相続発生時に発生し得る問題|櫻田 真也

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無償で土地や建物を貸し出す際に注意すべきポイントとは?~使用貸借の注意点

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弁護士 櫻田 真也

私は、常々、弁護士という職責を自覚し、誇りと自信を持ちながら、依頼者の皆様にとって最善の方策を実践できるよう、自らの体を張って日々奮闘し、社会に貢献できる弁護士になりたいと考えています。 皆様の中には、もしかしたら、弁護士に対して「敷居が高い」「相談しにくい」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも、私が代表を務める弁護士法人さくらさく法律事務所では、どのようなご相談に対しても、誠心誠意かつ親身な対応をさせていただいております。

相続発生時に発生し得る問題

使用貸借の貸主又は借主が死亡して相続が発生した際には,次のような問題が発生し得ますので,注意が必要です。

まず,所有者(貸主)が死亡した場合,土地や建物の相続人としては,使用貸借を継続したくないことがあるかもしれません。使用貸借は貸主の死亡が終了原因とはなっていませんので,その相続人が貸主の立場を承継することになりますが,相続人と借主の人間関係等が希薄な場合には,無償で土地や建物を貸し出すことなど考えたくないこともあるでしょう。

そこで,相続人としては,返還時期や使用目的が定められていればその終了時期,それらの定めがなければすぐにでも,借主に対して,土地や建物の返還を求めるかもしれません。所有者(貸主)としては,こうした事態を想定して,借主や相続人と,自分が亡くなった際の万が一の場合の取扱いについて取決めをしておいた方がいいかもしれません。

次に,借主が死亡した場合,法律上,使用貸借が終了します(民法597条3項)。そこで,借主の相続人等は速やかに土地や建物を返還することが原則となります。しかし,借主の相続人等が使用を継続することを希望したり,土地や建物の返還に応じなかったりした場合には,相続人等と改めて契約を締結する,土地や建物の明渡しを求める法的手続を採るなどの対応を検討する必要があります。
 

取得時効の問題

特に契約書がない場合に顕在化しますが,貸し出した土地や建物について借主が時効取得して,結果,その所有権を失ってしまうことも考えられます。

法律上,一定期間,「所有の意思をもって,他⼈の物を平穏かつ公然と占有した場合,その所有権を取得できる」(⺠法162条)という定めがあります。これを取得時効といいます。
一定期間とは,占有開始時から自分の物であると過失なく信じていた場合は10年,それ以外の場合は20年になります。

使用貸借の場合は,借主が当初から自分の土地や建物であると過失なく信じることは想定し難いことですが,契約書がない場合には,占有の状況によっては,10年で時効が完成したと裁判上認定されることもあり得る話かもしれません。

また,借主に相続が発生し,その相続人の占有が継続した場合には,さらに事実関係は錯綜し,取得時効の成立に注意をしなければなりません。

借主の時効取得を回避するためには,繰り返しになりますが,事前の契約書の作成が極めて重要です。使用貸借であることが明確であれば,借主がその土地や建物を「自分の物」であると信じることなど証明できないことになりますので。

今回は以上です。

公開日:2021年5月17日

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