住宅ローン債務の帰属について、相続人間で決められるか?|伊澤 大輔

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家賃収入や管理費用は遺産分割の対象になる?

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

住宅ローン債務の帰属について、相続人間で決められるか?

実務では、相続人の一人が遺産である賃貸不動産を単独で取得する代わりに、その住宅ローン債務も全額負担する旨の合意がなされることがありますが、その場合、債権者(銀行などの金融機関)がこれについて承諾しない限り、他の相続人も債務の負担を免れることはできません。
 
住宅ローンに限らず、金銭債務は、相続により当然に各相続人に法定相続分で承継され、遺産分割の対象にはなりません。
 
特定の相続人が住宅ローン債務を全額負担する内容の合意をする場合には、予め金融機関に承諾してもらえるか意向を確認しておく必要があります。
 

建物を占有する相続人に対し、明渡請求できるか?

ある相続人が賃貸不動産に居住し、占有している場合、他の相続人は、当然には、明け渡しを求めることができません。
 
占有している相続人が、少数持分権者(持分の価格が共有物の価格の過半数に満たない者)であったとしても、自己の持分によって、共有物の全部について、その持分に応じた使用収益をする権利を有するからです(民法第249条)。
 
この場合、多数持分権者が少数持分権者に対して明渡を求めることができるためには、その明渡を求める理由を主張・立証しなければなりません(昭和41年5月19日判決)。
 

公開日:2018年5月17日

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