現職中に5棟10室の事業的規模を達成したらどうなるか?~結果としての節税あれこれ~|Hisashi

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現職中に5棟10室の事業的規模を達成したらどうなるか?~結果としての節税あれこれ~

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大家 Hisashi

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。

 前回と今回で触れた賃貸経営規模は、青色特別控除の有無で個人事業主控除をクリアするという、計算上の設定で話を作成しています。現実には税引後所得が300万程度では、子どもを養っていたりすれば足りないでしょう。前回の冒頭でもおことわりしましたが、単独個人投資家想定で書いている、やや空論部分も含まれた記事とお考え下さい。読み取って頂きたいのは「考え方」です。

<05> 勤め人 vs 事業主

 サラリーマンは、勤め先という「社会的に絶大な信用」を背景に、融資が付きやすい、とよく言われます。
 一部上場尾企業の社員や公務員は人的属性に問題なしとされ、金融機関は喜んで貸してくれる、という奴です。
 事実、会社を辞めたら、途端に金融機関が貸してくれなくなった、という話はあちこちでセミナー講師さんなどから聴いたことがあります。

 筆者の場合、早期退職したのは51歳でしたが、では辞めて融資が引っ張りにくくなったかというと、あまりそういったことはありません。
 現職勤め人時代、ワンルームを9戸くらいまで買い進めていましたが、割とマメに一部繰上返済に励み、担保余力を作り出していました。

 自宅はというと、39歳の時に取得したマンションのローン返済をしていました。当時は住宅ローン減税は5年間でしたが、その5年目に実家に戻ることとなり、幸か不幸かマンションは売ることなく賃貸に回すことができました。

 ここで節税の小技をひとつ。
 固定資産税は、算定基準はその年の01/01で、その時点での所有者に対して納通が発行されます。したがって上記のように実家に戻ることとなって、すぐに住民票を移してしまうと、5年目の税額控除がパアになります。
 なので私は、実際には前年6月に実家に引っ越していたのですが、住民票は翌年01/01が明けるのを待って、確か成人の日前後頃に転出(マンション)・転入(実家)したのです。

・郵便は1年間転送してくれる。
・千円程度の交通費と数時間の手間で、何万円の得になるならやるべき。

 税制上の追徴などは7年までですから、このコラムに書いて20年近く前の「かつてのグレー」を晒しても、筆者の場合はもう時効です。職場への住所変更届や、年賀状とか、いろいろ引っ越しを知らせる機会はありますが、住宅ローン控除が取れる期間内の転居は、税制を睨みながら賢く立ち回るとよいでしょう。
 実際、ある金融機関の融資課の方と話していたら、
 「ローンを実行した後、数年後に借入人さんが実際にはその物件に住んでらっしゃらない、ってことがあるんですよね。」
と話題にしていました。転勤で賃貸に出した場合もあるでしょうし、この小技のように、住宅ローン控除を無駄にしたくない、ということもあるのかも知れません。

 さて、早期退職前後の話に戻りますが、44歳から52歳まで、自分自身でローン返済していた物件が、一転して収益物件に変わった効果は大きいものでした。言ってみれば、これまで自分で返していたローン(つまりマイナス)を、今度は賃借人さんが返してくれて、さらにお釣りが残る、という感触です。

 ただ、他人様が返してくれるとは言え、ローンそのものは抱えていますので、ついぞ一棟ものといった大きな物件を取得するには至りませんでした。多少利回りは低くても、駅近都心部立地のワンルームを拾い、上述のように9戸くらいまで買い進めたのです。

 第03回で書いたように、もし公務員であれば年収家賃500万を越えて、承認を得るべき規模でしたが、誰にも言わず、バレもせず、もちろん周囲に吹聴することもせず……。買い増し・投資拡大を進めるより、どちらかというと、余裕資金があればマメに一部繰上返済に回す……。
 それが正解だったかどうかはタラレバで分かりませんが、実需住宅ローンを既に抱えていたので、結果的には債務圧縮を優先せざるを得なかった、ということの結果だったのかも知れません。

 ところで、では現職中に5棟10室の事業的規模を達成したらどうなるか? 早い話、サラリーマンでありながら事業者になるのか?

 残念ながら、あくまで事業「」規模であり、事業者とはなりません。個人事業主は、税務署に開業届を出すことで事業者になるのであって、嘱託員や非常勤職員、あるいは就業規定などに照らして、認められる場合もあるかも知れない、ということになります。
 特に、昨年(2016)からマイナンバー制度が施行されていますから、就業規則違反で開業届など出したら、正社員の地位自体がパアになるかも知れません。
 第03回で触れた消防士さんは、不動産収入が7000万円くらいあったということですから、クビになっても困らないでしょうが、投資に目覚めてまだ小さい資産規模の段階、しかもローン利用で物件を取得、なんてポジションの場合は、くれぐれも立ち回り方にはお気を付け下さい。

 つまり、前回(第04回)書いた、

> 最大の違いは、
> ・経費計上のマイナスが認められる

という「一般事業」の部分が、サラリーマンということでマイナスにはならず、

 「ちゃんと給与所得控除の恩典を受けてるでしょ?」

ということになってしまうわけです。もちろん、第01回に書いたように、

> 物件視察時、不動産業者と連絡を取り合う必要から携帯電話代

を不動産収支の経費にすることもできないことはないでしょうが、あまりえげつない振る舞いは、税務署からの「おたずね」を引き寄せる時期が早まることになるだけかと……。

 冒頭に戻りますが、物件があれば、人的属性にはそれ程左右されずに担保評価で融資は出ます(複数であれば共担など)。なので、担保余力を大きくすべく、一部繰上返済を一定程度意識することは大切です。特に、正規採用ながら、一部上場企業でもなく公務員でもなく、なんて場合は物件そのものの担保力が重要度を増します。
 金融機関は、潤沢なキャッシュを持っている人が大好きなのですが、ちゃんと金融機関を利用して地道に返済の実績を積み上げた人の信用度も上げて見てくれます。まとまったお金を持っていても、ちゃんと返すか分からない人より、今現在はたいした額の自己資金を持っていなくとも、返済実績(一回も焦げ付かせない、定期的に一部繰上返済をする、等)があって「確実な人」もそれなりに評価します。
 もちろん、メガバンクか地元信金かといった違いもありますが、昨今のような非正規採用比率が上昇している時代には、担保・実績は重要な視点と思われます。

更新日:2018年9月21日 (公開日:2017年8月29日)

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