抵当権付き不動産を購入するときの注意点とは？｜櫻田真也 -不動産賃貸経営博士-

抵当権付き不動産を購入するときの注意点とは？

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私は、常々、弁護士という職責を自覚し、誇りと自信を持ちながら、依頼者の皆様にとって最善の方策を実践できるよう、自らの体を張って日々奮闘し、社会に貢献できる弁護士になりたいと考えています。皆様の中には、もしかしたら、弁護士に対して「敷居が高い」「相談しにくい」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも、私が代表を務める弁護士法人さくらさく法律事務所では、どのようなご相談に対しても、誠心誠意かつ親身な対応をさせていただいております。

こんにちは，弁護士の櫻田です。
今回は，相談事例を通じて，抵当権の概要，及び，抵当権付きの不動産を購入するときの注意点について説明します。

相談事例①

Ａは，Ｂ銀行に対して1000万円の融資の申込みをした際，Ｂ銀行から打診され，Ａが所有する甲不動産に抵当権を設定し，その登記もしました。
Ｂ銀行としては，将来的にＡの返済が滞った場合に，融資した1000万円を回収するため，甲不動産に抵当権を設定されたのです。つまり，Ａの返済が滞った場合，Ｂ銀行は，裁判所に申し立てて強制的に甲不動産を競売して，その売却代金から優先的に回収をすることができるのです。

抵当権とは？

相談事例①のように，抵当権とは，債権者（Ｂ銀行）の債務者（Ａ）に対する債権（被担保債権）の回収を担保するために設定される権利（担保物権）です。
以下のような特徴があります。
⑴契約により設定される
抵当権は，抵当権設定者（Ａ）と抵当権者（Ｂ銀行）との間の契約により設定され，目的物（甲不動産）を引き渡す必要はありません。この点は，目的物の占有移転が効力発生要件とされる質権とは異なります。
⑵第三者が所有している不動産にも設定できる
例えば，Ｂ銀行は，Ａに対する貸付金を回収するために，第三者のＣが所有している乙不動産に対しても抵当権を設定することができます。この場合，Ｃを物上保証人といいます。
⑶登記が対抗要件となる
抵当権は，登記をすることで，抵当権設定者以外の第三者に対しても，その抵当権の効力を主張する（対抗）することができます。
⑷抵当権には優先順位がある
同一の不動産に複数の抵当権を設定することができます。例えば，Ａは，その後，Ｄ銀行からも借入れをして，甲不動産にＤ銀行を抵当権者とする抵当権を設定することもできます。複数設定された抵当権の優先順位は登記の先後によります。
⑸被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅する
抵当権は，債権回収の担保のために設定されるものなので，被担保債権が弁済等により消滅すれば，消滅します（付従性）。