賃借人に対し自殺等があったことを、説明すべき期間|伊澤 大輔

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大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース① 〜自殺や殺人など事故物件の説明義務

大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース① 〜自殺や殺人など事故物件の説明義務

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

賃借人に対し自殺等があったことを、説明すべき期間

貸室内で自殺等があった場合、どのくらいの期間、そのことを賃借希望者に対し説明しなければならないのでしょうか。
 
前述の通り、自殺等への嫌悪感は、時間の経過によって希薄化し、住み心地への影響はなくなっていきます。
 
大阪高裁平成26年9月18日判決では、自殺から1年3ヶ月後に賃貸するにあたって、賃貸人の告知義務が肯定されていますが、他方、東京地裁平成21年6月26日判決では、自殺から5年以上経過していたケースにおいて、当然に告知しなければならない重要な事項ではないとして否定されています。
 
賃借人が自殺したことによる相続人や連帯保証人に対する損害賠償請求事案において、裁判例の多くは、賃貸不能期間を1年間、賃料半額期間をその後の2年間としていますので(東京地裁平成19年8月10日判決等)、これとパラレルに考え、自殺等があったことを説明すべき目安の期間は、自殺から3年間程度と考えてよいでしょう。
 
もっとも、自殺等の心理的瑕疵該当性は、事件・事故の態様や死亡原因の異常さ、それがどの程度報道されたか等個別事情を総合考慮して判断されますので、上記期間はあくまで目安の期間と考えてください。
 

老衰や病気等による自然死の場合の説明義務

それでは、自殺や殺人ではなく、老衰や病気等による貸室内での自然死の場合は、これについて説明する義務はあるでしょうか。
 
自然死自体は法的問題とされないので、一般的に、説明義務はないと考えてよいでしょう。
 
ただし、自然死であったとしても、死亡したことに気づかれず、数ヶ月間遺体が放置されていたような場合は、そのことを説明する義務を負うと考えられます。
 
東京地裁平成14年6月18日判決も、不動産競売において、建物内に病死と見られる遺体が3ヶ月間放置されていた事案につき、遺体が「発見されるまで約3ヶ月という長期間建物内に放置されたままであった事実は、一般人であれば嫌悪し、当該建物に居住することを拒む性質の事実であり、建物の交換価値を減少させる事実であると認められる」と判示しています。
 

公開日:2018年3月21日

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