相続トラブルになる前に!遺言書を書いてもモメるのはなぜ?②不動産評価の落とし穴|竹村鮎子

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相続トラブルになる前に!遺言書を書いてもモメるのはなぜ?②不動産評価の落とし穴

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弁護士 竹村鮎子

不動産関連業務を中心に、相続、離婚など幅広い案件を取り扱っております。賃貸経営にまつわるトラブルやその対処法について、分かりやすくご説明するように心がけています。

みなさんこんにちは!
弁護士の竹村鮎子です。
今回も前回に引き続き、相続でモメるポイントについてご説明したいと思います。
よろしくお願いいたします!

トラブルポイント2「土地建物の評価でモメる!」

 亡Aさんが「全財産をBさんに相続させる」という内容の遺言書を書いていたとしても、Cさんに遺産の4分の1については遺留分という権利があることは分かったBさん。
 亡Aさんの遺産は自宅の土地建物と、賃貸用の土地建物、あとは預貯金が少しです。できればBさんは、亡Aさんの跡を継いで、賃貸経営を行いたいと考えており、自宅と賃貸用の土地建物は取得したいと考えています。
 Bさんの遺留分は遺産の4分の1。いったい具体的にいくらBさんに渡したら良いのでしょうか…。

 原則として、相続は土地建物も預貯金も、それぞれの相続分に応じた割合に応じて取得します。つまり、Bさん、Cさん兄妹の場合は、土地建物についてはBさん4分の3、Cさん4分の1の割合で共有、預貯金については土地建物と同じ割合で分けます。

 しかし、上記のとおり、できればBさんは単独で土地建物を相続したいと考えています。その場合には、Bさんは単独で亡Aさんの土地建物を相続するかわりに、Cさんの持分相当額をお金で支払うことになります。

 そこで、Cさんの持分相当額がいくらであるか問題となりますが、これは、遺残分割をする時点での土地の「時価」が基準となります。相続税を申告する際には、土地の価格を相続税路線価に応じて評価します。しかし、路線価はあくまで「相続税を計算のための基準」であるので、時価とは一致しません。

 なお、一般的には、路線価は時価の80%程度と言われていますが、必ずしもそうとは言えません。
 土地の取引が活発な地域では路線価が時価の半分程度であったり、逆にほとんど取引がないような地域では、路線価の方が時価より高かったりする場合も多々見られます。
 したがって、時価の算定において、路線価を重視することは危険です。

 建物の場合、その価値は日を追うごとに目減りしていくものなので、建物それ自体の評価額が急に上がったり下がったりすることはありません。
 しかし、土地の場合、市況に応じて、評価額は大きく上がったり、大きく下がったりします。

 また、マンションやアパートなど賃貸用の不動産の評価は、その空室リスクや大規模修繕のリスク、利回りをどのように計算するかによって、その評価額に大きな差異が出ることがあります。

 したがって、Bさんがお願いした不動産鑑定では、遺産である不動産の評価額の総額が5000万円だったとしても、Cさんの鑑定では総額が1億円と、計算方法によって大きな開きがでることも、よくあることです。

 また、亡AさんがCさんへの遺留分に配慮して、「不動産はBに、預貯金はCに」というように、Cさんが遺留分相当額は相続できるように遺言書を作成していたとしても、遺言書を作成した後に、土地の価格が急に高騰したような場合には、Cさんの遺留分相当額は、亡Aさんが当初予定していた金額よりも大幅に増えているような場合もあります。

 例えば、亡Aさんが遺言書を作成した時は、不動産の時価が2000万円だった場合、預貯金が1000万円あれば、不動産全部をBさん、預貯金全部をCさんが相続しても、Cさんは法定相続分(遺産総額3000万円の半分である1500万円)よりは少ないですが、遺留分(遺産総額3000万円の4分の1である750万円)よりも多くの遺産を相続することができました。

 しかし、亡Aさんが亡くなって、遺産を分割するときに、不動産が高騰し、時価が4000万円になっていたような場合、1000万円の預貯金をCさんが相続しただけでは、Cさんの遺留分(遺産総額5000万円の4分の1である1250万円)にはまだ足りなくなってしまうのです。

 このように、土地建物の価格をいくらと評価するかは、相続において、非常に重要な問題なのです。

 次回も引き続き、相続でモメるポイントについてご説明いたします。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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更新日:2017年11月16日 (公開日:2017年7月25日)

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