入管法改正により外国人の増加が見込まれる中、外国人を入居させる場合の注意点!-不動産賃貸経営博士-

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入管法改正により外国人の増加が見込まれる中、外国人を入居させる場合の注意点!

入管法改正により外国人の増加が見込まれる中、外国人を入居させる場合の注意点!

時代の流れにより、様々な事件・ニュースまたそれに伴い、新しい規定や法律などの進化も様々です。

ここでは、不動産賃貸経営されている大家さんに関連することや一般的・社会的な問題により賃貸経営に影響のあるニュースをピックアップし、弁護士・税理士に解説して頂きました。

入管法改正による外国人の増加で、外国人を入居させるケースが多くなると考えられます(下記のグラフより)。今回は、空き家に困っている大家さんや外国人の入居を考えている大家さんが外国人を入居させる場合に注意しなければならない点や家賃滞納・マナー違反の対応など、弁護士から見て大家さんはどのような対策をするべきなのか伺ってきました。

資料:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ 厚生労働省より

Q.1 外国人入居者の契約書は日本人同様のものでいいのか?

契約は、簡単にいうと契約当事者が双方の主張を理解したうえで合意することです。そして、契約書は、契約当事者の合意内容を書面化(証拠ともいえます。)したものです。なお、賃貸借契約は口頭の約束でも成立します(諾成契約)が、保証契約は書面で合意をしなければ成立しません。

例えば、日本語を理解する日本人同士であれば、日本語で記載された契約書の内容は、契約当事者同士の合意内容の前提となります。それに対し、日本語を必ずしも理解できていない外国人の場合、日本語で記載された契約書があったとしても、外国人が日本語を理解できていないこともありうるため、契約当事者同士の合意内容の前提とならない可能性があります。

となると、外国人が賃借人の場合には、何らかの対策が必要となります。最初に記載したとおり、契約は、理解してもらわなければなりませんので、契約書をきちんと理解してもらうための対策が必要です。



最も良い方法は、外国人賃借人の使用言語で作成された契約書を作成することです。この場合、日本語の契約書と外国人賃借人の使用言語の契約書の2通を作成することになります。なお、日本語と外国人賃借人の母語等の2通の契約書同士の解釈で疑義が生じた場合の優先順位を決めておく必要もあります(日本語の契約書を優先させるということが多いでしょう。)。外国語の契約書も一度作っておけば、汎用性もありますので、今後の外国人賃借人の際に利用ができるかと思います。

ただ、それでも、せいぜい作成できる契約書は、英語、中国語、韓国語といったところかと思います。また、契約書を外国語で作成できる体制が整っていないということもあり得ます。

そのような場合、次善の策としては、外国人賃借人が使用している言語や図(ピクトグラム等を用いても良いかもしれません。)等を用いた説明書を作成し、日本語の契約書の内容を理解してもらったうえで、外国人賃借人に、日本語の契約書及び説明書に署名等をしてもらうという方法が考えられます。日本語の契約書をそのままでは理解できなくても、使用言語による説明や図を用いた説明によって賃貸借契約の内容、例えば転貸借(又貸し)は禁止されているといったことを理解してもらうことはできるかと思います。

いずれにせよ、外国人賃借人に、契約書の内容をきちんと理解してもらうことが重要です。安易に、日本語の契約書のみを作成し、契約書があるから合意が成立していると思い込まないように注意してください。

Q.2 外国人入居者の連帯保証人はだれにすればいいの?

外国人賃借人は、文化の違いからか、契約内容の理解が足りないからか、賃料を滞納してしまう(そして、賃料滞納の問題の重要性を理解していないこともありえます。)こともあるようです。また、極端な場合ですと、大家さんに何も言わず、帰国をしてしまうというケースもあるようです。

このように外国人賃借人は、日本人に比べて、賃料滞納のリスクが多少高いともいえますが、外国人賃借人は、単身で日本に来ている場合も多く、親族を連帯保証人とすることが難しいケースがあります。

そのような場合は、外国人賃借人の勤務先の会社(又は、同社に所属している日本人。)に連帯保証を依頼してもらうか、保証会社を利用することが良いかと思います。なお、現在、外国人賃借人に対応している保証会社も増えてきているようです。

Q.3 文化の違いで起こりうるトラブルの対応方法は?

賃貸借契約における礼金や更新料といった金銭のやり取りは、日本では行われていても、外国では行われていないということもあります。また、転貸借(又貸し)や契約者以外の人の居住の禁止を知らない外国人賃借人もいるでしょうし、動物禁止の物件で動物を飼育する外国人賃借人もいるでしょう。

前者は大家さんと外国人賃借人のトラブルに発展する可能性がありますし、後者は外国人賃借人と他の賃借人とのトラブルに発展する可能性があります。

しかしながら、トラブルが、文化の違い、つまり、理解の違いで起きるものであれば、契約時に丁寧に説明するということで対応できる可能性があります。また、上記1において記載した外国人賃借人の使用言語の契約書や説明書に禁止事項等を盛り込んでおけば、ある程度防ぐことができる可能性があります。さらに、外国人賃借人の居住する物件にも、貼り紙等をするなどして、理解を促進してもらい、トラブルを未然に防ぐことができる可能性があると思います。

仮に、トラブルが起きてしまった場合も、同様に、外国人賃借人に、ルールを理解してもらうようにするといったことで、今後のトラブルを防ぐという方法が有効かと思います。

それでも、外国人賃借人がトラブルを繰り返す場合には、立退きを求めることも考え、弁護士に相談された方が良いかと思います。

Q.4 賃料を滞納した場合、また、突然帰国したときの対応は?

賃料を滞納した場合、外国人賃借人でも、日本人賃借人でも、やることは同じです。賃借人本人に対し、通知その他の方法で督促をします。また、督促をしても意味がない場合や外国人賃借人が保証会社と連帯保証契約をしている場合には、保証会社に対して、外国人賃借人の滞納賃料を請求します。

次に、仮に、外国人賃借人が大家さんに無断で帰国し、賃借物件を放棄してしまった場合、どうすれば良いでしょうか。外国人賃借人が帰国してしまったのであるから、次の入居者を募集すれば良いと即断するのは危険です。外国人賃借人との間で賃貸借契約の解除等をしていないため、法律上は、外国人賃借人に賃借権があります。そのため、賃貸借契約の解除及び立ち退きを求める手続きを経なければなりません。外国人賃借人が帰国した後に債務不履行(契約違反のことです。例えば、賃料の滞納が挙げられます。)がないか、債務不履行がある場合には、債務不履行及び信頼関係の破壊を理由として、外国人賃借人に対して、建物明渡請求訴訟を起こして裁判所の勝訴判決をもらったうえで対応しなければなりません。

Q.5 マナー違反(ゴミ出し・騒音など)の対応は?

Q.3と同様の対応となります。契約時の丁寧な説明、又は、マナー違反が起こってしまった後の説明で、できる限り、外国人賃借人のマナー違反にきちんと対応していった方が良いと思われます。

さらには、賃借物件周辺にマナー違反の分かり易いポスター(外国語や図面等を使用する)などを貼っておくことでも一定の効果があるものと思われます。

Q.6 入居審査で注意する点は?

入居審査の基準は大家さんそれぞれかと思いますが、日本人賃借人の審査事項に加え、

① 在留資格の有無・内容
② パスポートの確認
③ 勤務先・収入の確認の強化
④ しっかりした連帯保証人がいること又は保証会社の審査に通ること
⑤ 日本語能力の程度(全く日本語を理解できないといったレベルの外国人賃借人は避けた方が良いと思います。)
⑥ 賃料の支払方法(銀行口座を保有しているのか、クレジットカードを保有しているのか等)

を確認するのが良いかと思います。

結局のところ、大家さんとしては、遅滞なく賃料を支払ってくれる賃借人、トラブルを起こさない賃借人というのを求めていますので、その要件を満たすかを確認するということになります。

Q.7 その他、大家さんに対するアドバイス、気を付けた方が良い点があれば教えてください。

今後、日本は人口が減少し、賃貸業の競争が厳しくなる可能性が高いです。そして、賃貸業で収益を上げ続けるためには、今までは敬遠していた外国人賃借人を入居させなければならないという状況になる可能性が高いと思われます。

外国人賃借人は、日本の賃貸借やその習慣に慣れていない人が多いと思われます。上記のとおり、契約時やトラブル発生時の丁寧な説明に加え、日常的なコミュニュケーションをとって、良好な関係を築いていくのが良いと思われます。賃借人と良好なコミュニュケーションを取るのは、日本人賃借人も同じなのですが、外国人賃借人の場合には、より注意をする方が良いかと思います。

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所
弁護士 阿部 栄一郎
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1岸本ビル4F
TEL 0066-96-8063-1583
HP :http://maru-soleil.jp
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