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賃借権の相続で争族・・・?子供vs内縁の妻|はじめての賃貸経営【第10回】

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弁護士 エジソン法律事務所 大達 一賢

相続や不動産案件、離婚、交通事故等個人の方から企業法務も含め、幅広い案件を専門家としての知識と経験を生かして取り扱っています。依頼者目線で正当かつ最大限の利益を実現すべく、慎重かつ柔軟に考え、日々業務に取り組んでいます。

毎度おなじみ、大達弁護士!

 相続が発生した場合には、被相続人の権利義務の全てを相続人が受け継ぐことになります(民法896条)。

 一方、事実上の婚姻状態にあるとはいえ、内縁関係にある者は配偶者ではないため相続人にはならず、相続権は発生しません(民法890条参照)。

 そして、建物などの賃貸借関係も権利義務にあたることから、原則として賃借権も相続人へ承継されることになります。
 今回の件でいうと、Oさんの賃借権はPさんが受け継ぐことになりそうです。

 しかし、最高裁の昭和39年10月13日判決は、内縁の夫が死亡した後、その所有家屋に居住する内縁の妻に対して亡夫の相続人のした家屋の明渡請求が権利の濫用にあたる、としています。
 この事例は、相続人から被相続人の内縁の妻に対する、所有権に基づく明渡請求の事案であって、今回のような賃借人からの明渡請求とは少々異なります。

 ただ、相続人は既に別の場所に住んでいるため相続物件に住む必要はなく、内縁の妻は家を追い出されると重大な打撃を受ける、という点では、賃借権の相続の場合でも同じことがいえます。
 今回の件では、Pさんは既に他県で一人暮らしをしており、自分自身で生計を立てているため、アパートの賃借権を必要とする理由に乏しい一方、QさんはOさんと生計を共にしていました。
 また、72歳という年齢を考えると、アパートを追い出された場合、新たな入居先を探すのは容易ではなく、アパートの賃借権を必要としているといえることから、Pさんの請求は権利濫用にあたると思われます。
 

公開日:2017年3月21日

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