弁護士が教える夜逃げした入居者の鍵や家財の対処方法-貸室内への立ち入り~鍵交換、家財の搬出までの正しい手続き-|伊澤 大輔

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弁護士が教える夜逃げした入居者の鍵や家財の対処方法-貸室内への立ち入り~鍵交換、家財の搬出までの正しい手続き-

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

入居者に夜逃げされてしまうと大家さんにとっては本当に面倒です。こんなとき、勝手に鍵を交換したり、残された家財を処分してたりしてはいないでしょうか。このような行為は絶対にしてはいけません。自力救済行為として違法であり、入居者から損害賠償請求されるおそれがあります。

今回は、適切な対処方法について、解説させていただきます。

貸室内への立ち入りについて


入居者と連絡がとれないからといって、大家さんが入居者に無断で貸室内に立ち入ることはできません。大家さんが建物の所有権を有していても、賃貸をしている以上、貸室の占有権原は入居者にあり、その侵害になるからです。刑法上、住居侵入罪に該当するおそれがあります。
 

たとえ、賃貸借契約書に「緊急の必要がある場合には、賃貸人は事前の通告なしに貸室内に立ち入ることができる」旨の特約が入っていたとしても、無断の立ち入りはなるべく控えるべきでしょう。適法な立ち入りか否か争われたり、物がなくなったなどと因縁をつけられたりするリスクがあります。

 
それでは、法的手続きをとる前に、どうしても貸室内の状況を確認しておきたいという場合、どうすればよいかというと、警察に相談し、警察官の臨場による安否確認をしてもらうべきです。賢い大家さんは、皆さん、そのように対応しています。

 

鍵の交換や家財の搬出について


冒頭で述べたとおり、入居者と連絡がとれないからといって、大家さんが法的手続きによらずして、勝手に鍵を交換したり、残された家財を搬出・処分する行為は自力救済行為に当たります。
 

自力救済は、原則として法の禁止するところであり、法律に定める手続きによったのでは権利に対する違法な侵害に対して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特段の事情が存する場合において、その必要の限度を超えない範囲内で例外的に許されるに過ぎません(最高裁昭和40年12月7日判決)。
 

入居者が夜逃げした場合に、鍵の交換や家財の搬出をする行為が、このような例外的な要件を満たすことはまず考えられず、自力救済行為として違法になるのです。
 

たとえ、賃貸借契約書に「賃料を●ヶ月以上滞納したり、無断で●ヶ月以上不在のときは契約を解除し、賃貸人が鍵を交換し、貸室内の動産類について処分をしても賃借人は異議を述べないものとする」旨の特約が定められていたとしても、このような特約は、公序良俗に反し無効と考えられます(札幌地裁平成11年12月24日判決等)。

 

公開日:2019年10月5日

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