借り入れ(収益物件のために組んだローン)には、どんな心理的圧迫があるのか?自己の生活にかかっている日常の収支の把握(認識)~結果としての節税あれこれ~|Hisashi

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借り入れ(収益物件のために組んだローン)には、どんな心理的圧迫があるのか?自己の生活にかかっている日常の収支の把握(認識)~結果としての節税あれこれ~

借り入れ(収益物件のために組んだローン)には、どんな心理的圧迫があるのか?自己の生活にかかっている日常の収支の把握(認識)~結果としての節税あれこれ~

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大家 Hisashi

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。

 前(第<44>)回は年金という「個人」の生活が話題でしたが、「日々の遣り繰り収支がマイナスにならずに収まっている」というソロバン勘定的な面から考えた時、「書き残した」感を覚えながら思ったことが借入残のことでした。
 物件単体で年間の収支が見合う、それも借入の返済も織り込んで、というのが投資の基本ですが、そもそも「一般に日本人が嫌う」という借り入れには、どんな心理的圧迫があるのか。

<45> 「借り入れ」のこと

 筆者は、現在個人事業で5戸のワンルーム・マンションを経営しています。賃料収入は満室でも年間合計400万弱。管理費やら修繕積立金の固定費を差し引くと、手残りは280万円ほど。過去のコラムでも書きましたが、個人事業主控除額辺りに収まるように調整しています。
  固定資産税も差し引くと、月額平均およそ23~24万円。いわゆる勤め人の「手取り」となります。
 今でこそこの5物件は借り入れもすべて完済して稼働してくれていますが、その返済中を振り返ってふと書いてみる気になったのが今回のコラムです。

 ごくフツーの勤め人は、給与収入から源泉税やら社会保険料も引かれた残り(手取り)で住宅ローンを組みます。30年返済として、ローンが完済した後に残るのは棲み続けられる自宅、という安心です。
 収益物件のために組んだローンは、完済すれば冒頭に書いた

> 物件単体で年間の収支が見合う、それも借入の返済も織り込んで、

という部分の「借入の返済」分が「増収」になるという感覚。
 主婦感覚で言うなら「やっと来月からこのローン返済から解放される。ちょっと贅沢?  いやいや教育費が増大!」などと考えるのでしょうか?
 世のFP様たちが、「定年までに住宅ローン完済」を唱えますが、住宅ローンにせよ、収益物件の借り入れにせよ、ある段階で「余裕の収入(年金)を待ち受けるばかりの身になること」は、ひとつの目標かも知れません。

 ------------------------------

 筆者は、物件を取得するにあたって借入を使うこと自体はそれほど恐れを感じません。ただ、返済中の運用がもたらす心理的負担や実際の「遣り繰り」についてはそれなりに勉強させられました。
 販売業者・仲介業者は、営業成績を上げるためにあの手この手で近寄ってきます。中には、「この物件なら融資が付きますよ」と誘ってきます。そこからスルガ銀行やレオパレスの問題に踏み込む気はありませんが、まあ、それらのアブナイ側面はクリアした「まっとうな」
物件に巡り合ったとします。
 すると販売・仲介営業マンは次のようなシミュレーションを描きます。

 <サンプル>
・物件 1000万円区分マンション
・賃料 70,000円
・管理費 10,000円
・修繕積立金 7,000円
・賃貸管理委託費 3,850円(賃料×5%+消費税)
・借入 6,000,000円 金利 1.5% 15年 元利均等

 <サンプル例月収支>
・収入 70,000円
・経費 20,850円(管理費+修繕積立金+賃貸管理費)
・返済 37,244円
・差引 11,906円

 つまり、
 「毎月11,906円の黒字で、15年経ったら借入が消えて毎月49,150円の自前年金になるんですよ。定年までにこの規模の物件を2・3戸買い進めれば、公的年金月額15万円として、さらに10~15万円プラスの優雅な老後生活が実現します。」
というわけ。

 確かに、自宅に住み続けられるという住宅ローンの完済に較べると、自宅の場合は先々まで補修・改修などが発生しても自前になるわけですから、賃料収入から修繕費用が経費計上できる収益物件の方がマシかも知れません。上述で言うなら、勤め上げの年金生活者は自宅の老朽化にも年金から対応せねばならず、賃貸業を営んでいる輩は「修繕費」を経費化して遣り繰りする、という構図でしょうか。

 では、実際に運用している「進行形」の渦中はどんな現況になるものなのか?
 上記サンプルで実況的に仮展開してみましょうか。

<取得当初>
・借入の手続きに係る費用や不動産取得税などは無事にクリアできたと仮定。

<例月でない固定資産税を年5万円と仮定>
・11,906円×12ヵ月= 142,872
・142.872円 - 50,000 = 92,872円
 つまり、年間の手残り額は、満室でも10万円を切ります。

<4年に1回退去・募集があると仮定>
・募集条件が同じ70,000円をキープでき、仲介業者への客付け費用1ヵ月(+消費税)、空室期間2ヵ月、退去に伴う内装工事費用のオーナー負担分が50,000円発生するとします。
・満室の年/92,872円のCF(キャッシュ・フロー)
・退去のあった年/-57,940円のCF
 119,060(10ヵ月)-77,000(客付費用) - 100,000(工事費・資産税)

 で、この4年に1回の退去・募集を含むサイクルが3回(12年)続いたとすると、CFはようや< 672,028円。12年間ですから、1年にしてみれば 56,000円程度。月にすれば4,600~4,700円程度。

 事業体としての決算はこれに減価償却費が加味されますので上向きますが、CFベースでは「こんなもの」なわけです。

 一般に不動産投資は「ミドル・リスク/ミドル・リターン」と言われますが、ここに示した金銭感覚がその実体(態)なのだ、ということを肝に銘じていないと、足下を掬われます。
 つまり、借入を抱えながら不動産投資を継続するということは、「毎月のCFは大した額でもないのに、固定的な支出は容赦なくやってくる日常を背負う(凌ぐ)」
こととも言い換えられます。日々の家計に汲々とする主婦感覚からすれば、
 「貴男いったい何考えてるの?  そんな危ないものに手を出して!」
と咎めだてするのは当然。故に、パートナーに内緒で物件を買ったりしてトラブルが噴出する羽目に発展します。

 世の多くの「投資に失敗」している事例を垣間見るに、どうもこの辺りの「ミドル・リターンといっても所詮この程度」という認識の欠如があるように思います。
 元手が10万円で、1年放っておいたら50万・100万になるようなことを夢見ているのではないか?

 地道とか堅実とかいった運用の中身とはどんなものなのか、改めて数字と実感を摺り合わせる意識と、自己の生活にかかっている日常の収支の把握(認識)を再点検する必要があるように思います。

公開日:2021年1月20日

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