借地権を共有で相続する際の注意点|山田 博貴

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借地権を共有で相続する際の注意点

借地権を共有で相続する際の注意点

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弁護士 山田 博貴

弁護士の山田博貴と申します。不動産問題・建築紛争、相続案件、中小企業の顧問業務等を中心に、リーガルサービスの提供を行っております。不動産に関しては、権利関係が複雑となるだけでなく、利害関係者が多数になることも多いため、専門家の支援の必要性が高い分野であり、やりがいを強く感じております。難解な法律や制度をかみくだいて丁寧にご説明するよう心掛けておりますので、不動産問題や相続問題でお困りの方はお気軽にご相談下さい。

遺産相続の際に借地権を共有で相続するという事例は珍しくありません。今回は借地権を共有で相続した場合の問題点について考えてみたいと思います。

1 借地権とは?

 
 まず、借地権がどのような権利なのかということをご説明します。借地権は、借地借家法において「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」と定義されています(借地借家法2条1号)。また、建物の所有を目的としない地上権や土地の賃借権については、民法上の借地権などと呼ばれることがあります。本記事においては、両者を合わせて「借地権」と呼ぶことにします。

 

2 借地権の相続

 
 相続が発生した際に、借地権はどのように扱われるのでしょうか。民法896条は、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」としているため、借地権も相続の対象となります。

 なお、借地権を相続した場合であっても、借地権の譲渡には該当しないため、地主の承諾は不要ですが、地主に対して借地権を相続した旨を伝えておくとよいでしょう。

 

3 借地権の共有

 
 借地権を相続した場合、借地権が共有財産となるケースがあります。例えば、親が借地に建てた建物を長男と長女が法定相続分に応じた共有財産として相続する場合、親が有していた土地の借地権については長男と長女の準共有(所有権以外の財産の共有)状態の財産となります。

 
 民法上共有の規定は、準共有の場合に準用されるとされています(民法264条)。そのため、準共有となっている借地権を譲渡する場合には、共有名義人全員の同意が必要となり、一人でも借地権の譲渡に反対する者がいる場合には、借地権を譲渡することができません(民法251条)。また、準共有となっている借地権を転貸したい場合には、地主の承諾に加えて、共有持分権の過半数の賛成がなければ、転貸ができません(民法252条本文)。

 上記の長男と長女が相続人の事例でみると、長男と長女が法定相続分に応じて1/2ずつ借地権を相続した場合、両者の意向が一致しなければ、借地権の譲渡も借地権の転貸もできないということになります。このような状況を防ぐためには、借地権については単独で相続することが望ましいといえます。
 

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公開日:2021年1月5日

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