③土地の利用状況|櫻田 真也

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借地の更新拒絶するために必要な「正当事由」の内容と判例|借地契約の更新拒絶②

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弁護士 櫻田 真也

私は、常々、弁護士という職責を自覚し、誇りと自信を持ちながら、依頼者の皆様にとって最善の方策を実践できるよう、自らの体を張って日々奮闘し、社会に貢献できる弁護士になりたいと考えています。 皆様の中には、もしかしたら、弁護士に対して「敷居が高い」「相談しにくい」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも、私が代表を務める弁護士法人さくらさく法律事務所では、どのようなご相談に対しても、誠心誠意かつ親身な対応をさせていただいております。

③土地の利用状況

土地の利用状況としては,次のような事情が該当します。

・建物の種類・用途・構造・規模

・建物の老朽化の程度

・建物に関する法令違反の有無

・建物の利用形態

上記のうち,よく問題となるのが建物の老朽化の程度です。例えば,建物の老朽化が相当程度進み,居住や賃貸に適さない状態となっている場合には,地主側の正当事由が肯定されやすくなります。

④立退料

上記の①~③の要素により,ある程度の正当事由はあるものの,借地契約の更新拒絶を認めるには十分ではないというケースも多くあります。このような場合,正当事由があるとの判断を補完するのが,④立退料の支払いです。

正当事由の存否が争われる場合,多くは,立退料の支払いによって正当事由が肯定されるのか,そのための立退料の金額はいくらにするのかが問題となります。

④の要素について,正当事由の補完は,立退料という金銭支払いでなくても構いません。地主からの「財産上の給付の申出」には,金銭支払いのほか,代替の土地・建物の提供も含まれます。

また,立退料は,あくまで正当事由を補完する要素にすぎません。立退料の支払いだけで正当事由が存在すると判断されることにはなりません。

正当事由の存否に関する裁判例

最後に,正当事由の存否が争われた裁判例をいくつか紹介します。

【正当事由が肯定された例】

・東京地裁平成15年11月21日判決(無条件で肯定)

建物全体の老朽化が相当進行し,建替えを含めた大規模な修繕が必要であった。借地人は,賃貸用建物を建築していたが,すべて空室で賃料収入を得ておらず,自ら使用する予定もなかった。

・東京高裁昭和59年11月8日判決(無条件で肯定)

地主には病院兼居宅として土地上に建物を建築する必要があった。借地人は建物を利用していなかった。

・東京地裁平成13年9月28日判決(立退料で補完)

地主には賃貸マンションを建築する必要があった。借地人は土地を段ボール製造工場として利用していた。地主は3,500万円の立退料を支払った。

【正当事由が否定された例】

・東京地裁平成20年4月25日判決

借地人は自らの住居(生活の本拠地)として土地を使用し続ける必要があった。更新時に更新料の授受があった。

・東京地裁平成19年9月5日判決

地主は私立学校を経営し,借地に学校用地を拡張する必要があった。借地人は稼業の畳店を営業していた。

 

今回は以上になります。更新拒絶の場面では,地主と借地人の利害が対立することがよくあり,地主としては,金銭的な補償として立退料を支払わなければならないケースも多いです。まずは,冷静に,更新拒絶をする必要性と借地人側の事情を検討する必要があります。

公開日:2018年3月2日

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