事項で「本来、経年劣化による汚損や損耗は貸主の負担であるが、本物件については特別なる借主の負担とし以下にあげる項目について記載した金額(借主負担の損耗等の復旧、小規模な修繕等一覧表:詳細省く)にて請求されることを借主は承
諾する。」

   ルームクリーニングの費用についても同様に特約事項に金額を明示しておけば良いのです。
 
   大家の皆さん、ちゃんと自分のマイ契約書を持っていますか?
持ってないから不利なのですよ!
だって、入居者に有利な契約書で賃貸経営してくるのですから!






 

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更新日:2017年12月15日 (公開日:2016年11月21日)

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