不動産の取得時効とは?土地や建物の取得時効に必要な条件と問題となり得るケース|櫻田 真也

×
←不動産賃貸経営博士
>
>
>
不動産の取得時効とは?土地や建物の取得時効に必要な条件と問題となり得るケース

不動産の取得時効とは?土地や建物の取得時効に必要な条件と問題となり得るケース

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

弁護士 櫻田 真也

私は、常々、弁護士という職責を自覚し、誇りと自信を持ちながら、依頼者の皆様にとって最善の方策を実践できるよう、自らの体を張って日々奮闘し、社会に貢献できる弁護士になりたいと考えています。 皆様の中には、もしかしたら、弁護士に対して「敷居が高い」「相談しにくい」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも、私が代表を務めるレアール法律事務所では、どのようなご相談に対しても、誠心誠意かつ親身な対応をさせていただいております。

不動産の取得時効とは,簡単にいうと,土地や建物を長期間占有している者がそれらの所有権を取得するという制度です。つまり,当初は所有者でなくても,長期間占有していることによって所有権が取得できることになります。
今回は,不動産の取得時効について,その要件や問題となり得るケースについて説明します。

取得時効の要件

取得時効が完成して,不動産の所有権を取得するには,民法162条に規定された要件を充たす必要があります。以下,この要件を概観します。

1 一定期間以上の占有継続

取得時効は,占有が一定期間継続した場合に所有権の取得を認める制度ですから,不動産の取得時効を主張する場合は,原則として,20年間(長期取得時効),不動産の占有を継続したことを立証する必要があります(民法162条1項)。

ただし,占有開始時に,自己の所有権があるものと信じ(善意),かつ,そう信じることに過失がなかった(無過失)場合は,占有継続期間は10年(短期取得時効)となります(民法162条2項)。

しかし,一般的に,占有が継続したことを立証することは困難です。

そこで,前後の両時点において占有をした証拠があれば,占有はその間継続されたものと推定されることになります(民法186条2項)。

例えば,平成10年1月1日から平成30年1月1日までの20年間,不動産を占有したことによる時効取得を主張する場合は,①平成10年1月1日時点で占有していたこと,②平成30年1月1日時点で占有していたことを立証すれば,その20年間占有が継続されたものと推定されることになります。

2 「所有の意思をもって」(自主占有)

不動産の取得時効を主張する場合,「所有の意思をもって」占有していたことが必要です(民法162条)。所有の意思とは,所有者と同様,不動産を排他的に支配しようとする意志をいいます。所有の意思をもってする占有を「自主占有」,所有の意思なしにする占有を「他主占有」といいます。

所有の意思があるかどうかは,占有者の内心の意思を基準に決められるのではなく,占有をすることになった原因(権原)を考慮して客観的に判断されることになります。例えば,不動産の賃貸借契約における賃借人は,たとえ内心で不動産を返すつもりはないと思っていても,他主占有となります。

なお,この所有の意思は,民法186条1項で推定されることになるので,取得時効の成立を主張する者が立証する必要はなく,これを争う者がその占有者に所有の意思がなかったことを立証しなければなりません。

3 「平穏」かつ「公然」の占有

占有が「平穏」かつ「公然」であることも,取得時効説の要件です(民法162条)。平穏とは暴行や脅迫によらないこと,公然とは密かに隠していないことをいいます。

もっとも,「平穏」及び「公然」も,民法186条1項で推定されることになるので,取得時効の成立を主張する者が立証する必要はありません。

4 時効期間の経過

最後に,取得時効が完成するためには,時効時間が経過することが必要です。

前述のとおり,長期の場合は20年,短期の場合は10年の経過が必要です。

なお,短期の善意無過失について,「善意」は民法186条1項で推定されますが,「無過失」は推定されないので,10年の短期取得時効を主張する者は,占有開始時において,自らが無過失であることを立証する必要があります。

公開日:2018年11月30日

いいね・コインとは?
気になった数
シェア
ツイート
LINEで送る

こんな記事も読まれています

こんな記事も読まれています

櫻田 真也の記事

土地活用の記事

すべての記事

新着記事

新着!大家さんのお悩み相談

あなたにおすすめの収益物件

大家さん・投資家さんのためのセミナー・勉強会・相談会

特集一覧

[特集]
不動産賃貸経営体験談を大家さんに語ってもらいました
ハワイでセミリタイア 別荘を手に入れる方法
経営者・成功者が語る ~経営者取材対談~
大家さんが注意すべき設備故障の対処法について設備メーカーが解説!

認知症対策として注目されている『家族信託』の仕組みとは?

エアコンの水漏れは故障?水漏れを防ぐための大家さんができる事前対策について!-ダイキン工業株式会社-

コラム特集

   [PR] ベテラン大家が選ぶ、賃貸管理会社とは?

PAGE TOP