4 相続税の節税のための養子縁組をするときの注意点|阿部 栄一郎

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節税を目的とする養子縁組は無効となる!?最高裁の判例から注意点を学ぶ

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弁護士 阿部 栄一郎

阿部栄一郎と申します。 賃料未払い、明渡し、敷金返還といった基本的な賃貸借契約の問題から騒音、悪臭問題といったことまで幅広く賃貸借契約に関する相談、問題解決に当たっています。また、マンション管理組合からの管理費滞納やペットの問題等の相談、問題解決にも当たっています。 相談や解決に当たっては、なぜそのようになるのか、なぜそのように解決した方がいいのかをできる限り丁寧に説明をするように心がけております。 お気軽にご相談ください。

4 相続税の節税のための養子縁組をするときの注意点

上記最高裁判決は,無限定に相続税の節税目的の養子縁組を認めたというわけではありません。ですので,注意が必要です。

(1)相続税の節税目的のみの養子縁組は無効となるのか

上記3で紹介した最高裁判決の文言をよく読むと分かるとおり,最高裁は,相続税の節税の目的のみの養子縁組を認めたわけではありません(「相続税の節税の動機と縁組をする意思とは,併存し得るものである。」と判示しています。)。仮に,相続税の節税の目的のみの養子縁組の場合,民法802条1号に基づいて無効と判断されるでしょう。
最高裁が認めたのは,主な目的が相続税の節税目的にあったとしても,縁組意思も併存する場合の養子です。

(2)相続税の負担を不当に減少させると認められる場合

相続税法63条は,「相続税の負担を不当に減少させると認められる場合においては,税務署長は,相続税についての更正又は決定に際し,税務署長の認めるところにより,当該養子の数を当該相続人の数に参入しないで相続税の課税価格(中略)及び相続税額を計算することができる。」と定めています。つまり,「相続税の負担を不当に減少させると認められる場合」には,当該養子は相続税の計算の際の基礎に入らないことになります。
上記最高裁判決は,相続税法に沿った内容の判決ではない(あくまで,民法802条1号の解釈に関する判決です。なお,民法802条1号に基づいて養子縁組が無効となった場合,そもそも養子ではなくなりますので,相続税法における養子でもなくなります。)ため,相続税法63条に該当する養子縁組となるかについては,別途検討が必要となります。
 

公開日:2017年7月20日

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