3 どのような対応をしたらいいの?|阿部 栄一郎

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相続人がいない土地賃借人への対応について|賃借人が亡くなる前や後に対応すべきこととは

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弁護士 阿部 栄一郎

阿部栄一郎と申します。 賃料未払い、明渡し、敷金返還といった基本的な賃貸借契約の問題から騒音、悪臭問題といったことまで幅広く賃貸借契約に関する相談、問題解決に当たっています。また、マンション管理組合からの管理費滞納やペットの問題等の相談、問題解決にも当たっています。 相談や解決に当たっては、なぜそのようになるのか、なぜそのように解決した方がいいのかをできる限り丁寧に説明をするように心がけております。 お気軽にご相談ください。

3 どのような対応をしたらいいの?


当職は,土地のオーナーの代理人となり,本件賃借人に対し,次の概ね内容を提案しました。
 

①本件賃借人が土地上の建物を使用しなくなった場合(老人ホームに入居して帰ってこない場合や亡くなった場合)に賃貸借契約を終了させること。


②賃貸借契約が終了した時点で土地上の建物の所有権を土地のオーナーに譲渡すること。


③土地のオーナーが費用を負担し,本件賃借人の意向に従って建物内の本件賃借人所有の動産を処分すること。また,本件賃借人が亡くなった場合には,土地のオーナーが費用を負担して建物内の本件賃借人所有の動産を処分すること。

 
上記①の提案は,賃貸借契約を終了させることによって,土地のオーナーが賃貸していた土地の返却を受けることが目的でした。本件賃借人からすれば借地権相当額を失い,逆に,土地のオーナーからすれば借地権相当額を得るという内容となります。

また,上記②の提案は,土地のオーナーが解体費用を負担して土地上の建物を解体することが目的でした。実際には,土地上の建物は築年数が古いために既に価値がなく,解体費用を負担する分だけマイナスでしたので,本件賃借人にはメリットとなり,土地のオーナーからすればデメリットとなる内容となります。

さらに,上記③の提案は,価値のない動産類の処分をすることで,土地上の建物を処分することに目的がありました。土地のオーナーが戸地上の建物内の動産を処分できないとなると,他の保管場所を探すということになりますが,それを避けたいと考えていました。これも,不要となる動産を土地のオーナーが処分するという意味で本件賃借人にはメリットとなり,土地のオーナーからすればデメリットとなる内容となります。

ご相談いただいた件では,本件賃借人も,自分が認知症になったり,老人ホームに入ったり,亡くなったりした後のことを大変心配していました。その意味で,土地のオーナーとも利害が一致していました。

そのため,上記①から③の提案を受けていただくことができました。

また,期間満了前に本件賃借人が亡くなった場合には,更新料を免除するなど,本件賃借人にも金銭的なメリットがあることも提案し,合意をしました。土地のオーナーと本件賃借人との付き合いも長く,関係も良好であった点もよかったと思っています。

最終的には,本件賃借人が真意に基づいて合意したことが分かるように公正証書で契約書を作成しました。

 

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公開日:2018年8月20日

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