建物取壊しは高価|元橋 一郎

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大家さんは相続放棄も含め考えよう!使っていない借地権付建物の処理方法とは

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弁護士 元橋 一郎

元橋一郎は、2000(平成12)年4月に弁護士登録し、2003(平成15)年6月に出身地の千代田区岩本町に法律事務所を開設しました。 開業当初は、債務整理関係の事件を多く取り扱っていました。最近では、不動産事件(借地・明渡・賃料関係)・詐欺事件が増えています。 ご依頼頂いた方の利益が最大限に実現されるよう力を尽くして参ります。

建物取壊しは高価

 まず、使わなくなった借地権付建物について、建物を崩して、更地にして、土地を地主に返すことが考えられます。
 しかし、建物壊し費用は、道付き等の条件次第ですが、木造でも坪当たり数万円程度はかかり、総額100万円以上になることが普通です。
 また、国税庁のホームページで公開している相続税での土地評価の基準の路線価図には借地権割合と路線価が記載されていて、東京近郊では、路線価図による借地権評価は極めて高額です。長い間使ったとはいえ、国が高く評価する借地権を、ただで地主に返すことには、容易に納得できません。
 なお、まれには、地主が明け渡し料を払うことがあります。 

エンドユーザーへの譲渡は難しい

 そうすると、借地権建物を誰かに譲渡するしかなくなります。
 しかし、古くなって使わなくなった簡単に建て替えができない借地上の建物を自分で使用する譲受人(エンドユーザー)を見つけることは、簡単ではありません。
 また、借地権の譲渡には、地主の承諾が必要ですが、地主と話すらできないこともあります。一般に、借地上の建物を担保に普通の金融機関から借り入れをする場合、地主からの担保借入の承諾書が必要ですので、地主と円滑でない場合、エンドユーザーに借地権付建物を買い取ってもらうことは、難しいでしょう。

借地権付建物買取業者への買取依頼

 結局ところ、現実的解決としては、借地権付建物買取業者に買い取り依頼することになるでしょう。
 ところが、借地権付建物買取業者は、買い取った不動産の立地等に応じて、若干建物に手を入れて貸し出す、地主と交渉して建て替えをして売る等の前提で、多くの場合自己資金で借地権付建物を買い取ります。このため、借地権買い取り業者の借地権付建物買取価格は、修理や建て替えという不動産を商品化するコストや、商品化できるかどうかのリスク、自己資金についての機会費用の分、路線価からの価格よりも大幅に安くなります。
 ただし、他に方法がない場合、安い買取価格でも、取り壊し費用等でマイナスの負動産をプラスに変えるという意味はある場合があります。
 なお、地主が借地権譲渡を承諾しない場合でも、訴訟に比較して容易な手続きで、裁判所の決定によって、譲渡承諾があったことにすることができます(借地借家法19条1項)。
 借地権買取業者は、裁判所の決定による借地権譲渡でも、譲り受けを受け入れるところもあります。
 

速やかな処分が賢明

 借地権付建物は、持っているだけもお金がかかります。また、建物が古くなりすぎた場合、借地権消滅が認められることもあります。
 このため、高齢になり生活環境が変わり、借地権付建物が不要になった場合、所有権の土地よりも処分が容易でないため、速やかな処分が賢明です。

 なお、借地権付建物買取業者でさえ購入しない借地権付建物については、相続が間近であれば、相続放棄も検討対象です。この場合、借地権付建物買取業者でさえ購入しない借地権付建物の他に良い資産がある場合は、良い資産だけ生前贈与する、又は遺贈する等の方法を併用します。

公開日:2017年11月6日

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