年金というのは、利回り何パーセントの物件を持っているのと同じ収益構造なのか?老後資金の考え方と働き方~結果としての節税あれこれ~

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。
タイトルを見た途端、「あ、まだ先の話だから俺には関係ねえや」と素通りされないよう、年金収入は、どのくらいの利回り物件を持っているのと同じなのか? という視点で書いてみました。
定年時点で完済(住宅ローンの鉄則)、老後資金は何千万? いつまで働く? などを改めて考えてみたいと思います。
<22> 職域年金受給カウントダウンを前にして
年金というのは、利回り何パーセントの物件を持っているのと同じ収益構造なのか? そんなことを話題にしてみたいと思います。
昨年(2017)この連載をスタートさせた時、筆者のプロフィールに、
> 職域年金受給1年前となり、
と書きました(今もそのままのプロフィールが載っていますが)。
> 問い合わせましたら、職域年金で10~11万/月の原資(第<07>回)
が積み上がっている、とのことでしたが、これを税引前で毎月 105,000円の手取り家賃と考えてみましょう。
筆者個人が現在運営している区分マンションの平均利回りから導いてみると、
グロス利回り 8.16 %
経費率 35.12 %
ネット利回り 5.29 %
なので、
物件価格 23,800,000 円
家賃年収 1,944,000 円 (162,000/月) グロス利回り 8.17 %
年間経費 684,000 円 ( 57,000/月) 経費率 35.19 %
手残家賃 1,260,000 円 (105,000/月) ネット利回り 5.29 %
と同等のマンション(ファミリーだと1戸、ワンルームなら2~3戸)物件が増えたのと同じということでしょうか。
月額を1,000円単位に丸めたので、数字に多少の差異はありますが、0.1%以下に抑えましたから、感覚としてはこんなものでしょう。
経費の中には、固定資産・都市計画税も月額あたりに均して入っています。それにしても35%の経費率は高い! と考えるかどうかは読者の皆さん次第ですが、エレベーターが付いていてるとか、受付に管理人さんが居るタイプの「老後も安心の資産価値が維持されている」型の物件とすれば、納得のイメージですかね。
なお、筆者の世代は、まだ「20歳になったら、学生であっても国民年金の納入義務が発生」という制度になってはいませんでした。なので、基礎年金部分を40年分満額にするため、筆者はまだ国民年金を払っています。その支払いは、あと1年もせずに終わりますし、基礎年金部分の受給は65歳からとは言え、同じ年金の受給/納付で考えると、実際の感覚としては、
「貰ったけれど、そこからまた払い込むんだよねえ。」
みたいな期間が生じます。
とは言え、そうした個別事情は脇に置くとしても、上述の規模の物件がポンと降って湧いてくる感覚は、このコラムをお読みになっている方なら「十分理解」できるのではないでしょうか。
しかも、
・空室無し(太陽光発電でも同じだがパネルの劣化等で手仕舞いも)
・2ヵ月毎の定額収入(浮き沈みがないのはありがたいことです)
・手間が要らない(修繕や募集にかかる煩わしさが無い)
・生涯保証(見直しの減額はあっても事業・投資の手仕舞いは無い)
という「破格」の好条件です。
現職時代の苦労の「ご褒美」がこれか! という感覚ですね。(笑)
年金受給時点で、自分がどの程度の賃料収入が見込めているのか、という「見通し」は、
・勤労所得(60歳または65歳以降も働く)と年金(+老後資金として貯蓄)
・不労所得(家賃)と、いざとなれば売却(退職金代わり=貯蓄に相当)
とでもいった捉え方でトントンという感じでしょうか。つまり、
「物件を買い増して、手元にお金はプールされないけれど、老化の進む身体にムチ打って勤労所得受給先を探す必要もなく、いざとなればキャピタル・ゲインが退職金・貯蓄金代わり」
という解釈になりましょうか。あるいは、
・そこそこの貯蓄があれば、急な医療費出費にも対応可能。
・一方、取り崩しての生活は、長生きするにつれ資金の枯渇に怯える。
・物件選びさえ確かなら、ずっと先まで安定収入。
・借入完済後に貯蓄に回す余裕があれば、額の大きい医療費にも対応。
みたいな対比で捉えてもいいでしょう。もちろん、前者2つが、
・老後資金も貯められ、年金額も遜色ない給与所得退職者
であり、後者2つが筆者のような、
・老後資金の貯蓄は確保できていないが、先々も安定収入がある
賃貸経営事業者です。
たまたま筆者は、不動産投資(賃貸経営)を始めたのが40歳になってからでしたので、ここに書いたような中間結果になりましたが、もっと若い頃に「目覚めて」いれば、
・債務の終わった物件を担保に、次の物件に再投資
・レバレッジを利かせ、投資スピードを加速させ、
・将来の年金見込みを上回る収入見込みと、余裕資金で貯蓄も確保
・保険に頼らずとも高額医療費にも対応可能
といった「境地」に辿り着けたのかも知れません。
が、年金受給直前となった今、自画自賛ではありませんが、
「まあ、結果として悪くはなかったかな。」
と感じています。第<17>回でも触れたように、
> 手持ちの区分ワンルーム物件についてはすべて債務がなくなって
いることは、前回(第<21>回)触れた、「額の大きなリスク」のひとつである借入が消えているということで、それだけでも随分とあとの2つ(つまり減価償却と税金)のことが考えやすくなります。
健康面や医療で急な多額の資金が必要になったらどうしようか、という不安はありますが、幸い受給間近に迫った年金を遣り繰りすれば、貯蓄も急速に改善される見込みです。これまで健康に過ごせたこと、またそうした身体に生んでくれた亡母に感謝するのみです。
過去、いろいろな投資家さんと交わる機会もありましたが、親子ほども年齢の離れたお嬢さんで、28歳頃に現金で区分ワンルーム物件を取得。FP3級、簿記3級を取り、30歳の頃には宅建も取って着々とスキルを磨き、次なる物件取得にも意欲旺盛、という方と知り合いになったことがあります。
些細なトラブルから現在は連絡を取り合っていませんが、こうしたブレない行動力は、将来に向けての安定した資産形成のための、実はいちばんの要なのかも知れません。
金融機関との交渉力も、物件の目利きも、利回り計算も、すべての大元は「確固たる意思」から導かれるからです。
これ以上書くと、妙な精神論や根性論に振れかねないので止めますが、筆者は「もう少し若い時点で投資に目覚めていれば」という一抹の後悔・残念さはあるものの、若い頃は好きなことに没頭しました(第<09回>)から、満足度で考えればイーヴン。
では、現在私が浸っている「悪くはなかったかな」という実感はどこから来るものなのでしょうか。
多分それは、恐らく、
・「長生きリスクや年金不足や目減りする貯蓄を補うべく、老化の進む身体で勤め先を探し、日銭を確保する」ことからは解放されそうだ。
・人口減少と万事二極化の進む現代にあって、賃貸収入は決して不労所得とは言えなくなっているけれども、勤務先に縛られることはなく、自分のやりたいことができる。
という2点だと考えています。
働き盛りの中年から激務の中間管理職を経て燃え尽き、やっとリタイアを迎えたと思ったら、満足な年金額ではなく、老骨にムチ打たねば住宅ローン完済や子どもの教育費も追いつかない、というような話はそこここに聞きます。
仕事一辺倒だった会社人間は、リタイアとともに急に老け込み、孤独に苛まれるという話題も、最近各種メディアを賑わせています。
筆者の場合は、第<18>回で、
> 年齢と共に増大する職場の柵みが厭で早期退職
という、「勤め上げ、職務を全うする」ことに価値を置く傾向の強い日本社会にあっては、やや後ろ向きな人生を選びましたが、
> やりたいことがある。取り組むにはそれなりの時間も資金もかかる。
> では資産に稼いで貰おう。不動産投資を始めて20年、それは何とかな
> りそうだ。よし、今こそやりたいことをやろう。(第<09>回)
と書いたように、組織(会社)に潰されず、やりたいことをやるための時間と、それを許す経済的な自立にある程度の目処が立ったということ。
そのことから来る安定感、安心感に浸っているのだと思われます。
身の丈を外さない(第<09>回)、足るを知る(第<13>回)、という言い方も以前に書きました。年齢から来る「先が見えてきた」諦念の観が言わせている部分もあるかも知れません。
でも、いつも不足・不満をどこかしらに抱えたままで一生を終わるのではなく、今は「束の間の憩い」で実はこの先過酷な人生が待っていたとしても、いっときの余裕を得た時期を人生の中に作れたことが、「悪くはない」という味わいなのだと思います。
公開日:2018年5月29日
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