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地主系大家の家督相続的志向の相続対策 生前贈与ならぬ「生前相続」

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大家 僧俗嫌世(そうぞく・いやよ)

首都圏近郊の農家が、必要に迫られて不動産賃貸を始めたのが約27年前。 現在は、次期相続に備え、法人化して一部の物件を法人所有としました。 「生活できればそれで十分だが、絶対に負けない大家」であり続けたいと 思っています。

(どうせ解説は、いつでもめんどくさい)

 何が起こったのでしょうか?

 被相続人は、「分けることができない(正確にいうと、「分けたり共有にしたりするといいことなどひとつもない」)財産である『土地』を手放す」ことで、固定資産(不動産)を減らした代わりに、どのようにでも分けられる金融資産を得ました。
 主たる推定相続人の私は、当該土地を法人が買い取ることにより、「個人としての所有権」ではないけれど、いわば、それと同価値の「その土地に対する『支配権』」を得たわけです。
(注.老婆心ながら、「支配権」は一般用語で、登記上の権利ではありません)
 
 実際には、被相続人は、当該土地を保有し続ければ、相続の際に幾分かの相続税評価額の減額を受けられるはずですが、そのことで相続税額がガーンと下がることはありません。
 であれば、諸税の納税や借入金の残債を支払うことになるので、目減りはしますが、それを覚悟の上で、資産を「分けられないものから、分けられるものに組み換えてしまった方がいいだろう」ということになったのです。
 
 いまのところ、その損害や弊害は感じていません。
 

相続は銀行や税理士の問題ではなく、「当家の問題」

 実は、この方策はメインバンクのオファーではなく、素人である私の思いつきです。メインバンクには、富裕層担当のFP社員がいて、さらにそのうしろに、大きな税理士法人がついています。
 FP行員に対し、私が素人頭で考えたラフプランを開陳したものを、彼らが実現可能なプランに仕上げてくれたのです。

 再度言います。「これでできるはずだと思うんだけど、税法的にウラをとってください」とメインバンクに依頼したのは、主たる推定相続人である私であり、被相続人である父です。
 極めてシンプルに、「自分の『いえ』のことを自分でやっただけ」です。

 だって、自分の「いえ」のことをいちばんよく知っているのは自分だし、これからどうしたいかを決めるのも自分でしょう。それを自分以上に一生懸命にやっている人がいたら、何かわけがあるに違いないと思いませんか?
 
 さて、その素人プランですが、何か税法上や当家の資産の持ち方に問題があれば、NGという回答が出てきます。なぜNG? に対する説明しだいでは、もう少し粘るか、全く違う道を模索したでしょう。
 また、一連のやり取りのなかで、私はメインバンクのいつも以上のような真剣度の高さを感じました。後から考えてみると、どうも彼らは「このプランは仕上げ方次第では他でも売れるかもしれない」と思ったからではないかと思うのです。
(実際、このプランの提供(発案)について、当家に執行役員があいさつに来たし、しばらく後になってから、担当したFP行員から、「他支店で類似のケースにこのプランの考え方を生かして複数件の法人化を成功させることができた」とも聞いた)
 

公開日:2017年11月1日

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