3 大家さんの居住者にペットを飼育させない義務!?|山田 博貴

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ペット禁止特約の有効性 ~ペットトラブルの回避術~

ペット禁止特約の有効性 ~ペットトラブルの回避術~

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弁護士 山田 博貴

弁護士の山田博貴と申します。不動産問題・建築紛争、相続案件、中小企業の顧問業務等を中心に、リーガルサービスの提供を行っております。不動産に関しては、権利関係が複雑となるだけでなく、利害関係者が多数になることも多いため、専門家の支援の必要性が高い分野であり、やりがいを強く感じております。難解な法律や制度をかみくだいて丁寧にご説明するよう心掛けておりますので、不動産問題や相続問題でお困りの方はお気軽にご相談下さい。

3 大家さんの居住者にペットを飼育させない義務!?

 
 ペット禁止の共同住宅において一部の居住者がペットを飼育していた場合、大家さんは当該居住者に対し一定の措置を講ずる義務を負うでしょうか。


 東京地方裁判所平成17年12月21日判決(LLI/DB判例秘書登載)は、共同住宅に入居する原告が、貸主である被告に対し、被告がペット飼育禁止条項に違反した他の入居者による犬・猫の飼育を放置したため、建物の使用収益が阻害されたとして損害賠償を求めた事案において、「本件飼育禁止条項及び本件解除条項は,その文言によれば,賃借人がペットの飼育を禁止することを定めたものであって,賃貸人の債務,すなわち,賃貸人が賃借人に対し他の賃借人にペットの飼育をさせないことまでを定めたものではない」として、「賃貸人が賃借人に対し他の入居者にペットの飼育をさせない義務」を認めませんでした。


 上記裁判例は、当該事案限りの事例判決ですので、契約内容等によっては「賃貸人が賃借人に対し他の入居者にペットの飼育をさせない義務」が認められる可能性があります。そのため、大家さんとしては、具体的な居住者の指摘があった場合には、ペット飼育禁止違反をしている居住者に注意喚起をしたり、掲示板等でペット飼育は禁止であることを周知したり、場合によってはペットを飼育する入居者に対し戸別訪問を実施したりすることも必要となるケースがあるかもしれません。
 

4 終わりに

 
 今後は単身の高齢者などのペット需要がますます増加すると言われており、人間とペットとの共生は大家さんにとっても無視できない問題となっています。ペット飼育に関連する事項は曖昧にするのではなく、契約書等で明確に定めることが大切です。
 

公開日:2019年9月18日

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