地代滞納発生時の支払督促方法や少額訴訟・民事調停など法的手続の手順とは?|櫻田 真也

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地代滞納発生時の支払督促方法や少額訴訟・民事調停など法的手続の手順とは?

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弁護士 櫻田 真也

私は、常々、弁護士という職責を自覚し、誇りと自信を持ちながら、依頼者の皆様にとって最善の方策を実践できるよう、自らの体を張って日々奮闘し、社会に貢献できる弁護士になりたいと考えています。 皆様の中には、もしかしたら、弁護士に対して「敷居が高い」「相談しにくい」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも、私が代表を務めるレアール法律事務所では、どのようなご相談に対しても、誠心誠意かつ親身な対応をさせていただいております。

皆様,こんにちは。弁護士の櫻田です。
前回に引き続き,地代滞納が発生した場合,地主においてすべき対応に関する記事です。
今回は,契約解除をしない場合の地代滞納の支払督促方法や少額訴訟・民事調停の法的手続の手順など具体的な解決方法を中心にご説明します。

地代滞納において契約解除をしない場合の対応

地代滞納があっても,地主としては,契約解除まで求めない場合は,滞納地代の請求をして支払いを受けた上で,契約を継続することになります。

1 滞納地代の請求をする。

請求の方法は,前回の記事でもご説明したところですが,「請求書」や「催告書」と題する書面を作成して,借地人に対して,配達証明付内容証明郵便など記録が残る形で送付する方法が通常です。

書面を作成する際は,必ず,地代台帳,地代振込口座,借地人に交付した領収書の控えなど,地代受領に関する資料(証拠)を準備した上で,正確な滞納金額を確認しましょう。

滞納地代を請求して,その請求通りすぐに全額を支払ってもらえれば,滞納地代の問題はひとまず解消されたことになります。

ただし,一度滞納が発生した以上,再び滞納が生じないともいえませんので,その後の地代の支払状況には注視をする必要があります。仮に滞納が生じた場合には,すぐに支払いの催促をした方がいいでしょう。

2 支払いがない場合は,法的手続の検討をする。

書面での請求により直ちに滞納全額の支払いを受けられればいいのですが,残念ながら,なかなか支払ってもらえないことも想定されます。

その場合は,早目に弁護士などの専門家に滞納地代回収の相談をされることをお勧めしますが,ここでは,地主本人でも対応がしやすい簡易裁判所における法的手続をご紹介します。

① 支払督促の申立て

まず,滞納地代の金額に特に争いがない場合は,支払督促の手続を利用することが考えられます。

支払督促とは,金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について,簡易裁裁判所の書記官が行う処分で,請求内容に争いはないが,その相手方が支払いをしないような場合に,迅速かつ簡易に債務名義(強制執行の要件)を取得することができるものです(民事訴訟法382条,383条)。

まず,地主としては,管轄の簡易裁判所(通常は借地人の住所を管轄する簡易裁判所)に対して,支払督促の申立てをします。申立後,内容に不備がなければ,簡易裁判所から借地人に対して支払督促正本が送達されます。

借地人は,支払督促正本の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをすることができます(仮執行宣言前の督促異議)(民事訴訟法391条1項)。督促異議の申立てがあると,支払督促はその限度で効力を失い(民事訴訟法390条),地主の請求については通常訴訟に移行します(民事訴訟法395条)。つまり,借地人から異議があると,訴訟での請求をすることになるのです。こうなると,本人対応ではやや大変かもしれません。

他方,借地人から2週間以内に督促異議の申立てがない場合,地主としては,その時から30日以内に仮執行宣言の申立てをする必要があります(民事訴訟法391条1項,392条)。この仮執行宣言の申立てを受け,簡易裁判所から借地人に対して仮執行宣言が付された支払督促が送達されれば,これが債務名義となり,これに基づいて,借地人の財産について強制執行をすることができます。

なお,借地人は,仮執行宣言付き支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをすることができ(仮執行宣言後の督促異議)(民事訴訟法393条),この異議が出されると,上記の仮執行宣言前の督促異議と同様,通常訴訟に移行することになります。ただし,この異議を出しても,仮執行宣言の効力は維持されるので,これを停止するには,借地人は,別途,執行停止の申立てをする必要があります。督促異議の申立てがなければ,支払督促は確定し,確定判決と同一の効力が生じます(民事訴訟法396条)。

② 少額訴訟の提起

次に,地主としては,簡易裁判所に対して,滞納地代の支払いを求めて,少額訴訟を提起することも考えられます。

少額訴訟は,訴額が60万円以下の金銭の支払いの請求を目的とする紛争について,原則として1回の期日で審理を終了し,直ちに判決を言い渡すことを予定した訴訟手続です(民事訴訟法368条1項,370条1項,374条1項)。

60万円までの請求であることや,同一の簡易裁判所において同一年に10回までしか利用できないこと(民事訴訟法368条1項但書)などの制約がありますが,1回の審理での終結を予定していることから,通常の訴訟と比較して,地主本人でも対応がしやすい手続といえます。逆に,弁護士費用等との費用対効果の観点から,弁護士(私も含めて)が代理をしてまでは,あまり利用することはない手続ともいえます。

少額訴訟の具体的な手続については割愛しますが,訴状を作成・提出すること,裁判所の法廷において弁論や証拠調べがあることは,通常の訴訟と同様です。その意味では,地主本人が対応するのであれば,支払督促よりはハードルが高いかもしれません。

③ 民事調停の申立て

その他,民事調停の申立ての方法もありますが,民事調停は裁判所における当事者間の話合いの手続で柔軟な解決を図ることが期待できるものの,申立書類や添付資料を作成する必要があること,裁判所に出頭する必要があること,調停成立には双方の合意が必要であることなどから,やや迂遠であるかもしれません。

更新日:2018年9月21日 (公開日:2018年4月10日)

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