早期退職という選択から考える、経済的な自由と時間の自由の兼ね合いとは?~結果としての節税あれこれ~

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。
筆者の日常は、日々の収支経理の把握に結構な時間を取られますが、少なくとも始業・就業・残業に縛られる通勤生活は送っていません。
好きな時間にやるべきことをやることが自由だとすれば、まあ、表面上は気ままな毎日です。
では、その「やるべきこと」を済ませて、「やりたいこと」(第<09>回)を存分に楽しんでいるかと言えば、なかなかその時間を捻出するのもままならない思いをしています。
<32> そこそこの収入と時間の自由と
始めにお知らせです。新生銀行の2週間外貨定期預金の利率が1.5%になりました。細かい計算は第<20>回の追記部分を参考になさって下さい。
最低預入額1000$で税引き後47¢の利息
1009~1021$の預入額だと48¢
1022$だと、再び47¢の利息に下がります。
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前回記事(第<31>回)の
> さまざまな「遣り繰り」を楽しむ
という書き方に、
「へっ、何が楽しむだ。」それは、不労所得の不動産賃貸業だから言えるのであって、小売店を始めとする一般事業じゃ、
「さまざまな遣り繰りに追われる・忙殺される」
だけだぜ、と言われそうです。
バフェットは、
お金で手に入れたものが1つある。自由だ。
と語りました。(https://www.businessinsider.jp/post-177372)
1日の80%を読書に費やす、という氏の生活ぶりは、記載した URLの記事に紹介されています。
一方、宝くじで大金を手にした人は、総じて哀れっぽい末路に迷い込んでいる、というような話も聞こえてきます。
時間の自由を手に入れても、社会との関係が絶たれてしまうことに大きなリスクがあるからだ、とされます。
筆者も、早期退職という選択肢から、無謀にも、俗に言う「経済的自由」という方向に迷い込みました。あれこれ試行錯誤を重ねて、やっと職域年金受給に辿り着いたわけですが、では、改めて、
お金と自由の兼ね合いは、どんなバランスで認識されているのか?
ということを述べてみたいと思います。
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資産総額日本円に換算して10兆円にも届こうかというバフェットと較べる気は毛頭ありませんが、筆者も表面上は自由に(少なくとも不自由ではなく)暮らしています。
朝起きる時間も自由、昼寝も可、夜更かしも可、このコラム連載も昼の勤めの合間や休日に書くのではなく好きな時に書いています。
しかし、抱えている借入の総額は1億円以上あります。日々の生活は何とかなっていますが、本当に経済的な自由を獲得しているかと言えばかなり疑問で、債務に奴隷化された「かりそめ」の姿でしかありません。
経済的な自由と時間の自由には、密接な相関関係がありますが、よく、
学生時代は、金はなかったけど時間はあった。
職に就いてからは、金はそれなりに給料を貰うようになったが、暇なしで趣味の時間なんて取れない。
みたいな言い方がされます。そこから二択に分かれて、
・仕事はほどほどに最低限の生活費を確保して、やりたいことをやる。
・今は我慢と割り切り、金を貯めてから思う存分やりたいことをやる。
となります。
あまり金のかからない分野なら前者、あるいは運動や音楽などの技能を要する分野は、力量を現状維持するためにも前者となるでしょう。
筆者に聞こえてきた話では、ピアノの練習時間を確保するために、それを実現させてくれるような旦那が見つからない限り結婚せず実家に留まる、というような女性もいるそうです。あるいは、思う存分ピアノ三昧の毎日を過ごさせてくれる旦那を見つけにウィーンに行くとか。(黒髪の東洋女性にぞっこんになる可能性は、下手に渋チンの日本人を探すより効率的?)
一方、機材を揃えるのに資金も必要とか、短期でもいいから留学して本場で学びたいなどの場合は、後者になるでしょうか。
ただ、機材ひとつ取っても、技術的な進歩は思いの外速いものです。そして自分自身の技能や研鑽の積み上げはコツコツ、やめて力量が落ちるスピードはノンストップのエレベーター並み、というのが常なので、「資金を貯めるまで」と対象から完全に離れてしまうのは、得策ではないように思います。
すると、方法としてはスポンサーを探すとか、糟糠の妻に貢がせるとか、他人を巻き込むことになっていきます。
「子どもができた。夢を追うのもそろそろ諦めて、安定した収入の仕事に就いてちょうだい。」
と、ミュージシャンになるのを諦めた若者は数知れずいることでしょう。あるいは、家庭の事情で大学院は叶わず、学者の道を断念する学生も多いに違いありません。
しかし、ここまで述べたような選択は、筆者のような還暦世代の、まだ「贅沢な選択肢」という見方があります。大学も奨学金などに頼らずとも卒業まで家庭が学費を支えられた頃の話で、ひと昔前の「良き時代」の話だよ、というわけです。
筆者は、税金の行方という関心から、貧困や学生のブラックバイトなどの話題(記事)にも目を通すようにしているのですが、近年の格差問題は、上述の「時間か金か」を選ぶような悠長な次元でなく、
「カネもヒマもない」
というのが昨今(2018)の現状のようです。
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ここで話は突飛な方向に逸れますが、ヨーロッパの古代ギリシャ時代やルネッサンス期の市民生活に想いを馳せてみます。
14~15世紀以降、専制君主制の閉塞感が充満した時代を打破しようとした時に、憧れのように範とした市民社会が古代ギリシャでしたが、筆者の言いたいのは、その古代ギリシャも奴隷制の基盤に立った上での市民社会だったということです。
北イタリアに華開いた芸術文化も、商人たちの築いた富が背景にありますし、アメリカの開拓史もアフリカから連れてこられた奴隷の存在を抜きに語ることはできません。
卑近な例で言えば、筆者が若い頃住んでいた家は、戦前(1940年)に普請した木造一軒家でしたが、北側の隅には3畳の女中部屋があり、玄関を入ると2畳の書生部屋があり、その昔は通いの書生さんが詰めていたと聞きます。
別に大層な屋敷ということでなく、40坪ほどの敷地に、亡父の時代には家族5人が暮らす、当時としてはごく普通の家でしたが、そんな一般家庭でも昭和30年代頃までであれば、メイド(女中)さんを雇うというのは珍しくもなかったと記憶します。
今は筆者は別の場所に住んでいますが、たまに近くを通ると、懐かしい思い出がよみがえります。
さて、30年前というと、1980年代後半でしょうか。山根一眞辺りの紹介で、システム手帳がブームになったことがありますが、筆者はこの時、
「旦那さま、○○さんという方からお電話が入っていますが、」
と取り次ぐような暮らしからメイドを解放してやり、個々人のスケジュール管理はそれぞれ自分でやるように世の中は進んでいるのかな、と思ったことがあります。イギリスの貴族なら、まだ執事という身分の職業がありますが、個人の独立・自由・人権が尊重される世ではいかがなものか、あるいはセクレタリー(あるいはアシスタント、秘書)の代わりに、システム手帳で自己管理したらどうですか、ということなのかと考えたわけです。
というより、雇う側に経済的余裕がなくなり(ただそれも、第<30>回で触れたように、各個人家庭が自家用車を持ったりする過程で、女中を雇う人件費がモノの豊かさに置き換わって行った引き換えだったりします)、女性の社会進出も進み、家事行儀見習いで親戚の家にメイドとして入るなどという話は、ひと昔どころか二昔も三昔も前のこととなってしまいました。
では世界に目をやると、当時から今まで、どんなことが進行してきたのか?
間違いなく進んだのは、開発途上国の中流化です。東南アジアのどんな辺境の地であろうが、21世紀を迎えた現代では携帯電話が行き渡り、観光を支えていた民俗芸能の担い手たちが、スマートフォンに気を取られて質の低下を招いています。
しかし、彼らの生活は、この30~50年で飛躍的に豊かになり、都市化が進み、中流層が増えました。
そうした、人類レベルでの格差が解消されていく一方で、先進国では逆に貧富の差がますます広がり、二極化が進んでいます。
そりゃそうでしょう。企業は、国内が頭打ちになれば、海外に販路を求めるだけで、「自分さえ儲かりゃいい」のですから。
だからこそ、国や行政には、「富の再配分」機能の正常化を求めたい。
が、消費税が10%に引き上げられるまでに1年を切った今(2018)、そうした気配は見えませんし、相も変わらず政府はグローバルの見地から法人税の引き下げで企業のご機嫌取りをしているように見えます。
節税について多くの著書を出している大村大次郎氏のメルマガに、端的な数字が引かれています。
> 特別な資料をつかんで発見した事実などではありません。国が公表し
> ている、誰もが確認することのできるデータから、
とした上で、そこに紹介されている数字には改めて驚かされます。
https://www.mag2.com/p/news/377019/2
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まだまだ触れた方が良い事例はありましょうが、国全体の平均で言えばジニ係数的には、日本は世界の中位。しかし「再配分機能は弱まっている」とされています。
筆者の場合には、所得が150万円程ですから(第<31>回)、決して富裕層(一般に金融資産で1億円以上とされる)では無く、過去に自分の法人に貸した投資金が定期的に筆者本人に返済される仕組みを作ったことと、受給の始まった職域年金を併せると、ようよう日常生活は何とかなっている、という位置づけでしょう。
1億の債務を抱えていること、高額な医療費が発生しても払えるようなまとまった資金は無いことを肝に銘じ、健康に留意して毎日を過ごして行きたいと考える次第です。
債務という存在に奴隷化され、その上に立った日々の自由、という構図は、上述の古代ギリシャに似て非なる「儚い姿」と自重(自嘲)する毎日でもあります。
公開日:2018年12月19日
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