大阪地裁判決と東京地裁判決の相違点|伊澤 大輔

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隣人の迷惑行為に対する貸主の対応責任とは?|大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース②

隣人の迷惑行為に対する貸主の対応責任とは?|大家さんが入居者に対し損害賠償義務を負うケース②

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

大阪地裁判決と東京地裁判決の相違点

迷惑行為をする入居者がいる場合において、大阪地裁判決の事案でも、東京地裁判決の事案でも、賃貸人はその入居者に対し注意等をしていますが、大阪地裁判決は賃貸人の損害賠償義務を認め、東京地裁判決は賃貸人の損害賠償義務を否定しています。両者には、どのような違いがあるのでしょうか。
 
まず、大阪地裁判決の事案では、賃貸人が事前に迷惑行為をする入居者Aの存在を知っていたか容易に知り得たにもかかわらず賃貸をしていますが、東京地裁判決の事案では、迷惑行為をする人物Bが入居してきたのは後のことです。
 
また、大阪地裁判決の事案は、賃貸人の説得が功を奏さず、入居者Aが受忍限度を超える迷惑行為を繰り返していることを賃貸人が認識しており、これを理由に賃貸借契約を解除しようとすれば、解除して、迷惑行為をする入居者Aを排除できる事案でした。
 
これに対し、東京地裁の事案は、賃貸人は、苦情の電話がある度に、迷惑行為をする入居者Bに対して口頭で注意をし、その口頭での注意が相応の効果をあげていると思われていましたし、賃貸人が、苦情の申し入れに対して事実関係の調査をしなかったということはできず、甲2が貸室を退去する直前の時期まで、賃貸人は、Bの迷惑行為が受忍限度を超えるものであることを認識しておらず、受忍限度を超える迷惑行為の存在を立証しうる証拠も何ら獲得していませんでした。
 

まとめ

以上から、迷惑行為をする入居者がいる場合、大家さんには、次のことが求められると考えられます。
 
①既に迷惑行為をする入居者がいることを知りながら、新たな入居者に対し、その事実を告知することなく、賃貸してはならない。
②苦情があった場合には、遅滞なく、事実関係の調査をしなければならない。
③迷惑行為をする入居者に対し、適宜注意をする。
④それでもなお、迷惑行為が繰り返される場合には、迷惑行為を繰り返す入居者に対し、退去を求め、信頼関係が破壊され賃貸借契約を解除できる場合には賃貸借契約を解除する。
 
これらを守らないと、大家さんは、他の入居者に対し、損害賠償義務を負うおそれがありますので、ご注意ください。
 

公開日:2018年4月17日

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