特約で修繕義務を免れることはできる?|伊澤 大輔

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台風による被害!家主は入居者に対し損害賠償責任を負うか?賃貸住宅の自然災害トラブルの判例や修繕義務

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

特約で修繕義務を免れることはできる?

このように、賃貸人に修繕義務違反があり、それが原因で入居者に台風による漏水被害が生じたと認められる場合には、賃貸人に損害賠償責任が生じます。
 
では、初めから賃貸借契約書で、修繕義務はすべて、入居者(賃借人)が負う旨定めておけば、賃貸人は、損害賠償責任を免れるのではないかとお考えになるかもしれません。
 
しかし、そのような特約は、効力が否定される場合があります。
 
東京地裁昭和61年7月28日判決は、特約による賃借人が負担する修繕義務の内容は、通常生ずる破損の補修即ちいわゆる小修繕であり、賃借物の大修理、大修繕は含まれず、ましてや通常予想できないような天災等による甚大な被害に対する修繕は含まれないとしています。
 
そして、通常予想できない台風の豪雨によって生じた擁壁の亀裂、崩壊の危険を避けるため賃借人が建物を取壊して転居を余儀なくされた場合には、たとえ土留の管理を賃借人の責任とする旨の特約のあるときといえども、擁壁の改修補強等の措置をとらないまま放置した賃貸人は、建物取壊し等によって賃借人に生じた損害を賠償しなければならないと判示しています。
 
また、原状回復に関する裁判例ですが、名古屋地裁平成2年10月19日判決は、賃貸借契約書に「賃借人は、故意過失を問わず、物件の損耗・汚損等の損害について、賃貸人に対し賠償すべき義務を負う」と条項があったケースにおいて、帰責事由の有無に関わらず賃借人が損害賠償責任を負うべき旨を定めたものとするならば、その限度で、当該賠償特約の効力は否定されるべきであると判示しています。
 

公開日:2018年10月23日

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