「養子縁組」は、たんに算数の計算じゃぁない!|僧俗嫌世(そうぞく・いやよ)

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地主系大家の家督相続的志向の相続対策 家督を守り、次につなぐ「養子縁組」と「公正証書遺言のよる分割」

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大家 僧俗嫌世(そうぞく・いやよ)

首都圏近郊の農家が、必要に迫られて不動産賃貸を始めたのが約27年前。 現在は、次期相続に備え、法人化して一部の物件を法人所有としました。 「生活できればそれで十分だが、絶対に負けない大家」であり続けたいと 思っています。

「養子縁組」は、たんに算数の計算じゃぁない!

 具体的な対策について続けます。(多少、実際の順番とは前後しますがご了承を)

 「分割」を考える前に、まず、主たる推定相続人(=私)の「配偶者」を、両親の養女にしました。

 これには、2つの税務的意味と、1つの事業的意味、そして、重要な注意点があります。

 税務的な意味のその1は、養子をとることで推定相続人が1人増えますから、基礎控除が1人分余計に取れるということです。そして、その2は、推定相続人にしたことにより、他の推定相続人の相続財産の山が相対的に低くなり、その結果、相続税の総額の計算に有利に働くことです。

 事業的な意味というのは、「リスクヘッジ」とでも言っておきましょうか。

 いちばんのリスクは、被相続人の相続が発生する前に、順番を間違えて、主たる推定相続人であったはずの私の相続が先に発生してしまうことです。
 
この時に、(正確にはあとでもよいが、何かと面倒が起こる可能性が高い)私の両親と私の配偶者の間に養子関係がないと、いくら私の代わりに「いえ」のなかを差配し、高齢の養父母らの面倒を見ても、相続の基本中の基本で、そののちに私の両親の相続が発生した時に相続人の地位を得ることができません。
(私の子は、当然に代襲相続人となりますが...)

 そうなった場合に、実質的に本家を束ねているものが何の経済的な基盤も持たないことや、まだ社会的経験の少ない私の子に家督を維持する重圧がかかってしまうことを防ぐためのものとして考えたものです。
 養子となり、相続人の列に加われば、当然、財産分与が受けられ、家族や親戚のなかでの存在感も増し、私の代わりの役割を果たすのにも少しは役に立つでしょう。

 また、順番どおりに両親の相続が先に来ても、間なしに私がお供するような事態になってしまうことがあるかもしれません。もしそうなっても、様々なことが滞りなく進むように、私は配偶者に日頃から「あなたは、不測の事態が起こったときの私の身代わり」ということを伝え、徐々に「いえ」のことや事業のことがわかるように説明中です。

(いかにも封建的なことで、そうなったら配偶者はかなり不安でしょうし、気の毒です。でもね、これ「家業」なんですよ。誰もできないとみんなが路頭に迷っちゃうんです。そもそもそうならないように、私自身が健康管理をきちんとしないとならないんですが...いや、とはいってもね。ヘヘヘ。)

 さて、問題の重要な注意点です。

 この養子縁組については、私の提案ではなく、両親からの提案でした。当時、まだ存命中であった配偶者の父親(母親はすでに物故)の了承を得て、市役所に届けを出しました。
(おとなの養子縁組の届け出は、とても簡単にできることにビックリ!!)

 ただ、実はまだ、こちらがわの親族に公開していません。

 民法上は、養子は何人とってもよいことになっていますが、相続税法はそうではないことはご承知の通りです。

 当家の場合は、相続税計算に算入できる養子の数は1名のみですし、実際にも1名しか養子にしていません。ですから、きょうだいからみると、「兄嫁は特別待遇されている」と思われる可能性があります。

 たいへんデリケートな問題です。
 
ほんとうは、本家のすべき仕事の裏方や、おそらく、高齢の親族の看護や介護をすることになり、他のきょうだいがあまりしない役割を負うことになるのですが...、一緒に住んでいないとそのあたりはよく見えないのです。

 で、対策として、

①何かの折に、被相続人から、自身の相続についての方針を推定相続人に話してもらう
②養子である配偶者が分与される相続財産を、他のきょうだいと明らかな差がつくように少なくする。(当家では、遺留分を敢えて切っていることが明らかな分配にしました)

を考えています。

 私の配偶者は、今のところ、私の両親やきょうだいとはたいへん仲良くやっていますので、「方便としての養子である」ことをわかってもらい、今後も良好な関係が保てるようにすることが重要な注意点だと思います。

公開日:2017年11月27日

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