高齢者向けアパートで認知症の入居者を受け入れるためにできるトラブル対策|櫻田 真也

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高齢者向けアパートで認知症の入居者を受け入れるためにできるトラブル対策

高齢者向けアパートで認知症の入居者を受け入れるためにできるトラブル対策

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弁護士 櫻田 真也

私は、常々、弁護士という職責を自覚し、誇りと自信を持ちながら、依頼者の皆様にとって最善の方策を実践できるよう、自らの体を張って日々奮闘し、社会に貢献できる弁護士になりたいと考えています。 皆様の中には、もしかしたら、弁護士に対して「敷居が高い」「相談しにくい」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも、私が代表を務める弁護士法人さくらさく法律事務所では、どのようなご相談に対しても、誠心誠意かつ親身な対応をさせていただいております。

こんにちは,弁護士の櫻田です。
日本は高齢化社会を迎えており,アパート経営をされる大家さんとしても,今後ますます高齢者を受け入れるケースが増えてくると思われます。認知症の入居者のための受け入れ対策も必要になってくるでしょう。そこで,今回は,認知症高齢者を受け入れるにあたってのポイントやトラブル対策についてご説明します。

認知症の入居者とは直接賃貸借契約を締結しない!


意思能力のない方の法律行為(契約等)は無効になり,行為能力のない方の法律行為は取り消し得るものとなります。

意思能力とは法律上の判断において自己の行為の結果を判断することができる能力のことを,行為能力とは単独で有効に法律行為をなし得る地位・資格のことをいいます。

認知症の場合,程度にもよりますが,ある程度進行した状態であれば,判断能力を欠き,意思能力がないとみなされる可能性があります(通常,行為能力は欠いているでしょう)。

認知症で意思能力を欠く方と賃貸借契約を締結しても無効となってしまうので,大家さんとしては,契約締結(その後の更新等も含む)の際は注意が必要です。

大家さんとしては,高齢者で認知症が疑われる場合は,本人と直接契約を締結するのは避けるべきでしょう。

意思能力・行為能力を備え,一定の資力がある親族がいれば,親族を借主として,認知症の方を入居者として契約することを検討した方がいいでしょう。また,借主の親族には,さらに,入居者である認知症の方の身元引受人や身元保証人になってもらった方がいいでしょう。

借主となってくれる親族がいない場合には,成年後見人を選任してもらい,成年後見人に契約を締結してもらう必要があるでしょう。
 

想定されるリスクやトラブル


認知症の高齢者は,身体的・精神的に制約を受ける面が多くあり,そのため,そうではない入居者では発生しにくいリスクやトラブルが発生することがあります。


具体的には,次に挙げるものが考えられます。

①設備や安全上のリスク・トラブル

認知症の高齢者は,日々の動作が相当制約されることが想定されます。室内の少しの段差でも転んでしまったり,取手がないトイレや浴室では立ち上がることもできなかったりするかもしれません。

大家さんとしては,費用の問題もありますが,場合によっては,バリアフリーのために改築をする必要があるかもしれません。

また,入居後に想定し得る高齢者の事故発生を放任しておけば,場合によっては,損害賠償請求を受ける可能性も否定できません。


②他の入居者からのクレーム

認知症の方は,精神不安により大声を出したり,アパート内外を徘徊したりすることも考えられます。こうした言動により,他の入居者の生活の平穏を害し,大家さんにクレームがくることもあり得ます。

こうしたアパートの管理上のリスク・トラブルが発生する可能性も否定できません。


③死亡(特に孤独死)

高齢者は,確率的に,若年者よりも死亡する可能性が高いです。

特に,認知症の高齢者の単身入居の場合,万が一のことがあっても,発見が遅れてしまうことがあるでしょう。

事件性の有無にかかわらず,発見が遅れた孤独死が発生すると,原状回復にもコストがかかりますし,物件の瑕疵として賃料等にも影響を及ぼしかねません。
 

公開日:2020年2月6日

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