無断転貸するとどうなるの?賃貸借契約の解除について|エジソン法律事務所 大達 一賢

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無断転貸による明け渡し請求!無断転貸はトラブルのもと|はじめての賃貸経営【第7回】

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弁護士 エジソン法律事務所 大達 一賢

相続や不動産案件、離婚、交通事故等個人の方から企業法務も含め、幅広い案件を専門家としての知識と経験を生かして取り扱っています。依頼者目線で正当かつ最大限の利益を実現すべく、慎重かつ柔軟に考え、日々業務に取り組んでいます。

無断転貸するとどうなるの?賃貸借契約の解除について

  まず、民法上は、賃貸借契約において、賃借人は、賃貸人の同意がなければ、賃借権を譲渡したり、賃借物を転貸したりすることはできないとされており(民法612条1項)、賃貸人の同意を得ることなく、賃借人が賃借物を他人に転貸した場合には、賃貸人は、賃貸借契約を解除することができるとされています(同条2項)。
 
 他方、最高裁の昭和27年4月25日判決によると、賃貸借契約は、当事者間の信頼関係を基礎とする継続的契約であるから、契約を解除するには賃借人に債務の不履行があるだけでは足りず、原則として「信頼関係」が破壊されたといえる場合にのみ解除が認められる、とされています(「信頼関係破壊の法理」と呼ばれています)。
 
 このように、「無断転貸の場合には解除できる」と法律上は規定されていますが、Xさんの場合には「信頼関係破壊の法理」は適用されず、貸主は無条件に賃貸借契約を解除することができるのでしょうか。

 この点に関して、最高裁昭和28年9月25日判決によると、無断転貸の場合にも「信頼関係破壊の法理」は適用されることを前提にした上で、「無断転貸借」は、原則として「信頼関係」を破壊するに足りる行為であり、賃借人が賃貸人の承諾なく第三者に賃借物の使用または収益させた場合でも、「背信的行為と認めるに足りない特段の事情」があるときには、例外として賃貸人は民法612条2項により契約を解除することはできない、とされています。

 つまり、原則として「信頼関係破壊」があるとし、それが破壊されていないという事情を借主側(=転貸人)が立証できる場合に限り、解除ができないとされました。
 
 ここでいう「特段の事情」とは、例えば、賃借人が、転居先が火事になってしまった賃借人の親族に対し、新居を見つけるまでの間、一時的に転貸するときのように「やむを得ない事情」があるような場合や、賃借人が、賃借人個人で経営している法人に対して転貸するときにように、賃借人と転借人が事実上同一である場合などのことを言います。
 
 そして、賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約が無断転貸借を理由に解除された場合には、転貸借関係の基礎となる賃借人の賃借権がなくなるので、賃貸人は転借人に対しても建物明渡し請求ができるようになるのです。
 
 しかし、賃貸人としては「転借人を追い出したいだけで、賃借人との契約は解除したくない」という状況もありえます。
 この場合にも、賃貸人は賃借人との契約を解除しないと、転借人のみに対して建物の明渡しを請求することができないのでしょうか。

 最高裁は、昭和26年5月31日判決において、無断で建物が転貸された場合、賃貸人は契約を解除することなく、転借人に対して建物の明渡しを請求することができるという判断をしています。
 これは、賃貸人が転貸借を承諾しない限り、転借人は賃貸人に対抗することができないため、転借人は不法占有者となり、賃貸人は所有権に基づく妨害排除請求としての建物明渡し請求ができることになります。

公開日:2016年12月8日

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